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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784480804259
感想・レビュー・書評
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☆3.8
優ちゃんは、ときどきキレて、僕を殴る。
でも僕は優ちゃんを失いたくないんだ。
隼太の闘いの日々が始まる。
瀬尾さんの作品は、どの作品を読んでいてもいつもそう思うのですが、今作でも文章がとても読みやすかったです❁⃘*.゚
ただ…虐待を受ける場面は、読んでいて辛いものがありました。
それでも優ちゃんを失いたくない一心で、色々な方法を考えて乗り越えようとする隼太の思いに胸がいっぱいになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
優ちゃんは、ときどきキレて、僕を殴る。でも僕は優ちゃんを失いたくないんだ。隼太の闘いの日々が始まる…
重い内容だけど、殴らないように父子で工夫をする姿は不思議と可笑しみがある。父親を必死に求める隼太が切なく抱きしめたくなるようなお話でした。 -
母が再婚したのは歯科医の優ちゃん。いつもは優しいけど、時々キレて隼太を殴っては後悔の繰り返し。自分で自分をコントロール出来ない。
隼太と優ちゃんは、二人で何とか治そうと色々調べて試みるけど難しい。それでも優ちゃんの事が好きな隼太の姿が辛かったです。これは誰にも言わない二人だけの秘密。
共依存の関係になっていて、早く病院に行った方がいいよって何度も言いたかった〜。 -
虐待する者=強者、虐待される者=弱者という図式を
かるがると飛び越えてみせた、瀬尾さんの名作です。
普段は優しすぎるほどの好青年なのに、
ふとしたきっかけで豹変する義父、優の虐待を受ける隼太。
でも、目を覆いたくなるような暴力がひとたび止むと、
自己嫌悪に陥って謝り続ける優に、隼太は
「殴るだけ殴って、自分の都合で出て行くとか、最低だよ。
そんなこと僕は絶対に許さない」と言い放ち、完全に優位に立っている。
昏倒するほどの暴力よりも隼太が怖れるものはただひとつ、
ひとりっきりで過ごす夜の闇。
「初めて自分以外の誰かが息づく家の中で過ごす夜」を
連れてきてくれた優を手放さないために、虐待から立ち直らせる術を
あらゆる方向にアンテナを張って模索する隼太。
ふたり頭を並べて読む心理学の本や絵本、
ふたりで毎日あれこれ会話しながら書く「虐待日記」、
ふたりで仲良く作る、イライラ予防のカルシウム補給用ひじきの煮物。
誰かに切実に必要とされている実感がどうしても持てない優と
「女手ひとつ」の言葉に縛られ、学校でも母親にも弱音を吐けない隼太が
不思議な明るさの中で手を取り合って虐待を乗り越え、
心をより深く通わせていく過程に心打たれます。
事態が好転し始めたところで、
知人すら察していたほどの虐待に全く気付かず、
見たいものしか見ようとしない母親に
ふたりがいとも簡単に引き裂かれるシーンには賛否両論あるだろうけど、
ずっと隼太にリードされるがままだった優が
初めて自ら積極的に立ち直るためのアクションを起こし、
「女手ひとつで育てられているのに、感心な子」であり続けた隼太が
「終わってから割り込んできて、今更母親らしいこと言うなって」と
幼子のように泣き叫んだ挙句に選んだ「いったんちゃんと終わらせよう」は、
決して悲しい結末ではないと信じたい。
だって、人生はまだまだ続いていくのです。
ひとりひとりが、誰かの明日を照らせるくらい、つよくなるまで。-
そんな過去があったからこそ、
円軌道の外さんは、
「円軌道の外」に飛び出す勇気を自らに課して
今みたいな素敵な大人になられたんですね!
守り...そんな過去があったからこそ、
円軌道の外さんは、
「円軌道の外」に飛び出す勇気を自らに課して
今みたいな素敵な大人になられたんですね!
守り続けてきた弟さんにとっては、
きっとヒーローみたいな存在ですね!!
いつもの瀬尾さん作品とは
ちょっとだけ毛色が違うかもしれないけど、
かなり激しい虐待を扱っていながら
根底にはやっぱり瀬尾さんらしい温かさがあってとても好きな作品になりました(*^_^*)
お時間があったら、ぜひぜひ♪
2012/05/30 -
お邪魔します。私、この作品★2つだったんです。気を悪くされたらごめんなさい。
でもまろんさんのレビューを読んで
そうか!そういう捉え方もある...お邪魔します。私、この作品★2つだったんです。気を悪くされたらごめんなさい。
でもまろんさんのレビューを読んで
そうか!そういう捉え方もあるんだなって思いました。
一つの作品にもいろんな方の受け取り方があって興味深いです。2013/01/18 -
hitujiさん☆
いえいえ、気を悪くするなんて、とんでもない!
人によっていろんな読み方ができることが読書の奥深さだと思うので
違う読み...hitujiさん☆
いえいえ、気を悪くするなんて、とんでもない!
人によっていろんな読み方ができることが読書の奥深さだと思うので
違う読み方をしました、と、わざわざコメントをくださったこと、本当にうれしいです♪
この本は、瀬尾さんの数ある作品の中でも、かなり異色の存在ですものね。
私は好きな作家さんとなると、ついつい評価が甘めになってしまいがちなので
他の作品も、またぜひ感想を聞かせてください(*^_^*)2013/01/19
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「正しく、間違っている」。
虐待は連鎖するし、声なき弱者に向かう。
本書は虐待を扱った話でもあるが、それに立ち向かう勇気の話でもある。主人公は新たな父親の虐待を苦しみと捉えてどうにかならないかと一緒に向き合う。
次第に二人が結び付きを強めていく過程は、現実ではこうならんだろう、とは思いつつも虐待への理解を深めていくようでその展開を気にしながら読んだ。
この本が辿り着いた結論は間違っている。確かに選択肢の一つとしてはありである。だが、この本の登場人物たちを振り返る度、皆が正しく、皆が間違っている。そんな気持ちにさせられる。 -
児童虐待がテーマになるのかな?
その中で義父と主人公の関係を
2人で考えていくお話。
最後 そこで終わるの?て感じでした。 -
母親の再婚によって優ちゃんという義父ができた隼太
優ちゃんは、隼太と二人の時、突然キレて暴力をふるう
しかし、隼太は必死に耐え、心で叫ぶ
ーー心配しなくたって、僕はちゃんと弱い。僕はちゃんと優ちゃんの救いを必要としている。無理に手のひらの中に入れようとしなくたって、優ちゃんの助けを求めているんだよ。強引に僕を腕の中に従える必要なんかないんだーー
そして、母親には、ひた隠しにし、なんとか優ちゃんがキレないように、二人で日記をつけたり、カルシウムの多い食事を作ったり、寝る前に絵本を読んだりして、キレるのを治そうと試みるのだが・・・
小説とはいえ、なんかモヤモヤ、スッキリせず、共感できなかった
虐待されている子供が中学生という設定ではあるが、こんなことある?
自分より弱い無抵抗な者に暴力をふるうなんて、残虐で修羅場なのではないか?
絶対に許されるべきものではない、断固として
毎日のように報道される痛ましい幼児虐待の悲惨な事件と違いすぎて、こんな甘いものじゃないでしょうと思わざるを得なかった
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飄々としながらも、大切な人を失いたくない一心で解決策を見いだそうとする主人公が健気で泣きそうになる。だからこそ暴力シーンは読むの辛い…
スラスラ読めるけど、若干腑に落ちない部分があってあまり入り込めなかった。
著者プロフィール
瀬尾まいこの作品





