かんたん短歌の作り方: マスノ短歌教を信じますの

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480814296

感想・レビュー・書評

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  • 少女漫画雑誌「キューティ・コミック」(2001年に休刊)に連載されていた内容を1冊にまとめたもの。
    のちに文庫版も出版されていますが、図書館の蔵書がこの単行本のみだったためこちらを読みました。
    著者の枡野さんの似顔絵がページ下にそえられていますが、途中で髪型が変わっていて、本人の変化に忠実な似顔絵でした。

    投稿された読者の短歌にアドバイスする形式ですが、毎回テンションの違う手紙を読んでいる感じでした。
    そのテンションは果てしなく底のときもあれば、激しくマックスなときもあり、まさに三寒四温のように寒暖差いやテンション差がとても激しいです。
    そのため内容は納得だけれど、文章の感じでは読み手を選んでしまうかもしれません。

    「かんたん短歌の作り方」というタイトルなので、これを読めばあっという間に短歌が作れるようになる…!?と思いきや、短歌の奥深さ、難しさをひしひしと感じる結果になりました(苦笑)
    また後半に行けば行くほど、わたしの心にグサグサ刺さる文章があふれていました。

    「自分の顔に似合わない短歌は、つくらないようにしましょう。」(171ページ)
    「結局、短歌に限らず文章表現の面白さっていうのは、それを書いた人間の面白さなんですね。」
    「すべての人に好かれようと思ってつくった短歌は、だれにも好かれません。」(173ページ)
    「『面白いことを書く』から面白いのではない、『面白く書く』から面白いのです。」(178ページ)

    これは川柳にも当てはまる…!
    ダウンタウンの松ちゃんの話がなぜ面白いと感じるのか?なぜすべらないのか??
    それは面白くないことでも松ちゃんは面白く話せるからなんですね!
    「面白いこと起きないから、面白い話にならない。面白いこと起きないのが悪いんだ!!」思考になっていたら、一生面白い話はできないんだな…とおもいました。

  • 簡単じゃ
    簡単じゃないんだ、
    枡野さん…

    この気持ちを、ここにあるこの思いを、
    目の前に差し出す。

    それがどれほど、難しいことか!

    だからこそ、
    枡野さんの短歌が好きだ。

    ストレートに
    単純で、
    言いたい事はそれだけなんだ。

    を、さくっと詠んでいる。

    抜けそうで
    抜けない虫歯が
    とれた様に

    この身と今まで一体だった、こいつはこんな形をしていたのか。

    しげしげといつまでも眺めていたい虫歯の様な枡野さんの歌とは・・・

    >もう愛や 夢を茶化して 笑うほど 弱くはないし 子供でもない

    >書く事は呼吸だ だからいつだってただただ 呼吸困難だった

    >だれからも  愛されないという 自由を誇りつつ咲け

  • 「作品集」を読み、私は西尾綾さんと佐藤真由美さんの歌が好きでした。
    作者によって全然違う雰囲気になるの、面白いですね。

    本編の方にもいろんな方の投稿があり、教科書というよりは作品集として楽しめました。
    作り方がわかるようになるかは不明ですが、学べるところはありました。
    例えば、短歌を知らない人に向けて書くとか、事実を書くだけでは面白くならないとか、シンプルな書き方で勝負するとかですね。

  •  「作り方」とは言うが、読者からの応募作を添削するのがメインであるため、全く短歌を作れない人向けというよりも元々テーマを見つけられて、自分で読める人向けに、自分の短歌を「かんたん短歌」にする方法を教えるといった感じ。
     本文にも書いてあるが、「かんたん短歌」とは、決して「かんたんに作れる短歌」という意味ではない。
     文語を使わず、平易な言葉遣いで、57577のリズムをできるだけ崩さずに面白い短歌を作ろうとする、「読者がかんたんに理解できる」短歌なのかなと思った。

  • 最近、以前にも増して短歌のリズムに惹かれる。
    歌集も入門書も色々読んで自分でも詠んでみたい、と思って読んでみた1冊『かんたん短歌の作り方』。
    この『かんたん短歌の作り方』を読むと、なんとなくの文語調で歌を詠むのは恥ずかしい気がしてくる。
    かんたんな言葉で詠われている『かんたん短歌』だけど、それを詠むことは決して簡単じゃない。
    分かりやすい言葉で自分の思いを伝えるって、短歌にしろ長い文章にしろとても難しいことだけれど、ここでマスノ教祖が語っているようにできるだけ日常に近い言葉で五七五七七のリズムにうまく乗せることができれば、ただただ言葉を並べる以上に感情や情景を伝えることができる気がする。

  • 短歌というのは文学とか芸術とかじゃなくてただの余暇なんだよね。娯楽なんだよね。だから面白いし楽しい。下手な文学作品よりよっぽど奇麗に整っていて心を震わせるんだ、もしくは心から笑わせてくれる。いいね。

  • マスノさんとホムラさんならば、私はマスノさんだな。

    マスノさんとタワラさんでも、私はマスノさんだ。

  • 枡野さんのコトバって結構好き。
    ハガキは送ったことないけれど、私は結構信者かもしれない。
    かんたんなことばで歌う、かんたんではない短歌を私も歌いたい。

  • 桝野節全開。久々にかんたん短歌にチャレンジしてみたくなった。

  • かんたん短歌はかんたんじゃない。
    枡野浩一さんはかんたんじゃない。
    「くじけな」買いに行こう。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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