星か獣になる季節 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.68
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本棚登録 : 385
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804570

作品紹介・あらすじ

ぼくのアイドルは殺人犯!?地下アイドル・愛野真美が逮捕されたというネットの噂から、平凡な高校生・山城の日常は加速しはじめる。

感想・レビュー・書評

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  • この本にとても大事なことが書いてある。

    とても大事なことなのに、私はもう「これは私のことだ。私たちのことだ。言葉にならないドロドロの塊を、のどの奥に手を突っ込んで『はい、これあなたのでしょ』って掴んで見せてくれたんだ」と言って泣くことはできないのだということが悔しいほど思い知らされた。星か獣になる季節から、はるか遠く。

    昔むかし、『駆け込み訴え』を読んで「これを本当に分かるのは私だけだ」なんて思って泣いたことを思い出すよ。たくさんの子供たちがこの本に出逢えるといいと思う。

  • 17歳―どこまでも輝いていて怖いモノなんか無くて、その笑い声、その泣き顔、汗一雫までもを青春だと呼んでいた。17歳―未完成。星か獣になる季節。真の友情も本モノの恋も何も知らない。誰かの為になら死ねるなど、上っ面の愛に生きたり死んだり出来るほど人間は破滅的に純真なわけじゃない。綺麗になればなるほど汚してしまえと聞こえてくるよ。嘘、軽蔑、作り笑い。誰々が、君のせいで、私は知らない。君みたいになりたかった。でも私は私。私は生きている。未来が過去を抱きしめる。

  • 感情の洪水みたいで、良かった故にもう一度読める気がしない。読んだ後暫く沈んでしまいました。影響のある本を鈍器で殴られる衝撃と喩えることがありますが、こちらは泥水に飲まれてゆく感じでした。落ち着いたらまた読みたい。

  • 文学

  • One of the characters in this story says, “you will become a star or a beast at the age of seventeen”. This tells the key point of the story. Main characters are high school students. One of them is Yamashiro. He likes Chika-idol (indie idol) Mami-chan. One day he hears a shocking news - she killed someone. His classmate Morishita also likes the idol. They decide to find a fact whether Mami-chan really committed the crime. The story ends in a surprising way. “Hoshi ka Kemono ni naru kisetsu(星か獣になる季節)” was written by Tahi Saihate who is a poet and has a broad appeal to young people in Japan. In this story, she describes troubled seventeens in her unique way. This is not a happy story but I think it is worth reading to feel something about a dark side of teenagers.(じんじんさん)

  • アイドルのきみが、人を殺した。
    平凡で、バカみたいな歌と踊りを、努力でしかないもので身につけていたきみが。

    横書きで書かれた本。
    私はこれを小説だとは思わないけれど、じゃあ何なんだろうと思う。
    書かれているのは、ただただ感情的な言葉たち。
    共感できれば刺さるのだろうし、共感できなければ読むのがつらい。

    『あとがき』が一番わかりやすくて、ゆえに私はそこが一番刺さった。
    最果タヒは詩集もそうだけど、『あとがき』というかたちである程度翻訳してもらえないと、私はその意味を理解できないのだと思う。それがとても悔しい。

  • 映画にせよ小説にせよ選り好みをしているつもりはないですが、何故か最近は生々しい作品によく出会います。
    描写とか表現だったりストーリーそのものがリアルで生々しいんです。
    この本もそうでした。
    淡々と進んでいくところもまたリアルに感じられました。

    前編後編に分かれていますが起承転結を二回味わえると言ってもいいぐらい、ハッキリと別の物語でした。
    いや、ちゃんと続いてるんですけどね、そういう意味ではすごいです。

    登場人物の森下が映画「ウォールフラワー」のパトリックと被って仕方がなかったです。
    個人的にはパトリックの方が好青年だと思いますが。

    自分が正しいかどうかなんてこだわっているうちは話なんてできない。
    たしかに!!気をつけよう。

  • 【星か獣になる季節】
    「17歳は、星が獣になる季節なんだって。今日、やった英文解読にね、書いてあった ー 人でなしになって、しばらく、星か獣になるんだって。」

    『きみはどうしようもなく才能もなくてセンスもなくて、そしてそれに劣等感を背負いながら、そう見せかけようと努力ばかりする。好きな食べ物も好きな音楽もどれもこれも平凡で、少し他人と変わった所があると、それを誇りに思っている。その態度だ、その他者よりすこしでも上に行こうとするそのみじめな姿がぼくは好きだ。だってきみはみじめでかわいそうで、ぼくはきみのこと、軽蔑したいだけできるから。』

    【正しさの季節】
    『昔、読んだ英文だったか現代文だったかで、17歳は人でなしになるんだって読んだ。人でなしになって、星か獣になるんだって。今になって、2年が経って、あいつは星で、あの子は獣だって思える。自分のことだけは、今でも少しもわからない。』

    『星か獣になる。17歳になると。勉強中、どこかで読んだその言葉を思い出していた。星でも獣でもなく、ここで必死で、人になろうとしている自分のことを、まるで第三者みたいに見ていた。』

  • 読み始めからかなり衝撃的だった。
    17歳って時にすごく残酷な面を持っているように思う。
    美しさだけじゃなく、衝動的で何か危うい感じ。
    見事に抉り取っていると思う。
    その残酷さに周りが気がつかないと一生「なんであいつが」といって過ぎた出来事に蓋をしてしまうのだが。
    すごいとしかいいようがない。

  • いてて
    サッと読めるのにいつの間にか深い切り傷が・・・
    ぱっくりあいた生々しい傷口のような、17歳そのものの痛み。

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著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
1986年、神戸市生まれ。2008年、『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。2015年、『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『愛の縫い目はここ』、小説に『星か獣になる季節』『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』『渦森今日子は宇宙に期待しない。』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな噓つき』、エッセイに『きみの言い訳は最高の芸術』、対談集に『ことばの恐竜』がある。最新詩集に、2018年9月刊行の『天国と、とてつもない暇』。

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