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- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804631
感想・レビュー・書評
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謎の女・本荘幽蘭。それを調べる女子大生や資料を集める古本屋。やがて周辺には戦前の特高警察の姿や贋作グループなど気配が漂い始める。著者得意の古本小説!(アマゾン紹介文)
ずっとノンフィクションだと思って読んでいました…。
記述に突飛なところがなく、虚実入り混じった(ほとんど実?)内容なので、ずぶずぶと引き込まれ、一気に読み終えました。
尻切れトンボの終盤が残念ですが、面白かったです。 -
奇行の女性・本荘幽蘭。その人物像に迫らんとするが、相変わらず著者の人物選択は恐ろしくマニアックだ。「知る人ぞ知る、されど知る人を知らず」かな。でもって、著者は最後にあっけなく幽蘭追跡が決着したと括るが「はへ?何をもって決着???」そもそも幽蘭にスポットを当てているようで、松本道別(ちわき)やら大町桂月やらについて学ぶことが多い。山本初枝に幽蘭の号をつけたのは誰かという考察のなかで、魯迅と増田渉の関係が略記されており、そちらも勉強になった。それにしても、主要な登場人物の消息なり、ドイツの古城の謎なりが、バブル崩壊とともにすべて消失するという、うやむやな結末に「またですか」と凹む。大円団は望まないまでも、相応のケリを付けていただかないと消化不良が募る。
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