- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804020
作品紹介・あらすじ
不思議な力を持つ双子の兄妹が見た、宮廷の光と影。シャロットの姫の悲恋がログレスの運命を織り上げる。渾身の書き下ろしファンタジー三部作。第2巻は、聖杯をもたらす者誕生の物語。
感想・レビュー・書評
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1巻目のレビューを書いた後にアーサー王をウィキってみたんですが、なるほど、内容は元のアーサー王物語を出来る限りなぞっているみたいですね。
ニニアンや双子、ユウェインやモードレットの恋などは付け足したものみたいですけれど。
そこで調べてからこの『聖杯の王』の表紙を見て、内容が予測できました。
避けられないのね、エレイン姫の悲恋は。
振られたか悲しさで死んでしまう。
それほどの恋って本当にあるのかなぁって思ってしまう反面、きっとあるのだろうとも思います。
僕自身、振られてご飯食べられなくなったことありますから。
もっともっと狂おしいほどの恋をしたらきっと死ねるのでしょう。
でも、僕の恋だって苦しかった。本気で苦しかった。あれ以上の苦しみを伴う恋なんて恐ろしすぎます。
もっとも、時代背景が違うというのも大きな原因かもしれません。
大昔だったら僕も死んでるかなぁ。
日本にも悲恋で死んでしまう話はたくさんありますし、嫉妬で般若になってしまうお話もありますものね。
エレイン姫と市川拓司さんの『恋愛写真』という作品がかぶりました。
恋をしたから死んでしまう。それでも恋をしたことには後悔しないって姿がダブります。
アーサー王のお話を知ってしまった今、最終巻がどうなるのか薄々わかってしまいました。
ここは児童文学らしく綺麗に終わらせてしまうのかなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
755.初、並、カバー小スレ、帯(小傷み)付。
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ひかわれいこのアーサー王物ファンタジー二巻目。「キャメロットの鷹」の続き。<br />
注目はエレインとガラハットの関係だろう。<br />
この本のエレインは、テニスンの「シャルロットの女」、アストラットのエレイン、聖杯城のエレイン、という別々の物語をあわせたキャラクターになっている。 三人を一人のキャラにするネックはなんといっても、前二人はランスロットに焦れて船に横たわって死ぬ(当然清らかなままである)のに、聖杯城のエレインは魔法でだましたとはいえ、ランスと一夜を共にして息子ガラハッドを作っちゃう、という点。<br />
いかにしてガラハッドが生まれたか、というのがこの本のエレインの魔法(あるいは呪い)のポイントだ。預言者は預言を紡ぐだけでなく、預言を成就するために能動的に行動する。ガラハッドが完全無欠の天使タイプの理由もそこにある。<br />
夢の子供と聖杯の出現はアーサー王国の終焉への始まりでした。