文章読本さん江

著者 :
  • 筑摩書房
3.50
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本棚登録 : 188
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480814371

作品紹介・あらすじ

そうそうたる書き手たちがわれこそはと名告りをあげ手を染める…いったいぜんたい「文章読本」はなぜこうも書かれつづけるのか?圧倒的に男のディスクールでもあったこのジャンル百年の歴史の歩みにズバズバと踏み込み、殿方、ごめんあそはせとばかりに、容赦なく、やさしい蹴りを入れる新世紀××批評宣言。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読むまで「文章読本」というジャンルを知らなかった。
    文章読本とは、文章の書き方を教える本のことらしい。
    古今の様々な文章読本を比較検討して、叩き切る様が痛快だった。

  • 【夏の読書 3冊目】
    古今東西の文章読本さんをズバズバと斬り捨てる1冊です。語りがとてもユーモラスでにやりとさせられながら読み進めました。また、作文教育の歴史にも触れられており興味深かったです。

  • 文章の書き方本を皮肉る本。
    だけども、本筋は日本において、文章がどう捉えられてきたのかについて。
    その概観へ迫る本。

    テクニックがあるから面白く読める。

  • 思ったほど、面白くなかった。酔走文学部推薦図書。

    谷﨑潤一郎に始まる「文章読本」と呼ばれる一連の書物を、その意図、目指す文体、引用する例などから分類し、バッサバッサと斬りまくる痛快な一冊! …と思ったのも最初のほうだけかなぁ。

     谷崎、三島にはじまり、丸谷才一、井上ひさしなど錚々たる著者の主張に真っ向う切り込む姿勢は買うが、「文のわかりやすさ」を説く本多勝一の解説がくどくてわかりにくいと言う一方で、この著者もそうとうクドクドと、同じネタで各読本のアラサガシ。
     引用する文例で、たいしたことない主張も立派に見えると、”虎の威を借る”とこき下ろす。いやいや、この本自体が、あまたの権威が記した本を引っ張り出し、その内容をふんだんに引用し”威を借”りまくった一冊ではないのか? と、だんだん辟易としてくる。

     なんだろう、このヒトノフンドシ臭のプンプンする感じ??? そう、空想科学読本とかいうジャンルを読んだ時の感覚だ(こちらも偶然にも”読本”という文字がタイトルに付く)。 アニメやマンガのSF的な素敵な空想を、現実の理論に当てはめて、「ありえない」とか、それを実現するためには、どんな無理が生じるというのを得々と語る、あれだ。
     最初は、そんな見方もあるのかと面白可笑しく読んだものだが、だんだん意味のないものというのが分かってきて、1冊目以降は一切読んでいない(タケコプターを付けたらマッハの風力で頭皮が剥がれて云々という解説のなんと意味のなかったことか)。
     この本にも、そんなトンでも感がする。

     途中、日本語表記法の変遷や、明治大正の子供の作文教育の歴史を語るあたりは面白い話も多いのだが、ちょっと「文章読本」を語るってところからは離れていってないか?

     ま、最後には、もう一度、文章読本の話にもどり、「文は服なり」と、TPOに応じて文章も着替えれば良い、人に指図されるようなものではない、と自身の文章作法を語ってしまう。
     彼女流に分類するなら、過去に文章読本が多くあるが、既存のものは役立たずの駄本だ、それゆえ私が書くことにしたという「道場破り型」の文章読本になっているのだ。

     文章読本の著者はその類型によらず、名誉ある役割を担った高揚感に溢れていると喝破したように、本人の文章も、最初からウキウキと、オヤジイヂメを楽しむ「ご機嫌」な様子が横溢していて、どうにもいただけない。

     かといって、冷静に語られてもなんだし、そもそも「文章読本」ってのが、その程度の価値しかない(時代が経れば猶の事)書物だってことなのかもしれない。

  • 書評でよく見かける女性ライターの有名な本。もっと若い方かと思っていたが、年季の入った目利きの文芸論。

    谷崎潤一郎をはじめとした作家、ジャーナリスト、学者の手による文章お作法本をメッタ切りしている痛快な逸書。文章読本自体の分析に終わらず、文士たちの、新聞記事や素人投稿文への酷評の裏にある奢りを巧みに批判する。その一方で、作文教育にある表現重視か伝達重視かの論争にも言及するなど、国語教育史としても興味深い考察がある。

    文章読本の著者の文体を猿真似して書いてみせるところなど、笑えるツボがたくさん。そして突っ込みどころが苛烈。まあなんていうか、大書をものせない女性ライターによる、大御所おじさま文筆家への異議申し立てとも言うべきだろうけど。


    文章は思想の包み紙、だから作家は文体をきどった技巧を施したがる、は言い得て妙。

  • イヤミたっぷりだが面白い。

  • メタ文章読本
    カバー下が派手

  • 【閲覧係より】
    谷崎潤一郎から脈々と続く「文章読本」の系譜。文芸批評家・斎藤美奈子がそれら「文章読本」というジャンルを紐解く。文芸史の一端を覗く批評本であると同時にそれら「文章読本」が如何にして書かれたのか、背景や趣向、技を窺い知ることができます。
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    所在番号:910.26||サミ
    資料番号:10181537
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  • ひさびさの斎藤美奈子。あいかわらず書きっぷりが面白い(この本はかなり初期のだから相変わらずなんてのはおかしいかもね)。ちょっと長くて後半飽きるけど。

    装丁 / 祖父江 慎

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著者プロフィール

【著者】斎藤美奈子 (さいとう・みなこ) │ 文芸評論家。1994年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。2002年『文章読本さん江』で、第1回小林秀雄賞受賞。軽妙な筆致で綴られるパンチの効いた書評や文芸評論は、幅広いファンをもつ。他の著書に、『文壇アイドル論』『紅一点論』『本の本』『日本の同時代小説』『文庫解説ワンダーランド』『名作うしろ読み』などがある。

「2020年 『中古典のすすめ(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤美奈子の作品

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