神も仏もありませぬ

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480814586

感想・レビュー・書評

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  • この本に出てくる農家のアライさん夫婦の話が好きだ。泰然自若としていて、おごることなく自然と向き合い暮らしている。どんな時も慌てず、騒がず「そうだノウ」とのんびり構えている。
    ミツバチを飼っているフルヤさんはキリストと同じ顔と体をしている。神様みたいに静かな人で、大切なはちみつを佐野さんにタダでくれた。栗の花と野の花のはちみつ・・舐めたらうっとりするほど美味しかったと言う。水あめを混ぜた市販品を食べている全国の人たちに向かって「あっははは」と笑いたくなるほど、それは素晴らしかったそうだ。

  • 絵本「百万回生きた猫」の作者。面白いな〜。いいな〜。直接的で、はっきりしていて、さばっとしている。いいエッセーを読みました。

  • 田舎暮らしのサノさん。近所の人との交流、日々の雑感、旨い物。曰く「日々飯を食い、糞をたれ、眠った」。市川悦子の言葉を思い出した。というより同じことを言っている。強いお人だ。

  • 読みやすかった。
    ふるさとについての記述にぐっときた。ひとはみな、1人。でも、根無し
    草ではやっていけないのだ。土台みたいなものを求め、大切にしながら生きることで、強くもなれるのだ。
    人とのつながりを大切に育みながら、今日を噛み締め、身の丈で生きていくということ。
    頑張ろう。

  • ぐじゅぐじゅしてなく、小気味いい、男っぽい

  • ときどきクスっと笑える、でもめちゃめちゃ興味がある感じではなかったです^^;

    アタシは60歳になってもオンナであり続けたい 笑

  • なんて風通しのいい方だったのだろうと思う。裏表どころか前も後ろも横もなく、全方位ただ佐野洋子そのものであるというような。当時60代の著者、もう人生降りて死に向かって緩やかに下降していきたいと書きつつ(そして心底思っていたのであろうことはわかる)それでも花や山や人に心を寄せながら西軽井沢で過ごす日々が描かれている。山荘というシチュエーションもあるかもしれないけれど、佐野さんと武田百合子さんにどこか似通った部分を見る。媚びないウソ言わない感じたままを口にする、というあたり。
    長嶋有さんが登場してちょっとびっくり。そういえば表紙、佐野さんだったなぁと思い出した。
    飼い猫の死について書いた一編が心に残る。

  •  画家で、「100万回生きたねこ」の作者としても知られる佐野洋子さんの63歳から65歳の頃に書かれたエッセイ。

     63歳の佐野さんが88歳の痴呆の母親に年を尋ねたら「そうねェー四歳くらいかしら」佐野さん自身が衝撃を受けながらも同時に可笑しさが込み上げて来る様子が手に取るようにわかる。

     佐野さん、その他に出てくる佐野さんの友人たち、すべての人たちが面白くて個性的に思える。それはそれぞれの人たちが魅力を持っているだけでなく、佐野さんのフィルターを通して描かれているからなんだろうなあと思えた。
     生きていること、次第に年を取って心身ともに変化していくこと、老いていく自分に抗わず、ありのままに受け止めること。
     真っ直ぐな心情が、読んでいて心に響いてくる。オイラもこんな風に真っ直ぐに年を取りたいものだなあと思う。

  • 老いていく自分を時々卑下しながらも、
    まぁ いいか的な感じで日々を送っている作者の歯に衣着せぬ言いようが小気味よいエッセイでした。
    登場するご近所さんもかなり個性派揃い。
    自分も60歳をすぎてこんな風にユカイに過ごす事ができれば老いもそれ程悪くないカモ・・・。

  • 絵本の『100万回生きたねこ』の作者のエッセイ。
    どんな人があの『ねこ』を書いたのかしらと、
    興味がわいて読んでみました。

    あのねこは・・・作者そのもの?
    男性でも女性でも
    ここまでスッパリと物事を言いきれる作家に初めて会いました。

    この著書は、山村で暮らす自分の生活をもとに、
    幼いころの思い出や家族のことなど、
    日常の中での小さな出来事までも、鮮明に書かれたエッセイでした。
    最初に驚いたのは、物事に対する考え方が実にストレートなこと。
    過激すぎるほどストレートです。

    婉曲やはぐらかすような表現はいっさいせず、
    「○」か「×」か。「好き」か「嫌い」か。どちらかの表現のみなのです。
    自己中心的な発想の仕方といえば、それで終わりなのですが、表立って自分の意見をはっきりと主張できる人が少ない現代、このような大胆すぎるほどの発言で意表を突いた文章を読むと、本当にすっきりします。

    自分の人生観、世相感もなんだか少し見つめ直したくなりました。
    いい子ぶらずに本当の自分をさらけ出すことが
    気持ちのいい正直な生き方なのだなと思いましたので。

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著者プロフィール

さの・ようこ――1938年、中国・北京で生まれ、終戦後、日本に引き揚げました。1958年、武蔵野美術大学に入学。1967年、ベルリン造形大学でリトグラフを学びます。著書の絵本では、ロングセラーとなった『100万回生きたねこ』(講談社)や第8回講談社出版文化賞絵本賞を受賞した『わたしのぼうし』(ポプラ社)ほかがあります。童話にも、『わたしが妹だったとき』(偕成社)第1回新美南吉児童文学賞受賞作などがあり、そのほかに『ふつうがえらい』(新潮文庫)をはじめとするエッセイも執筆、『神も仏もありませぬ』(ちくま文庫)では第3回小林秀雄賞を受賞しました。2003年、紫綬褒章受章。2010年、永眠。享年72。

「2018年 『ヨーコさんの“言葉” じゃ、どうする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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