なんらかの事情

著者 :
  • 筑摩書房
3.96
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本棚登録 : 1162
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480815163

作品紹介・あらすじ

聞くたびに変な気持ちになる言葉がある。第23回講談社エッセイ賞受賞『ねにもつタイプ』より6年、待望の最新エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • うっかり外で読み始めてしまってどうしようかと思った。
    声を出さずに笑うから余計に可笑しくて腹筋崩壊。

  • 『ねにもつタイプ』の続編エッセイ。
    最高に面白い。

    ふとした疑問や出来事をきっかけに、自虐と妄想で膨らませた何の話?的岸本節は”クックックッ”と笑えるものばかり。

    あとがきで触れた本書の刊行経緯を、見つけてもらえなかったかくれんぼに喩えたところ(本当は単行本になったら終わると思っていたのだけど、誰にも見つけてもらえなかったので、勢いで続けた、何なら「も~いいよ~」に誰からも反応がなく見つからないのをいいことに、節を付けたり、変な声で言ったり、踊りながら言ったりとやりたい放題)なんか、まさにそんな感じの文章達だなぁと、その喩えのセンスに脱帽。

    「キラキラ」で語られる友人のエピソードが、実は岸本さんのエッセイの真髄なのではと感じ、特に興味深かった。

    未読のエッセイがあと何冊かあるけど、ふとした瞬間に訪れる「未読の岸本さんのエッセイが読みたい!」の欲求に応じるものが無くなると思うと、もったいなくて今はまだ読む気になれないという感覚を抱く。

  • 前々から読んでみようと思っていたのに、書店や図書館に行くと作者の名前も本のタイトルも思い出せなくて、なんだったかな…と思っていた本なのですが、やっと思い出すことができました。

    いやはや、ツボりました。
    収録されている2つ目のエッセイ、ダース・ベイダー卿の日常に思いを馳せる「ダース考」で早くも岸本さんにメロメロになってしまいました。
    この絶妙な冷静さと突飛さのバランス、癖になります。
    「検非違使」という単語で、こんなに笑ったのは初めてです。

    そしてエッセイを惹きたてるクラフト・ヴィング商會のお二人のイラストもすてき。
    紙面の余白までおしゃれなんだもの。

    あれよあれよという間に読了。
    あとがきを読みながら、「あれ?もしかして、私が今まで思い出せなかったのも、岸本マジックだったのでは…」と、失礼なことを思ってしまいました。(無論、私の記憶力やメモをしていないズボラさゆえなのですが…)
    また思い出せなくなる前に、『ねにもつタイプ』も読まなくちゃ。

  • 『なんらかの事情』読了。
    以前読んだエッセイの第二弾(以前の時は第三弾だった)。だーらだらだらした感じで読みました。内容はぶっちゃけ覚えてない。けど、時折くすくすと笑えてその度に心が軽くなった。本はいいですね〜、なるべく1日のどこかで本を読む時間を作るようにしたい。

    2021.9.9(1回目)

  •  筑摩書房のPR誌『ちくま』に著者が連載しているエッセイ「ネにもつタイプ」の、単行本化第2弾。つまり、講談社エッセイ賞を受賞した『ねにもつタイプ』の続編である(『ねにもつタイプ』刊行からもう6年も経ったと知り、時の流れの速さにビックリ)。

     調子の出ない回もあるが、一冊通しての面白さのクオリティは『ねにもつタイプ』に劣らない。むしろ、著者の特異な「妄想力」はますますパワーアップしている。『ねにもつタイプ』が好きな人なら、きっと本書も好きになるだろう。

     読んでいて思わず吹き出した一節を、いくつか引いてみる。
     
    《たくさんの空き瓶を並べ、その前で両手を腰に当てて仁王立ちになっているうちに、バルコニーから群集を見下ろしているような気分になってきた。
    「愚民どもめ」と言ってみる。ちょっと愉快だ。》

    《傘運のない私だが、ビニール傘運だけはある。強力にある。
     愛情のかけらだになく、なくなればいいと思いながら使っているのに、いつまで経ってもなくならない。》

    《もし犬や猫やウサギやパンダに人間の耳がついていたらどうだろう。壊滅的にかわいくなくなる。だが逆に人間に動物の耳をつけると、むしろかわいくなる。人間の耳の一人負けだ。》

    《「ん」の最終野望、それはあの王様気取りの「あ」を出し抜いて、いつか自分が五十音の先頭に立つことだ。その日を夢見て、彼は最後尾で虎視眈々と機会をうかがっている。》

     岸本のエッセイ集はこれが3冊目だが、3冊とも、手元に置いて何度も読み返す価値のあるものだ。

     ところで、岸本佐知子はなかなかの知的美人だと思う。「うーむ、美人なのにこんなヘンテコなエッセイを書いておるのか」と思うと、ますます面白く読める。

  • 岸本さま

    この本で、遅ればせながらあなたに初めて出会いました。
    そして・・・好きになってしまいました。
    ふとした思いつきや気づきから、どんどん暴走していくあなた。
    通勤電車の中で笑わせるの、やめてください(笑)
    隣のおばちゃんが、くつくつと悶絶している私を見て、
    怪訝そうな顔をしています。

    「もう四捨五入をすると百なので、
    そろそろ次のことを考えておいたほうがいい気がする。」
    ってことはですよ、岸本さん、
    四捨五入したら私まだゼロ歳じゃないですか!?
    じゃあまだまだまっさらな気持ちで挑戦できちゃったりして!
    なんて、勝手にとっても元気づけらました。

    はい、私もかなり暴走気味です。すみません。

  • ダース・ベイダーのテーマ曲の歌詞とか、ひらがな達の秘密とか、耳より情報盛り沢山。

    そして「やばさの基準」には納得。
    確かに人間に連行される宇宙人のやばさに比べたら私の今までの人生なんて順風満帆、うまくいき過ぎているといってもいいかもしれない。
    岸本さんの視点はとても大らかで、焦りがないように感じる。
    こういう人になりたいなぁと心から思う。

  • ただ日常を綴ったものでも失敗エピソードを集めたものでもない不思議なエッセイ。
    どうってことない日常から空想がひろがるひろがる。
    これを書いてる方がエッセイストや小説家でなくて、
    本業が翻訳家というのにびっくり。
    なんじゃこりゃ!と叫びたいくらいおもしろかった。
    「ダース考」と「やぼう」が好き。

  • きっかけは2013年ダ・ヴィンチの年間ランキング?より。

    最近読みたいなーと思うエッセイにあまり出会えてなかったけど、
    これ読んだらエッセーってこんなにおもしろかったっけって、思わず思わせてくれた1冊。

    というか、この方がきっとおもしろいんだと思う。
    そしてわたし、好きです。こんな感じ。

    はじめのレジの話題から、既に私の心を鷲掴みにしたのは、
    他でもないわたしも同じような人間だからで、
    そのあとも、読みながらふきださずにはいられない数々。
    あんまりおもしろくて、読み終わるのがもったいないので、
    毎日少しずつ読んでます。

  • 本業は翻訳家である岸本佐知子さんの、とどまるスベを知らない妄想驀進エッセイです。(#^.^#).


    失礼ながら岸本さんの翻訳本に未だご縁がないのだけど、
    エッセイの導入から、盛り上がり、そして〆め、と、なんて構成の巧みな人なんだろう、と(#^.^#)
    感嘆するばかり。

    たとえば・・・

    もしもこの世でレジで一番遅い列に並んだ人が優勝する競技があったら、私は国体レベルで優勝する自信がある。


    と始まった冒頭の「才能」。

    う~~ん、わかるよ。私も日々、近所のスーパーでどの列に並ぶか、にちょびっとだけだけど、その日の運を賭けちゃってるところあるし。でも、それって如何に自分がドンくさいか自慢になりかねないんじゃない? あるいは、町で見つけたちょっと迷惑な人、みたいな糾弾文とかさ、と少々腰が引けてしまうイヤな読者だったのですが・・・



    基本を踏まえ(並んでいる人の数ではなく、カゴの中の買い物の量を見る。研修中のレジ係さんは
    避ける。レジ係の人数は何より大事。)ながらも、次々に襲い掛かってくる予測外の事件!(#^.^#)

    途中でレジの列を移ると必ずそっちが遅くなる、というジンクスをわかっていながら、今度は大丈夫だ!と変わったところ、


    二人いると思って安心していたら袋詰め係さんが異様に丁寧な人だった、とか、
    四つしかカゴに入ってないお婆さんの後ろに付いたら、レジ打ち終了後、こんにゃくの賞味期限について質問を始め、しかもそのあと、タバコをカートンで買う、で、それを“ややこしい”商品券で払い出し、裏面全てに自分の名前と住所を書きだす、なんてところまでやられちゃうと


    もう、空に向かってぎゃぁ~~と叫びたくなる主婦ひとり。(私です。(#^.^#))


    しかも、(まだあるんですよ)そのあと、レジの人がレシートの巻紙の交換を始め、それが詰まってマイクで応援を呼ぶ!!!!


    あ゛~~!!
    ひとつひとつはホントによくあることなのだけど、こんなに束になってこられるとたまりません。

    で、〆めの文章は

    万雷の拍手がわきおこり、どこか知らない世界のスタジアムで私が金メダルを授与されている。



    ときたもんだ。(#^.^#)



    自分を含めて誰のことも責めてないし、ただただ、淡々と目の前のことを描写している、というスタンスの文がとても面白いです。
    これが毎日ならそれだけでかなり消耗しそうですけどね。(汗)


    掲載日:2013/11/19

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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