飛行士と東京の雨の森

著者 :
  • 筑摩書房
3.73
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本棚登録 : 173
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804402

作品紹介・あらすじ

街の雑踏のなかでどこか遠方の地を想う。大都市東京を舞台に描かれる、死と孤独と再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 雨の日のような静かな本。
    雨の匂いが、若い娘の遺品から、初めて来た東京で迷い込んだ森から、居なくなった奴隷の肌から、暗くしっとりと立ち上る。
    それがとても心地良いのだった。
    「淋しい場所」は、初めて乗ったモノレールから観た風景を思い出させて、文字通り寂しいけれど響く物語。
    他の話の中で「ソフトロック熱」の前向きな感じが際立っていて、これもとても好きだった。
    金原瑞人の書評で知った本。

  • この作者の作品は初めて読んだが、はっきりとした結末のないものもあり、どの話も一種独特の佇まいのある静謐な雰囲気のものだった。

    全編を通して感じたのは、やはり寂しさ、人と人との分かり合えない孤独、静けさ、音楽、などだろうか。

    作者の別の作品も読んでみようかと思える読後感だった。

  • もうちょっと…もうちょっと何とかならんものか…と思われる短編集だった。まだメモのようなものも含まれていると感じた。

    音楽の作り方は全く知らないので興味深かった。

  • 5:しみじみ良かった。主人公や語り手が持つ薄暗さが何となく苦手ではあるのだけど、とても繊細な、かつ整った造形の短編集だと思います。「ソフトロック熱」が好き。

  • 海外ミステリなどの編纂で著名な筆者ですが、書かれる文章もどこか海外のmしうてり短編ぽかったな

  • 西崎ワールドが静かに広がる短編集。どれも静謐で、だけど不穏さに満ちていて、何かが始まりそうで始まらなかったり、終わりそうで終わらなかったりする。飛び降り自殺をした娘の鎮魂のために曲を作ってほしいと依頼される作曲家の話「理想的な月の写真」は、ミュージシャンでもある著者の理想的な作曲風景のようにも読めて楽しい。そして最後の最後にぽんと謎が投げかけられて終わり。放り出される感覚がなんかクセになる。
    「奴隷」は、初めSFのアンソロジーで読んですごく惹かれた。どこもサイエンスじゃないけどたしかにSF的異世界。リアルで面白い。

  • 2018/1/8再読

    (日付不詳)
    勧められたので読んだ。
    大変性にあっていた。

  • 淡々とした、静かな中短編集。東京堂書店の佐々木敦さんフェアにて並んでいたのをなんとなく手に取って知る。
    タイトル作も含め、すっと話の中に入っていける、景色が見えてくる話が多い。
    読者は自分を読んでいる、という感覚がなんとなく体感させられる、意識させられる本だった。

  • こうなんとも面白く無い文章に久しぶりに遭遇してしまった。
    この作品がどうか、という以前に私と合わなかった。

    短く、この中ではストーリーの波がある『都市と郊外』と『奴隷』はまだ読めた。
    他はなんかだらだら読んでいるうちに終わってしまった感。

  • ごくありふれた人々も、日々のなかで見えない光を放ちつづけるひそやかな謎を、心の奥底に秘めている。東京を舞台に描かれた死と孤独と再生をめぐる七つの短篇小説

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著者プロフィール

1955年生まれ。青森出身。作家、翻訳家、アンソロジスト。音楽家、音楽レーベル主宰。文学ムック『たべるのがおそい』編集長(書肆侃侃房、7号で休刊)。日本翻訳大賞選考委員。歌人(フラワーしげる)。電子書籍レーベル〈惑星と口笛ブックス〉主宰。趣味はフットサル。著書に『世界の果ての庭』(第14回ファンタジーノベル大賞受賞、新潮社2002年、創元SF文庫2013年)、『蕃東国年代記』(新潮社2010年、創元推理文庫2018年)、『ゆみに町ガイドブック』(河出書房新社・2011年)、『飛行士と東京の雨の森』(筑摩書房・2012年)、『全ロック史』(人文書院、2019年)ほか。

「2020年 『未知の鳥類がやってくるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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