5まで数える (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 153
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804709

感想・レビュー・書評

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  • 2021-02-09
    久々に読んだフィクションは、なかなかバラエティに富んだ佳作。
    ただ、ホラーと言われると、んー。わたしが思うホラーとは違うかなあ。面白いからジャンルなんてどうでも良いんだけど。
    そして、ポールおじさんの伝記ポチっちゃったよ

  • SFを得意とする著者の5つの短編と1つの掌編。

    表題作もよかったが,それよりも私は『たとえわれ命死ぬとも』に惹かれた。

    それは「動物実験禁止国際法」が成立した世界での「実験医」という職業の物語。


    動物愛護の観点から,世界中で動物実験が禁止された。
    医学の進歩に実験は欠かせない。しかし,その実験を人間以外の動物で行うことができなくなった。そのため,その実験は人間の身体で行うしかない。

    もちろん,人体実験は自発的に行われるべきであり,強制はされることはない。そして,被験者はその実験についてきちんと理解している必要がある。つまり,

    「これらの条件を満たす者とは,実験を計画する医師自身にほかなりません」(P.12)

    こうして「実験医」という職業が生まれた。


    世界中でもっとも優秀な頭脳が,実験によって次々と死んでいく。

    ベテラン医師の体には両足がなく,大腿の皮膚は醜いやけどで覆われている。
    それでも,頭脳も身体も研究のために使い切るのが実験医の本懐であると,彼女は言った。


    いったい何がきっかけでこのような世界が生まれたのだろう。『たとえわれ命死ぬとも』その後に続く言葉を,彼らは成し遂げることができたのだろうか。

    医学とは,人を救うためのものではなかったか…。

  • ふむ

  • 動物実験禁止の世界…恐ろし過ぎ

  • SFもゾンビも、なんだかありえるような気がしてしまう…

  • 面白くはあったが。
    科学の発展、もしくは人類滅亡を回避することが、技術的な問題ではなく、結局は人間のおろかさに阻まれる。毒強め。

  • 2020.3.14市立図書館
    科学×ホラーの「ここではないどこか」を舞台とした「アソートタイプ」の短編集。
    「たとえわれ命死ぬとも」「やつはアル・クシガイだ 疑似科学バスターズ」の二編をPR誌「ちくま」で読んでとてもおもしろかったことを、このところの感染症騒動で思い出して、本を探し出して借りてみた。
    例の二編以外は書き下ろしだったが、疑似科学バスターズ前日譚「バスターズ・ライジング」、砂漠に不時着した少年たちのサバイバル「砂漠」、そしてとある恐怖との葛藤を描いた表題作「5まで数える」、ショートショート「超耐水性日焼け止め開発の顛末」どれもとてもおもしろく読めた。とくに「5まで数える」はちょうど同時期にディスクレシアの子どもについての本を読んでいたので、怖さというよりも主人公の少年のいろんな気持ちが想像できて心にしみるお話だった。数学というネタも大好物だし。

    高2長女もおもしろく読んだようでうれしい。そうよね、こういうのけっこう好きよね。

  • ホラーとSFの融合がテーマの短編集。「たとえわれ命死ぬとも」「やつはアル・クシガイだ」「バスターズ・ライジング」「砂漠」「5まで数える」「超耐性日焼け止め開発の顛末」収録。

    SFでファンタジーでホラー、という珍しい短編がそろった本。全体にブラックユーモアがあって面白かったです。「疑似科学バスターズ」の二編の収録順番が良かったですね…結果を知った上で前日譚が来るので少し物悲しさがあって好きです。動物愛護の観点から,世界中で動物実験が禁止された世界、手指失認の少年、囚人の少年たちの逃亡劇など色んな雰囲気の作品があって良かった。この作者さんの他の作品も読んでみようと思います。

  • 短編集。SF。ファンタジー。ホラー。
    おそらく初めて読む作家さん。
    趣向は違えど、どの短編も魅力的。
    青春数学ファンタジー的な表題作がとても良い物語。感動しました。
    残酷な近未来パンデミックものの「たとえわれ命死ぬとも」も印象的。

  • SF

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著者プロフィール

1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年に「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著作に同作を収録したSF連作集『あがり』のほか、『架空論文投稿計画』『5まで数える』『イヴの末裔たちの明日』などがある。

「2022年 『シュレーディンガーの少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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