泥酔懺悔

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 449
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480815170

作品紹介・あらすじ

お酒のせいなんです。女性作家のエッセイ11連作。

感想・レビュー・書評

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  • 11人の泥酔懺悔。
    大人らしいお酒の付き合い方、下戸の悩み、そして明るい失敗談。

    私も飲み会などでお酒の失敗談をたまに聞く。
    笑いながら話してくれるから私も笑いながら聞く。
    そんなに酔ってたんですか!無事に帰れて良かったですね!すごい!なんて感動したり、結構楽しかったりする。
    ちょっとしたおみやげ話なのだ。

    でも、自分は無事に生還出来る自信が全くないし、一緒だった人に何をしたか分からないなんて怖すぎる。
    翌日その人に笑顔で挨拶してよいか悩みそうだ。

    よって飲み過ぎないようにしているわけなのだけど、だんだん飲むペースが上がっている気もして‥、そして何故か一緒に飲む人は新記録だなんて喜んでいるかのように見え、どうしたものか…。

    この『泥酔懺悔』を読んで、むしろ泥酔状態を受け入れてくれる人がいればいいのかもしれないと思い始めた。
    そして翌日笑顔で失敗談を話す。
    …いや。ダメだ。明るく酔えるのか分からないから明るく受け入れてもらえるかが分からない。
    やっぱり私は聞く側でいようと決意を新たにした。

  • 女性作家のお酒に関するエッセイ集。
    作家さんに色々なタイプがあるように、
    お酒の飲み方酔い方も多種多様。
    作家さんって勝手にお酒好きの呑兵衛
    というイメージがあったけど、そうでもないのね。

    やはり三浦しをんさんの話が面白かった。
    私はお酒がなくても生きていけるし、
    飲めるけど飲みすぎた事はあまりない。
    この本を読みながら、一度記憶がなくなるまで
    酔ってみたいかも…と思ったりもした。

  • 泥酔懺悔と謳っているけど泥酔どころか下戸の人もいるのが面白い。
    そしてみんな女性。思いがけない顔あり、そうだろうなぁ多分、と予測つく
    顔あり。
    ここに一筆書かれた皆さんと一席、飲めても飲めなくてもお供したい気持ちでした。

  • 正月と言えばのんべんだらりと酒!酒!酒!で過ごすのが定番。仕事だった私はそんなわけにはいかず、他人の酒にまつわるお話でほろ酔い気分を楽しむことにした。

    瀧波ユカリさんの「初めての飲み会」には酔えた。ドアノブ系、放屁プレイ…笑わせてくれるワードが光っていた。西さん、しをんさんは相変わらず、エッセイを書かせると歪んだ人生が垣間見えて楽しめる。

    私は最近こそ全く飲まなくなった。機会がないから飲まない。つまり本当の酒飲みではないのである。一時期はあほほど飲んで皆様に迷惑をおかけしたことをここに謝罪する。

    その節は酔いつぶれて動けなくなった私の体を運んでいただきありがとうございました。翌日体中痣だらけで痛みを伴ってましたが。あと運ぶのが面倒でゴミ捨て場に放置してくれたあなた、朝目覚めると通勤途中の社会人が視線を一切合わせてくれませんでした。あと飲んで潰れてゲロ吐いていたあなたを店に放置してしまったこと、トイレから出てこなくなったあなたを残したままそっと店を後にしたこと、泥酔して鬱陶しくなったあなたをタクシーに詰め込んで強制帰宅させたこと、そして翌日警察署に一泊したあなたに懺悔します。

    今となっては全て笑い話。キラキラした思い出として私の胸に刻み込まれていますのでご勘弁下さい。

  • 今人気の女性作家たちの、飲酒にまつわるエピソードを集めたエッセイ。必ずしも酒を飲んだ話ではなく、じつは飲めないんです、という人も、泥酔に関する一文をものにしているのはさすが。酒に強い三浦しをんの書いたものが一番白かったが、角田さんはさすがとおもわせるものがありました。

  • 図書館にて。

    お酒で失敗したことのある人は、人の失敗の話を聞いて安心したくなったりするよね…。
    そんな気弱な気持ちで(先日やらかした酒の席の失敗を引きずっていた泣)手に取ったこの本。

    それにしても、なんと豪華な作家陣!!
    みなさん大酒飲みで、お酒の話をしたくてたまらず集まったのかと思いきや、下戸の方も何人か含まれていて、とくに中島たい子の文章には肝の冷える思い…。
    私も絶対「とてちれちん」って言ってる!!そういうことやってる!!本当にごめんなさい。
    近所の飲んだくれ友達と飲みながら、「下戸と一緒に飲むと、飲んだ席でしゃべったことを全部覚えられていて困る」という話をしたことがある。その時はそのとおり、酔っぱらってて自分でも覚えてない、勢いでしゃべったことを覚えられてても困るよね~なんて話していたが、考えてみれば飲んでもいないのに話したことを忘れるようじゃ、人として困る。勝手に酔っぱらって適当なことをしゃべる方が悪いのだよね…本当にごめんなさい…。お酒なんて最低だ…。

    でも!!
    お酒そのものも、居酒屋も、お酒の席も、ひいては酒器、お酒のラベル、酒屋まで大好き、ついでにお酒の大好きな人と趣味が合ったことで結婚までしてしまったのだから私にはもう人生の一部なのだ。
    だから、角田光代のちょっと切実な文章もすごくわかる。
    奇跡的になくしものは少ないが、振り返ってくよくよしちゃうんだよね。
    じゃあお酒やめろって話なんだけれど、それもイヤなんだよね…。

    飲酒歴が長くなるときっと誰もが持つだろう(そうか?)、輝かしい(でも思い出したくない)武勇伝をトランプのカードのように手の中に忍ばせながら、「この人にならこの話くらいはしてもいっか」などと小出しにしたりして、そうそう懺悔などと恐ろしいことはしないけれど、三浦しをんの懺悔はぶっちぎりで面白かった。
    本篇のお葬式での話も良かったが、冒頭の「酔っぱらって道に迷い、一緒に飲んでない友人にタクシーで迎えに来てもらったあげく、なぜか逃げようとして寝袋に収納された」という話には驚いた。
    これは手持ちのカードとしてはどのあたりなんだろう?
    私はここまではやってない。ほっとした。
    だからといって上には上がいると向上心を持たずに、私はこれから心穏やかに、誰にも迷惑をかけず楽しめるお酒をたしなもう。
    呑み助ならこのように、ほっとしつつ反省できる1冊といえるでしょう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「私はここまではやってない。」
      ふふふふ
      「私はここまではやってない。」
      ふふふふ
      2014/02/20
    • maiakiさん
      もしかしたら同じことをしてないだけで、迷惑度は変わらないのかも・・・と今さら思った・・・
      ま、気にしないで今日も美味しく飲もう♪
      もしかしたら同じことをしてないだけで、迷惑度は変わらないのかも・・・と今さら思った・・・
      ま、気にしないで今日も美味しく飲もう♪
      2014/02/21
  • 飲みだしたら途中でやめることのできない角田女史は相当に危ない酒でありますな。飲めばほぼ確実に泥酔状態で、記憶を失っているとのこと。私も年甲斐もなく時々そのような状態に、翌朝は御多分に漏れず、胃もたれと下痢に苦しめられるのです。そうなることが身に染みて分かっているのは、酒を飲む前のことでありまして、飲み始めていい気分になってくるとついもう一杯となるのです。それが積りに積もって、泥酔による二日酔い状態ができあがります。いま、午後5時前。あと一時間もすれば飲み始めているのだろうなぁ。ところで、私は日本酒党です。

  • もう、耳が痛くなる場面がいくつも。笑
    あーまずい…これわかるなぁ…。
    読んでいると、痛いところつかれてなんか申し訳なあ気分になったり、ちょっとそれが心地よかったり。
    酒飲みはいいもんです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ちょっとそれが心地よかったり」
      酒飲礼賛の本かな?酔ってゴキゲンになる人の気持ちを知るために早目に読んでみようかな?忘年会のシーズンだし、...
      「ちょっとそれが心地よかったり」
      酒飲礼賛の本かな?酔ってゴキゲンになる人の気持ちを知るために早目に読んでみようかな?忘年会のシーズンだし、、、
      2012/12/14
  • 女性作家やエッセイストなどが酒(泥酔)にまつわるエッセイを寄稿したエッセイ集。
    大酒飲みから下戸までさまざまなエッセイが並ぶ。
    個人的には、酒好きで失敗の数々をカミングアウトしている三浦しをんや西加奈子のエッセイに期待していたが、一番いいな、と思ったのは角田光代のエッセイだった。
    本当、お酒って失敗しても失敗してもやめられないんだよなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「失敗しても失敗しても」
      どうして何でしょうね?
      「失敗しても失敗しても」
      どうして何でしょうね?
      2012/12/12
  • 錚々たるメンバーである。

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    「泥酔せずともお酒を飲めば酔っ払う。酒席は飲める人には楽しく、下戸には時に不可解……。お酒を介した様々な光景を女性の書き手が綴った連作エッセイ集。 」

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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