内面への旅 (シュタイナーコレクション 2)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 61
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480790729

感想・レビュー・書評

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  • 三次元に住む人間の感覚器官は物理する肉体によって管理されており
    集合意識である生命体は見守りながら成長を待っている
    したがって私達は感覚を楽しいとか恐いとか憂鬱だとか
    キレイだとか甘いとか臭いとか痛いとかうるさいとかの
    比較だけでとらえている
    強い心の意志を発揮もできないまま外からの物的誘惑に引きずられてしまう
    体験によって感じたもののすべてが尻切れトンボとなり
    確信を持てずに不安が付きまとっている
    上手くしたものでこの不完全な状態があるからこそ個意識が少しずつ芽生え
    考えることを始め自分の個性を育て意志を持つようになる

    目の前に見ている表面だけで思い込み激しく追究して
    執着して得た感覚を物質的価値観に当てはめる
    物体を生物とたらしめている集合意識を無視してしまい
    肉体と相対している精神性を見落としてしまっている
    だからこそ迷わず全勢力を注ぎ
    物世界の急所を押さえて操る権利を得ようと躍起になれる

    全体観を忘れ去ったからこそ所有感覚を生み出すことができた
    面白いことにこの一見単細胞な行動が自律への足がかりになっていることも
    全体観を持ってみるまで知ることができない

    人間は何らかの仕組みの中をすべてだと思い込んで
    限定界を自由に生かされている状態のようだけれど
    その明き盲の人間自らがその見えない仕組みに関わって
    自分を自分で導いている
    自分の足を食べながら成長する蛸のように
    無限軌道に乗ってより広くより鮮明に
    新しい美を生み出しては飲み込み消化して素材に戻し更なる美を求める
    豊かさを飲み込んで単純に洗練された美を生み出し
    いじくり回して崩し又新たな秩序を組み立てる

    感覚器官は物質界を体験するための道具であるから
    社会的で共通の価値観を持とうとする
    創造と美の表現は外的な感覚のコピーに止まらずに
    精神に持ち込んで消化し
    個意識による反射を物質的に翻訳する作業である

  • 2009/4/22購入

  • シュタイナーの思想が次第にはっきり輪郭づけされてきました。まぁ何冊も読んだので、あたりまえでしょうか。必要なところを中心にざーっと読める講義集になっております

  • 高尚な理想。速読の練習にふさわしい一冊(普通に読んだとしても内容理解に結びつくかは別問題)
    「わたしたちは、自分の姿を外から見るとき、神の意志を人体形姿の中に認めて、感謝の念を心に抱きます。しかし、自分を内から見るときには、神から見棄てられた自分の魂に絶望の思いを深くします。」 -本文より抜粋

    内容読解より先に、根底に流れる基督教を主とする思想、神智学、またはエーテル体・アストラル体などのことばの意味を理解しておくことが必要だと言える。従って、この本は理解するのではなく、自らの中に感じる程度で良いのではないかと思う。

  • 高橋さんの翻訳文は骨格がしっかりしている感じがして私は好きです。このシリーズの第一巻「子どもの教育」は同じ内容が何冊かに分かれて既刊されています。逆に言うといろいろ買わなくてもこのシリーズで一通り網羅されるかな。

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著者プロフィール

ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)
哲学博士。オーストリア生まれ。ウイーン工科大学で、自然科学・数学・哲学を学ぶ。ゲーテ研究家・著述家・文芸雑誌編集者として世紀末のウィーン・ワイマール・ベルリンで活躍。帝政ロシア生まれのエレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー創唱になる神智学協会のドイツ支部事務総長就任後、袂を分かち、人智学=アントロポゾフィーを樹立。スイス・バーゼル近郊ドルナッハに自身設計した劇場と大学を含む「ゲーテアヌム」を建設し、普遍アントロポゾフィー協会(一般人智学協会)本部とした。

「2023年 『人間発達論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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