裁判所ってどんなところ?: 司法の仕組みがわかる本 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689733

感想・レビュー・書評

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  • 仕事のための読書。
    裁判所の組織の概要が、雑学感覚で楽しく身につけばいいな、と期待して読み出すも、はじめの数頁で難しさにその思惑はこっぱみじんに。
    そりゃそうだよね、楽に身につく知識なんかないよね……(遠い目)。
    というわけで、気持ちをただして、読み始める。

    元裁判官、現役の弁護士である著者が、裁判所という組織を解説した本書。
    解説といっても、裁判所の種類、働いている人たちと組織の構成、民事・刑事といった取り扱う事件の種類etc、現実的な運営に関する説明は、本書のごく一部。
    それよりも読んでいて全体から感じるのは、裁判所が法学的、政治学的に、どのような思想や問題点を抱えながら歩んできのかを包括的に解説しようとする、著者の強い意気込みである。
    が、いかんせんこちらは三権分立くらいはなんとかわかるかな……という身。
    “裁判所の組織としての性格は、自由主義的原理と民主主義的原理の兼ね合いで決まります”、と書かれていても、そのくだりを3回くらい読み返してはじめて次が読めるという感じなので、遅々として頁が進まない。
    それでも、
     ・ 東洋の法は命令、西洋の法は合意
     ・ 国家権力はつきつめれば暴力
     ・ 法の世界はすべてが発展過程
     ・ 現実問題として社会は不平等
    などの言葉にはっとさせられる。
    裁判所が社会の中でどのような役割を果たしているか、問題点も含めて手加減せずに書かれていて、いっそのこと清々しさを感じる。
    この本に、進路選択の際に巡り会えた学生は、とても幸運だと思う。

    裁判所や、それを取り巻く社会のシステム、政治って、複雑な論点が入り雑じりながらも、どこか現実に抗えずになし崩しで運営されている面もあって、一筋縄ではいかないな。
    裁判所を理解するどころか、広い海に放り出されたような読後感。
    それでも法学、政治学の味わい深さや広がりが感じられて楽しい一冊でした。

  • 請求記号:327.12/Mor
    資料ID:50085489
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を務め、現在は弁護士として活動。裁判官時代には、官民交流で、最高裁から民間企業に派遣され、1年間、三井住友海上火災保険に出向勤務した。著書に『司法殺人』(講談社)、『死刑と正義』(講談社現代新書)、『司法権力の内幕』(ちくま新書)、『教養としての冤罪論』(岩波書店)ほかがある。

「2015年 『虚構の法治国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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