とりつくしま (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.50
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本棚登録 : 493
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804075

感想・レビュー・書評

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  • 取り憑く、と書き換えればおどろおどろしいけれど、全体的にはふわりと軽くあたたかい持ち味のお話が多いです。

    死者の魂が形を変えて現世に舞い戻るお話では浅田次郎さんの「椿山課長の7日間」がマイベストですが、この作品のルールは命あるものはとりつくしまには選べません。

    ロージン、マグカップのトリケラトプス、ジャングルジム、扇子、名札、補聴器、日記帳、マッサージ椅子、リップクリーム、カメラのレンズ。

    それぞれ想いを胸に大切な人の身近なものにとりついています。
    「白檀」「マッサージ」「くちびる」「レンズ」が特に好きかなぁ。
    表紙の蝶々のような、よく見れば何かの妖精のようなイラストがシュール。魂なのかな…?

    装幀 池田進吾(67)
    カッコ内は年齢?なんでこの人だけ年齢表示?私、気になります!

    • まろんさん
      「もの」に取り憑く、というという切口が新鮮な本ですよね。
      私も「白檀」の、風情のある官能性がとても好きでした。

      装幀の方の(67)、私も実...
      「もの」に取り憑く、というという切口が新鮮な本ですよね。
      私も「白檀」の、風情のある官能性がとても好きでした。

      装幀の方の(67)、私も実は気になっていたのですが
      年齢なのか、それとも装幀を手掛けた数なのか、謎ですね!
      もし他の本にもこの方のお名前があって、そこの数字が67以外だったりしたら。。。
      と思うと、ワクワクします(笑)
      ちなみに、もし見かけたときは、ぜったいにhetarebooksさんに報告しますね(*'-')フフ♪
      2012/10/09
    • hetarebooksさん
      まろんさん❤
      まろんさんのレビューに惹かれて借りてみました♪香りの記憶ってすごく印象に残りますよね。なんとも大人っぽいお話でした。

      ...
      まろんさん❤
      まろんさんのレビューに惹かれて借りてみました♪香りの記憶ってすごく印象に残りますよね。なんとも大人っぽいお話でした。

      フフフ♪67が年齢だとしたら刊行年ごとに変わっていくのかしら。。。あぁ気になる!
      ご報告お待ちしております♪(^^ゞ
      2012/10/11
  • 死んでしまった後、この世に未練を残した魂は、何かに取り付いて、心を残したもののそばにいることができる。それが「とりつくしま」
    いろんな人が、いろんな想いで、何かに取り付いて、心残りの人のそばにそっといる。そんな話。

  • 【収録作品】ロージン/トリケラトプス/青いの/白檀/名前/ささやき/日記/マッサージ/くちびる/レンズ/番外篇 びわの樹の下の娘
     見るだけで関われないというのはきつい気がする。

  • 死んでしまってから思いを残す人のそばにいたいと思ったら
    命の無いものにだけとりつける。
    そういう短編集。

    とりつくことがいいことなのかどうかよくわからないけれど、
    「ロージン」の未練を残さないとりつき方がよかったかな。

    「青いの」なんてちょっと悲しすぎる。


    新年早々、あんまり前向きでない話を読んでしまった。
    大丈夫か、私。

  • 死んだ人は一度だけ、モノに憑りつくことができる。
    この世に未練がある人たちのために、とりつくしま係が願いを叶えてくれる短編集。

    20ページほどの短いお話が10編と、番外編が収録されている。
    掘り下げれば重く深くなりそうなテーマだが、ページ数が少ないので、かなりあっさりと書かれており、個人的には物足りない印象。
    妻の日記をとりつくしまにした夫の話、『日記』が一番きれいで切なかった。
    動くことも喋ることもできない状態で蘇るのは、はたして幸福なのか否か。
    ずっと見ているって、とてもつらいことなんじゃないかと思う。

    <収録作品>
    ロージン/トリケラトプス/青いの/白檀/名前/ささやき/日記/マッサージ/くちびる/レンズ/番外編 びわの樹の下の娘

  • 死んだあと心残りがあったら、命のない物に取り付けます。そんな死後のルールは初めてですが、さてこのシステムは必要だろうか?自分の死後の世界を、ずっと見続けるのは辛い気がします。また残された者も、視られていることを知ったら少し気おくれしてしまう。そういう意味で、あっさりと失われやすいものに取り付いた「ロージン」や「くちびる」は潔く美しく感じました。釈然としない死後のシステムに少々悶々と読んでいましたが、「マッサージ」のラストには泣かされました。私はずっと残る物にはなりたくないな。

  • 面白かったです。亡くなった人が、いろいろなものにとりついて感じた様々なものがたり。ふわふわと幸せなものから、ぴりっと切なくなるものまで。補聴器のお話がダークだったな…。とりついたものを、大切にする人と、すぐに手放してしまう人の違いもシビアでした。でも、大切な人が近くにいてくれるってなんだかいいな。

  • この世に思いを残して死んだ人が、何かモノにとりつくことができるという話。
    生きているものはダメで(すでに魂があるから)あくまでも『モノ』に限るので、息子がピッチャーの試合で使用するロージンバッグになる母親や、家族が使用してくれるであろう自分が最後に購入したマッサージチェアになる父親、ずっと恋い焦がれていた人が夏だけに使用する白檀の香りの扇子になる女性など、とりつくものはさまざま。
    どの話も切なく、悲しい中にも少し救いが見えるような話だったけど、どの話も短すぎると言うか…。この短さが絶妙なのかもしれないけど、もう少し一つ一つを掘り下げて長くしてシリーズ化するくらいが良かったのでは?…みたいな余計なお世話(笑)

  • あらすじに惹かれて!
    「とりつく係」じゃなく「とりつくしま係」なのも、なんかいい。
    最初のと白檀がお気に入り。

    ただ、正直もっと泣けるかな、感動するかな、切なくなるかなと思ったのが感想です。
    短すぎたのか、感情が乗る前に終わってしまった話が多い印象。

  • 短編集。温かな話から苦しい話、哀しい話までさまざま。生活するということの光と影。

著者プロフィール

1963年、広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。歌壇、角川短歌賞選考委員。東京新聞歌壇選者。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとも森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』、エッセイ集に『短歌の不思議』、穂村弘との共著『回転ドアは、順番に』『しびれる短歌』がある。

「2019年 『春原さんのリコーダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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