トーベ・ヤンソン・コレクション 1 軽い手荷物の旅

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 239
感想 : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480770110

感想・レビュー・書評

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  • ムーミンの作家であり画家のトーベ・ヤンソンによる大人向け短編集。

    詳しい村や島の風景の描写があるわけじゃないのに、登場人物の会話やふとしたしぐさで小さくて田舎だけど魅力的な清清しさが伝わってくる。

    「往復書簡」は日本人の少女と作者トーベ・ヤンソンとの手紙のやり取りだけの短編。

    作者にあこがれる少女の気持や、毎度の「俳句を送ります」とか「詩を送ります」とか(実際にその俳句や詩のほとんどは描写されていない)おくゆかしいなかわいいな、と思った。
    ちょっとしんどいラストだったけど。

    「思い出を借りる女」は読んでるほうがちょっと緊張感持つというか小さく混乱するような話の運び。

    そのまま読み終わってもいいけど、もしかして…っていう仕掛けに気付くと微妙な気持になる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ヤンソンの優しさの感じって、「植物園」がよく表されているような気がします。
      ヤンソンの優しさの感じって、「植物園」がよく表されているような気がします。
      2012/09/19
    • 美希さん
      >nyancomaruさん☆

      そうですね~。
      思いっきりムーミンフィルターで最初読んでたので辛口の作品は最初驚きましたが、どちらも好きです...
      >nyancomaruさん☆

      そうですね~。
      思いっきりムーミンフィルターで最初読んでたので辛口の作品は最初驚きましたが、どちらも好きです。
      2012/09/20
  • ムーミンの作者で知られるフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの短編集

    「軽い手荷物の旅」など全12話
    タイトルとムーミンのイメージから、牧歌的なものを想像していた

    描かれていた物語は全て、何か不穏な匂いの漂うもので、全体の一部をスッパリ切り取ったようなお話ばかり。

    探究心旺盛な時は、一文字ごとに想像力を膨らませ、勝手に物語を夢想してしまう。
    疲れている時は、なんのことだかさっぱりわからないまま。

    不思議な国フィンランドってところですか……

  • ムーミンの原作者として有名なトーベ・ヤンソンの大人向け短編集。「旅」をテーマに綴られる様々な人の心の描写は、写実的で俯瞰した距離感を保つと同時に、当人の感じているもどかしさや抉られるような痛み、例えようもない戸惑いが手にとるように感じられる切実さも併せ持つ。

    語り手と作家の内面に深くひたすらに入り込んでいくような内省的な文章は、とても私好み。ただ、それゆえに一度では噛み砕ききれない部分も多々あって、今後何度でも読み返すことになる予感がする。

  • 図書館にて読了。タイトルと同名の短篇に出てくる語り手(主人公)の人柄が、私はとても好きです。良い人なんですが、とってつけたような善人ではないところがなんとも...。どういう状況かわからないけど不穏な空気が漂っていたり、ちょっと情緒不安定な人々が叫んでいたり、なんとなくいい関係だなと感じたり、一冊で色々な人間模様を楽しめました。

  • 12編の話の切り口が、まったく違っていて
    読む楽しさがありました。
    どの話も、余韻が残ります。

  • 12編の短編集、ベスト1の感想。

    『往復書簡』
    日本人ファンからのファンレター
    1通目には「手紙を書いたことを許してください。」と
    作家にとても気を使っているところもみられる
    2通目は誕生日に送られた絵の御礼
    3通目はファンレターの返事の催促…
    どんどんエスカレートして「いつ会いに行っていいか」
    と尋ねるようになり、最後は自分の事情で会いに行けないと
    いう手紙で終わる

    ファン心理がよく表れている

    短編集全体としてはムーミンの作者だなーと思わされる
    ところがいくつもあった

  • よりどころのない人たちの旅に関する短編集。そして、私たちがいつでも目に入るものすら見過ごしてきたことについて。

  • 2014.09.10.読了

    不思議な世界
    なんだか読んでいて居心地が悪いのだが
    また次が読みたくなる
    本当に不思議

  • 長いこと積んでいて漸く読んだ一冊だけどとてもよかった。どの短編もメランコリックな内容で孤独を謳いながらも人との繋がりを疎かにしていない。北欧の寂寞とした風景も彩りを帯びて力強い生命を感じる。虚飾を捨てたストイシズム、その境地に達するのは難しいけど、いつか軽い手荷物を纏めて行く先のない旅をしてみたい。祖父江慎の装幀がとても素敵でシリーズ全巻揃えたくとも既に絶版。なして放っておいたのだろう‥後悔。どれもが逸品揃いの秀作だけど最後の2編「鴎」と「植物園」が飛び抜けて素晴らしい。冷ややかで温かい。トーベの魅力。

  • さらりと読めてしまうものから心をひどく掻き毟られたような気分にされるものまで12篇の短編集。表題作「軽い手荷物の旅」は(個人的感想では)その中間に位置する。「体育教師の死」では思わず頭を抱えた。一番好きだったのは「ショッピング」。漂う終末の空気、そして解放感。

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著者プロフィール

1914年、フィンランドのヘルシンキ生まれ。1945年にムーミンシリーズ第1作目『小さなトロールと大きな洪水』を出版。以降書きつづけられたムーミンの童話、絵本、コミックスは世界中で評判となり、いまも愛されるロングセラーとなっている。2001年6月逝去。

「2021年 『ムーミン ぬりえダイアリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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