黄金のしっぽ ― ムーミン・コミックス1巻

  • 筑摩書房 (2000年7月1日発売)
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感想 : 71
  • Amazon.co.jp ・マンガ (73ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480770417

感想・レビュー・書評

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  • 原作に漂う「世界のドコにあるかわからない幻想のムーミン世界」というよりは「人間社会をムーミン谷の住民に当てはめてみたら」みたいな感じの作品ですお。そういうのが嫌いじゃないなら好きになれるはずだお。

  • 小説版よりも我が強く毒もたっぷり。でも素敵。みんな言いたいこと言って、やりたいことやっているんですよ。その姿勢が素敵。特にママは自分の譲れない部分はきちんと主張しながら、パパを立ててムーミンを心配している。いいなあ。

  • ムーミンの小説とコミック、絵本は同じ地平で語ることが難しいほど性格が異なり、それぞれの味わいがあるとはよく言われること。登場人物たちの生い立ちや性格といった重要な設定も違ったりして、ファンの中でも好みが分かれるのかもしれない。

    コミックは、登場人物たちの個性が際立っている。ぶっちゃけ俗っぽい。あのムーミンママやスナフキンでさえ、時と場合により、見てるこちらが引くほど品も節操もなく。展開もハチャメチャなものが多い気がする。ぶっ飛んでるというか。破天荒と言った方が良い?面白いから良いけども。そして、そんなのばかりじゃないけれど。

    自分は、楽しい気持ちになりたい時はコミックを読む。コロナ禍の鬱屈した気持ちを、底抜けの明るさと笑いが詰まったムーミンコミックを読んで吹き飛ばす。


    ●黄金のしっぽ

    黄色い歓声に酔いしれ、地位や名誉に目が眩んだムーミン。嘆かわしい!でも、スノークの女の子に嫌われやしないかと、しっぽハゲを気にしまくるところは可愛い。最後は正気を取り戻すし……途中で何度も、健全さを取り戻してはまた欲に溺れるという失態を披露してはいるけども。

    あとは、そうね……
    ・「骨格はぼくだけのものだ!」こんなセリフ、今まで一度だって聞いたことない。
    ・黄金のしっぽを生み出す、ママのおばあさんの魔法の飲み物レシピ。錬金術か。スニフとスティンキーは、しっぽグッズの製作に励むよりも、このレシピをこそ手に入れるべきだった。
    ・フィリフヨンカに息子のしっぽを見せびらかしてイラつかせたいママ。ママにだって波長の合わない相手はいる。
    ・わざわざ伝記内容のでっちあげの了解を取りに来るスニフ。ムーミンに内緒でやっちゃうよりはマシ……とはとても思えない。お前は本当にムーミンの友達なのか?
    ・緊迫の訴訟シーン。ママの解決法が素晴らしい。それにしても、コミックだから冷静に、笑いながら見てられるけど、現実にこういうことがそこら中で起こってると思うと怖い。
    ・「あなたのりっぱな鼻にずっと憧れてたんです!」にキュンとくる。

    それにしても、何かの拍子に有名になっちゃた素人の辿る道のり、そして末路とはこんなふうなんだろうなあ。小説『ムーミン谷の冬』もしくは『ムーミンパパ海へ行く』で、孤軍奮闘し思春期の懊悩を経験するムーミンと、どっちが良いだろう。


    ●ムーミンパパの灯台守

    パパは相当ヤバい。のっけから、自分の願望を、直接口に出さず周囲に忖度させることでちゃっかり実現させている。しかも、自分は創作に専念するから、その他の雑事は全部他の者がやれ、と。そのくせ、頼られないとすねる。こういうところ、本当に子供っぽくて、どうしようもないな!
    ママが機雷の犠牲になろうとしている時なんて、全然助けに行くそぶりも見せなかったでしょう!自分は姿勢を低くして頭をかばって、完全に命を守るポーズをとっていて。
    こんなのに一家の大黒柱を名乗らせておいて良いのだろうか。

    まあ、しかし、パパにも良いところはあるから。大いなる海の長編にまつわるトゥティッキとの一連の絡みも面白かったし。パパのために若い頃暗闇が怖いふりをしていたというママには、完全に掌の上で転がされてるようで、そんな夫婦の在り方も魅力的、かもしれない。

    この話で光ってるのはスノークの女の子だと思う。どんな事態に遭遇しても悠然と構えているし、自分らしさを貫いている。…いや、待て。彼女はどの話でもそんな感じか……
    とにかく、彼女は光りまくってた。幽霊を前にした時のムーミンとの差!彼氏のためにこの世ならざる者に立ち向かう姿はなんて勇敢なんだ。しかも、幽霊の立場にも理解と哀れみを示す。素晴らしい。灯台に激突死した1羽の鳥のために思いきり泣いたがために、追加で100羽のためにはもう泣けないというのも、実にクール。
    極めつけは、ムーミンの怖がりを治すために、自分が夜の海で溺れたふりをして助けにこさせるという荒療治。荒れ狂う海の上で彼氏の行動を冷静に採点してるんだからブッ飛んでる。原作小説よりもコミックの方がキャラが立ってて好きだなあ、スノークの女の子。

    物語の最後はパパが灯台守を解雇され、改めてムーミン谷の我が家の素晴らしさを知る、という。本当にどうしようもないな、パパは。でも、憎めない。

  • 小説よりスナフキンの冷淡さが際立つ。
    冷淡さでいえば、コミック>小説>アニメ。
    日本に蔓延るスナフキン幻想を取り払い、等身大のスナフキンを知って欲しい。

  • ある日起こった突発的な出来事や訪れた異邦人によって生活が乱され、ムーミン一家もその流れに飲み込まれかけるものの、結局は元通り…というのがコミック版の基本ストーリー。
    自分の軸がブレないのはスナフキンとムーミンママとちびのミイくらいか。

  • まんがのムーミン。
    絵はハッキリ言ってかわいくない。
    外国のキャラクターって正直言ってかわいくないものが多いので、これはこれで普通なのでしょう。

    「黄金のしっぽ」
    :ハゲたしっぽにムーミンママ直伝の薬をつけたら黄金のふさが生えてきて、いちやく有名人になるけれど…ってお話。
    名声って面倒。
    この場合、人格でモテたんじゃなくてしっぽ金でだし…。
    世間のミーハーにのせられず、オンリーワンになれば良し。

    「ムーミンパパの灯台守」
    :前々から思っていたけれど、ムーミンパパはかなりのダメンズ。
    スノークの女の子(ノンノンとかフローなんちゃらって日本名がついていたような…)とムーミンは同じ寝室で寝ているけれど、どういう関係なのだろう。

  • ムーミンコミックス第1巻。第1巻だけあって名作揃い(2編だけど)。

    以下、備忘メモ。
    ■黄金のしっぽ
    ある日突然ムーミンのふさふさしっぽが黄金になり、一躍時の人に。毎日レポーターやファンに追われ、公爵夫人のパーティーに招かれ、マネージャーがつき、有名人にふさわしい暮らしをと生活指導され、スナフキンと遊ぶ暇もない。常に冷静さを失わないスナフキンもかっこいいが、普通の暮らしに戻りたくて一時は人目から隠れても、名声が恋しくてまたカメラの前に出てきてしまう、揺れ動くムーミンが可愛い。

    ■ムーミンパパの灯台守
    灯台守として島で暮らして海の長編大作小説を書くというムーミンパパの夢を叶えるため、一家とフローレンは島に移住。偉大なる創作活動のために、インスピレーションのために、とあれこれお膳立てされ却って不機嫌になるパパ。なぜなら一文字も書けていないから。果たしてパパの海の長編はどうなるのか…。味気ない島の暮らしに、ホームシック気味になるママ。幽霊が怖いけど怖がりを恥じるムーミン。そんなムーミンに呆れながらも彼のプライド(と自分のヒロイン性)を傷付けないように恐怖を克服させようとするフローレン。

  • 2017/04読了。ムーミンに金色のしっぽが生えての大騒動。超越して無欲に生きているイメージのムーミンたちだけど、けっこう俗っぽいし、虚栄心も強い。でも最後はいつも通りが一番と、ちゃんと収まるところに収まります。

  • わー辛辣!
    ムーミンにしっぽが黄金になる話と、パパの希望で一家が小さな島の灯台守になる話を収録しているのだけど、どちらも容赦なし。
    でもこの毒っ気がいいんだよね。

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