ニッポンの肉食 マタギから食肉処理施設まで (ちくまプリマー新書)

  • 筑摩書房 (2017年12月5日発売)
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689931

感想・レビュー・書評

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  • タヌキの肉は美味いのか、臭くて食えないのか 『ニッポンの肉食』 | BOOKウォッチ(2018/6/3)
    https://books.j-cast.com/2018/06/03007407.html

    動物の肉を食うということ|ちくまプリマー新書|千松 信也|webちくま(2018年1月31日)
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/1198

    筑摩書房 ニッポンの肉食 ─マタギから食肉処理施設まで / 田中 康弘 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689931/

  • 食肉も野生動物を食べる事も、色々な本を読んできているので、あくまで入門編ですね。

  • 現代の肉食について。
    狩猟の実際の現場を見てきた著者ならではの興味深い話。

    シカの刺身は美味しくて、毎年猟期のはじめに、シカの刺身にあたってのたうち回る猟師が大勢いるとか、ウサギをフンごと鍋に入れる集落もあれば、フンを入れない集落もあるとか、タヌキの肉は臭いけど、アナグマやハクビシンの肉は臭くないとか、1990年代頃にまだイヌを食べいてた集落があったとか、本州ではイノシシの皮を刃物で剥がし捨ててしまうが、九州と沖縄ではバーナーで毛を焼いてこそぎ落とすのが普通、とか、面白い。


    その方面の専門書には及ばないが、畜産肉に関しても書かれている。食肉処理施設の様子と肉屋さんの仕事。

    肉屋さんの哲学
    「ブタの命に対する責任感、従業員に対する責任感、そして生産者、消費者に対する責任感。実に多くの責任感を持ちつつ日々肉を提供するのが肉屋さんの仕事なのです。」

    文献記録や宗教との関係、肉食の歴史的変遷などは、記述は少なめ。

  • いのちの大切さ、食の教養

  • ちくまプライマリー新書289~日本は半世紀で肉の消費量が十倍になった。縄文時代から落とし穴猟は行われ、シカなどの動物を追い込んで捕っていた。肉食禁止令はそれだけ肉食が行われていたことの証である。仏教の戒律に背いて殺生をする理由は①肉を得るため②皮や毛を利用するため③田畑を守るため。そして屠殺・屠畜という営みは欠かせない。関東ではウマが、西ではウシが活躍。それらを肉とするほか、ブタ・ニワトリ・ヒツジ・ヤギも。狩猟肉としてはクマ・シカ・イノシシ・ウサギ・タヌキ・アナグマ・(ムジナ?)・クジラ・海獣類。中間に位置するのがイヌ・ネコ。1990年代まで東北でイヌ食いの記録があり、ネコは2000年あたりのネコ捕り婆が最後。ウシ・ブタは大型獣として処理され、ニワトリは別ルートの小動物専門の施設で肉となる。狩猟の現場では大変。早く内臓を抜かないと臭くなるが、運び出す人手が足りない。年寄りだけになって、捨てられる。罠猟でも檻の中で動き回る獣を殺さないと運び出せず、泥と血で汚れる~肉食が広がるとアメリカの飼料農家が儲かる仕組み! タヌキが美味いか不味いかは食べた固体の状態に因るものだった。ジビエって簡単じゃないなぁ

  • 20180803 何気なく口にしている肉。大昔は全ての男が狩りをし、時代とともに農業の導入、さらに分業化で、一部の人しか猟をしなくなった。猟師をマタギと呼ばれていた。畜産肉と狩猟肉の違い、食肉処理施設でどのように加工されているのが分かる。
    昔のお肉屋さんで、惣菜を扱っていたのは何も疑問に思っていなかったけど、牛の半身の枝肉を部位に分けるときに細かな肉がでて、それを活用してメンチカツとかを作っていたと知って、なるほど!と思った。

  • 身近な食材なのに、実はわからないことだらけの肉。畜産肉のシステム化された生産や流通の過程から、日本の自然が育んだバラエティ豊かな野生の獣肉まで、多数の写真とともに日本の肉食文化の奥深さを紹介する。

    最後の最後に,「廃棄物処理法違反」という言葉を見るなんて…。

  • ニッポンの食肉のすべてがここにある!
    著者の、「肉食」に対してのあふれんばかりの興味と知識に感嘆。民俗学的な考察から科学的な解析までバラエティ豊かなアプローチで様々な動物に迫る。文字通りの肉薄。目からウロコが落ちまくりの一冊。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/

  • ◆7/17オンライン企画「食のミライ」で紹介されています。
    https://www.youtube.com/watch?v=jCW1km6G9LY
    本の詳細
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689931/

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著者プロフィール

長崎県佐世保市出身。
佐世保南高校→島根大学農学部→日本写真学園
雑誌、冊子等の撮影、執筆を生業とする。
秋田県の阿仁マタギとの交流は20年に及び“マタギ自然塾”としての活動を行う。
狩猟採集の現場から「地の力」とそこに暮らす人々の生活を常に見つめてきた。
「マタギ 矛盾無き労働と食文化」は阿仁マタギの里での生活を活写。
熊、ウサギ、岩魚、山菜、キノコと山の恵みを享受してきたマタギの暮らしを追った。
今は引退されたり、亡くなられた多くのマタギ達との様々な体験が記録されている。

「2023年 『完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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