おまじない (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 935
レビュー : 99
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804778

感想・レビュー・書評

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  • 何気無い一言を言われただけで、世界がひっくり返るほど救われることがある。
    他の人には全く効かない、自分だけの魔法の言葉だ。
    気持ちが不安定で落ち着かない時、自分を卑下してつい気持ちと裏腹なことをしてしまっても、自分を認めてくれる言葉を貰うと涙が出るほど嬉しくなる。
    「あなたは悪くないんです」
    「あなたがいてくれて本当に楽しい」

    短編の主人公達と一緒に、読んでいる私も優しい魔法の言葉に何度も救われた。
    「おまじないなんやから。自分が幸せになる解釈をしたらええのや」
    西さんの関西弁は私にいつも元気をくれる。
    そしていつも思うけれど、西さんの描く独特の色彩の絵も本当に素敵だ。

  • 今日も加奈子ちゃんはさわやかにバットを振り切ってるなあと思いました。ボールを見ないで青空を見ながら思いっきりフルスイング。結果ボールにジャストミート。そんな感じがしました。読者の感想を気にしながらチマチマ書いているんじゃなくて、しかも独りよがりな独善性もなく、ひたすら「どうよ?おもろいやろ?」と笑顔でスコンスコンとミートしてくる。ホント素敵な話書くなあ。
    4話目迄は完全に心鷲掴みにされました。頑固じじいがいつまで経っても頑固じじいのままでいてくれる素晴らしさ「いちご」。パーフェクトで隙がないおじいいちゃまの内面に触れて、聖人君子でいる事の大変さと、色々な事を面白がる事の大切さに気付く「孫係」が特に好き。「ドラゴンスープレックス」もいいですね。題名からして力強いけれど、そこはかとなく、人間観察眼のやさしさが感じられます。

    現地をきっちり描写したのかな?と思われる「オーロラ」「ドブロブニク」で自分的にはブレーキ掛かったような気がする。個人的好みとしては勢いで書いたようなパワーあふれる西加奈子が好きです。

  • 8人の女性を題材とした短編。一つの言葉で救われる。少女であったり妊娠した人であったり、キャバ嬢だったり、どこにでもいそうであり、誰もが悩みを抱えるであろう、物語の中ではそんな投げかけられる一言で、彼女たちは救われていく。短編だけれども、どれものめり込んだ。おばあちゃんとか外国人とかとっても西さん風。おばあちゃんが出てくる「ドラゴン・スープレックス」とおじいさんとのやりとりの「孫係」面白かったな。「マタニティ」は彼のこと、子供のこと、自分のこと、そして弱いということ、心をしっかり捉えよく書けている。何度も読み直したい本。

  • 今のお前を変えろ、と言われたら悲しくなるけど、西加奈子はたぶん、私が私のままでいることを肯定してくれる。変わらないまま、幸せになることを許してくれる。
    この本に関して言えば、全ての女がどこかで抱えているであろう傷に触れてくるのだろうし、それに気づかされもする。けれど、決してそれを責めたりしない。
    どうぞ安心して読んでください。

  • 20180201リクエスト
    「燃やす」
    かたちがないものは、燃やすことができない。本当に燃やしたいものを燃やすことができなくてすみません

    「孫係」
    係だと思ったら、なんだって出来るんです

  • 大好きな西さんの小説!
    短編集なのが歯がゆい。一つ一つが長編にも大河にもなりうるほどの質。なのに短編、これは計算なのか?!

    もの足りなさ120%の読み応えでせつない思いを抱いたまま、「うん、これで良し」と納得させられた読者は幸せ者。

    この後、おすすめした人にぜひぜひ感想を伺いたいものですわ。

  • 「孫係」がおもしろかった。
    でも西加奈子さんはつくづく私には合わないなぁと痛感。なにがだめなんだろう……。

  • (2018/7/22読了)
    大好きな西さん。私には言葉に出来ない思いを、言葉にしてくれる。
    「マタニティ」より「嬉しいことがあると、それと同等のわるいことを考えて不安になる」そうか、心が躍る時に、いつかバチが当たると思うのは、私だけではないのだ。
    「孫係」の、孫に目の中に入れたら「痛いでしょうよ、入れたくないでしすよ!」と言い、家族のために自分は爺係を、孫には孫係をつとめあげようというおじいちゃま。そうか、係だと思えば出来ることがある。ただ、悪態をつく相手は必要だけども。
    誰かにかけてもらう言葉。私はこの本から、西さんに沢山の言葉をいただきました。

    (内容)
    大人になって、大丈夫なふりをしていても、
    ちゃんと自分の人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんある――。
    それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。
    悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す、キラメキの8編。

    「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」――西加奈子

    【収録作品】
    1 燃やす
    2 いちご
    3 孫係
    4 あねご
    5 オーロラ
    6 マタニティ
    7 ドブロブニク
    8 ドラゴン・スープレックス

  • なんて素敵な物語なのだろう。
    どの短編も、心の中にしっかりと留めておきたい言葉で溢れていました。
    あの時の自分にも、こんな風に声をかけてくれる人がいたら良かったのにと思うけれど、
    それはやっぱり物語の世界だから起きたこと。
    心が折れそうな時に、『あなたはあなたでいいんだよ』と声をかけてくれる人がいなかったとしても
    私たちにはこの物語がある。
    ページをめくれば勇気をくれる言葉があふれている。
    たくさんの人がこの本を手に取ることを願っています。

  • 短編集。

    要所要所に来るよ、来るよ、
    西加奈子節、来るよ~っていう感じがした。

    それが私は割と好き。

    完璧なおじいちゃんを演じるおじいちゃんが好き。
    「孫係」がお気に入り。

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著者プロフィール

1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。
プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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