謎の女 幽蘭: 古本屋「芳雅堂」の探索帳より (単行本)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804631

感想・レビュー・書評

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  • 出久根達郎著『謎の女 幽蘭 古本屋「芳雅堂」の探索帳より 』を坪内祐三が読む! | P+D MAGAZINE
    https://pdmagazine.jp/today-book/book-review-102/

    筑摩書房 謎の女 幽蘭 ─古本屋「芳雅堂」の探索帳より / 出久根 達郎 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480804631/

  • 謎の女・本荘幽蘭。それを調べる女子大生や資料を集める古本屋。やがて周辺には戦前の特高警察の姿や贋作グループなど気配が漂い始める。著者得意の古本小説!(アマゾン紹介文)

    ずっとノンフィクションだと思って読んでいました…。
    記述に突飛なところがなく、虚実入り混じった(ほとんど実?)内容なので、ずぶずぶと引き込まれ、一気に読み終えました。
    尻切れトンボの終盤が残念ですが、面白かったです。

  • 明治大正期に、色々な職業を渡り歩き、どうってことない話題でも紙面に登場するとある女性の痕跡を追っていくお話。
    古書やら写真やら資料などから、ちょっとしたつながりをたぐっていくの面白そうだなぁ。
    自分、バブル前後設定の話には好意的だと気づきました。

    小説なのか記録なのかあやふやなのですが、
    ただ、トンちゃんとおばあさんの行方は気になって仕方ない。

  • 奇行の女性・本荘幽蘭。その人物像に迫らんとするが、相変わらず著者の人物選択は恐ろしくマニアックだ。「知る人ぞ知る、されど知る人を知らず」かな。でもって、著者は最後にあっけなく幽蘭追跡が決着したと括るが「はへ?何をもって決着???」そもそも幽蘭にスポットを当てているようで、松本道別(ちわき)やら大町桂月やらについて学ぶことが多い。山本初枝に幽蘭の号をつけたのは誰かという考察のなかで、魯迅と増田渉の関係が略記されており、そちらも勉強になった。それにしても、主要な登場人物の消息なり、ドイツの古城の謎なりが、バブル崩壊とともにすべて消失するという、うやむやな結末に「またですか」と凹む。大円団は望まないまでも、相応のケリを付けていただかないと消化不良が募る。

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著者プロフィール

出久根達郎(でくね・たつろう):1944年茨城県生まれ。中学卒業後、上京、古書店に勤務する。73年から古書店・芳雅堂(現在は閉店)を営む傍ら、文筆活動に入る。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、93年『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞する。2015年には『短篇集半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『おんな飛脚人』『安政大変』『作家の値段』など多数がある。

「2023年 『出久根達郎の古本屋小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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