つむじ風食堂の夜

著者 :
  • 筑摩書房
3.68
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本棚登録 : 640
レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480803696

感想・レビュー・書評

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  • 最高だ。この方の本、初めて読んだけど。
    タイトルも語り口も人物も設定も描写もだいすきだ。
    装丁までユニットでやっているのね。
    そこも素敵。
    静かで月の綺麗な夜に読みたい本だ。

  • ちょっと浮世離れした感じの、心地よい街。
    伊吹有喜さんのBAR追分と同じぐらい行ってみたいな月舟町。

  • 雨降り博士が月舟町に越してきて,つむじ風食堂で出会った人たちとのほんわかした交流が,何とも心にしっくりくる味わいだ.こういうふうに生きていきたいと思える世界が広がっている.

  • 今回もゆったり流れる時間に癒された。
    私もこういう町に住みたい…。

  • 不思議な手触りのお話である。
    小さな町、月舟町。
    主人公の「私」は物書きである。
    六階建ての月舟アパートメントの七階もしくは屋根裏に住む。アパートにはエレベーターがない。階段は1階分が六段で、つまりよじ登らなければならないほど急である。
    「私」はこの町ではなぜだか「先生」と呼ばれている。
    「雨」に関する文化人類学的な研究をしたいのだが、いかんせん、それでは食べていけない。それで仕方なく雑文を書いて生計を立てている。
    月舟町には小さな安食堂があって、「私」はそこにしばしば通う。無口な店主にお手伝いのサエコさん、白黒猫のオセロがいる店には、常連客が集う。
    十字路に立つその店の暖簾には名は記されていない。けれども客たちは口をそろえて、<つむじ風食堂>と呼ぶ。東西南北から風のふきつのる十字路には、いつだってつむじ風がくるりと廻っているからだ。

    怪しげな品を売る「帽子屋」。
    ロバート・デ・ニーロを日本人の大工にしたような古本屋の親父。
    劇団女優の奈々津さん。
    ひょろりとした果物屋の青年。
    月舟町やつむじ風食堂に集う人たちは、みんなどこか変わっていて、でもどこにでもいそうでもある。
    「私」の回想に現れる「父」は、マジシャンのようにどこか捉えどころがない。

    お話はあわあわとふわふわと進む。
    「私」の雨の研究は進むだろうか?
    奈々津さんはいつか主演女優になれるだろうか?
    果物屋の青年がイルクーツクへ行く日は来るだろうか?

    どこかにある、どこにもない、その小さな町で。
    今日もつむじ風が1つ、くるりと廻る。


    *一度行ってみようと思っていた小さなブックカフェの本棚でこの本を見つけました。静かな店内で、カフェオレとサンドイッチを傍らに、1冊、読み終えました。もしかしたらあの店の十字路にもつむじ風が吹いていたのかもしれません。

    • yuu1960さん
      月舟町三部作の第2作「それからスープのことばかり考えて暮らした」は、サンドイッチの話です。そのブックカフェにあったら是非。
      月舟町三部作の第2作「それからスープのことばかり考えて暮らした」は、サンドイッチの話です。そのブックカフェにあったら是非。
      2019/04/27
    • ぽんきちさん
      yuu1960さん

      ありがとうございます(^^)。
      サンドイッチもおいしそう。機会があったら読んでみます~。
      yuu1960さん

      ありがとうございます(^^)。
      サンドイッチもおいしそう。機会があったら読んでみます~。
      2019/04/27
  • 食堂は、十字路の角にぽつんとひとつ灯をともしていた。私がこの町に越してきてからずっとそのようにしてあり、今もそのようにしてある。十字路には、東西南北あちらこちらから風が吹きつのるので、いつでも、つむじ風がひとつ、くるりと廻っていた。くるりと廻って、都会の隅に吹きだまる砂粒を舞い上げ、そいつをまた、鋭くはじき返すようにして食堂の暖簾がはためいていた。暖簾に名はない。舞台は懐かしい町「月舟町」。

  • 装丁も著者の吉田先生が手掛けているそうで。
    さて内容ですが、めっちゃ好みな空気感だった・・・、すきです・・・。
    軽やかで読みやすいし、心穏やかになれる・・・クロケット私も食べたい・・・。
    吉田先生の既刊、他のも早く読みたい・・・読もう・・・。

  • 通称つむじ風食堂にあつまる月舟町の住人たち。
    食堂という場所柄、料理描写を期待していたのですが、ほとんどなかったので少しがっかり。でもクロケットはむしょうにおいしそうです。
    全体としてはとらえどころがないというか、不明瞭というか、ふわふわした夜に浮かんでるような物語だった。
    主人公は、雨の研究をしているという物書きの先生。帽子屋さんや果物屋さん、エスプレッソが売りの喫茶店のマスターに、女優のたまごなど、ふわふわしてるわりに個性的な人たちがたくさん出てきます。
    決して胸に響いたとか面白かったということは無いのですが、難しいことをとくに考えず思考を休ませる治療薬のような、なんだか不思議な感じの小説。

  • 不思議な世界観のお話。現実のような夢のようなという感じです。でも何か懐かしいような感じがします。
    ふんわかとした霧のようなものに包まれた気分で読んでしまいました。読後感は良いです。
    月舟町三部作ということなので、他の作品にも期待します。

  • ライブラリーカフェ然然で。なかなかよかった。夜に読みたい感じ

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著者プロフィール

吉田篤弘

1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『金曜日の本』『京都で考えた』『あること、ないこと』など著書多数。

「2019年 『天使も怪物も眠る夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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