「本をつくる」という仕事 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 483
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480815347

感想・レビュー・書評

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  • 「本」を愛する人たちの、仕事に対する矜持が見える。小さいが希望の灯を消したくはない。

  • 本は決して、作者が文字や絵を書いて、それを印刷すれば出来上がりというわけではない。内容を誤りのないものにするためには校閲の作業が必要だし、印刷された「紙の束」を本にするには製本や装丁が要る。そもそも、文字の形(フォント)や本の紙にも色々な種類があって、それはそれぞれ本のために誰かが作ったものだ。
    本は、特に紙の本は、そんな多くのプロフェッショナルたちの仕事で成り立っている。これはそんな人々に焦点を当てた本だ。

    自分は電子書籍はあまり得意ではなくて、コレクション的な意味も含めて紙の本が好きなのだけど、その割に、本がどのように作られているかということにはあまり目を向けていなかったような気がする。だから、本が絶版になったというような話を聞くと、「データはそこにあるのだから、絶版なんて言わずに刷ればいいじゃないか」と思っていた。文字通り、刷ればそれで本ができると漠然と思っていたのだ。でも、違う。私たちが欲しいのは本であって、紙の束ではない。それが本になるには、また多くの手をかける必要がある。
    売れない本は絶版になってしまう。残念なことでもあるけれど、それは、本というものが多くのプロフェッショナルの仕事を経て生まれてくることの裏返しなのだと分かった。

    様々な仕事が本書では取り上げられているけれど、自分が一番好きなのは新潮社の校閲部を紹介している章。ある作家さんが、新潮社の校閲はすごい、と言っているのを見たことがあって、興味があった。どちらかというと「古き良き時代」のことについて多く語られてはいるけど、総じて校閲という仕事の意義や使命について熱く語られている。校閲は出版社の良心だ、と。校閲が、単に誤字脱字のような明らかな誤りだけでなく、ストーリー構成の矛盾点までも指摘する仕事だとは知らなかったので、驚いた。

    この本を読んだ後に、古本屋で昭和10年代とかの本を目にする機会があった。当然活版印刷で、装丁も豪華というわけではないけれどどれもとてもこだわりを感じられる作りだった。自分がその時見たのは価格にして数百円だったけど、それでもだいぶ興奮したので、『ビブリア古書堂』シリーズなんかで高価な古本を犯罪を犯してでも手に入れようとする人に、初めてちょっと共感できた気がする(笑)

    本は文庫本も良いけれど、本書を読んだ後は、より個性の出る単行本を読みたくなる。本屋さんで製本や装丁に着目したフェアなんか組んでくれると面白いのになあ、と思った。本好きは読んで損のない一冊だと思います。

  • 内容は、私が期待したほどではなかった。残念。

  • とても面白そうな本。

    <blockquote>本書は、「書店は広大な読者の海と川とがつながる汽水域であり」、本づくりとは「源流の岩からしみ出た水が小さな流れとなって集まり、次第に1本の川に成長して海に流れ込む」ようなものだと考える著者が、8つの目的地を求めて川上へと遡っていく物語である。
    </blockquote>
    電子版でないかな〜。しばらく待とう。

  • 本というのは不思議なものです。嗜好品のようでいて、世の中ではとっても重要なものと認識されてもいて、意識して手に取らない限り一生関わらない本が大多数を占める。それだけ沢山の本があるのに街中で本読んでいる人なんて一握りで、誰が消費しているのやらさっぱり分からない。本作りに携わっている人は(売り手も含め)殆ど求道者のような扱いで、とてもじゃないけれど経済活動しているように感じられない。
    一部の話題の本や映画化された本以外は本当に地味に展開されていて、本好きではない人にアピールする方法なんて思いつきもしないです。そう考えると王様のブランチって大事だなと思います。
    そんな中で、まさに本作りの裏方中の裏方から、書き手まで本を作り事に関する手が沢山描かれています。
    紙までは何とか認識していましたが、書体迄作らなければならないという所で頭叩かれたようなびっくりが有りました。そうだ、本もPCも携帯もまず字が全部作られ登録されていない限り使えないんだと思ったらば、この駄文を何気なく打っている事が申し訳ない位です。何万語という字を一つ一つ検証するなんて考えもしませんでした。
    紙も今となっては中性紙が普通ですが、ここ数十年に確立した技術なんですね。その技術が有ればこそ読めているんだと思うと、ひたすらひたすら感謝感謝です。

  • たしかに、またとない貴重なエピソードもある。
    しかし、この本の魅力はインタビュアーである著者の本を作る人への敬意にあり、そこから醸し出される、香り立つ文章が、なんともいえず、切ない、大切なものに出会ってしまった感情を呼び覚ますのだ。

    どの仕事人も素敵。何度もこみあげるものがあった。

  • 本好きにはたまらない本オタクの為の一冊。

  • 本をつくる人々をテーマとした本
    こちらの本、本好きとしてすごく面白かったです(*^^*)
    第一章は大日本印刷「秀英体開発室」に勤める伊藤正樹さんの話し
    二万三〇〇〇字に及ぶ文字の全ての基本として試作される漢字十二文字
    国 東 愛永 袋 霊 酬 今 力 鷹 三 鬱
    書道の世界にある「永字八法」という言葉
    「永」の字には点、横画、縦画、ハネ、左払い、右払いといった漢字の基本パーツが含まれている
    他の字も同じように書体を制作する際の基本形となる字
    第二章 製本マイスターさんのおはなし
    第三章 活版印刷屋さんのおはなし
    活字を拾う職人さんの凄さ
    第四章、新潮社の校閲部に定年まで勤めた矢彦孝彦さんのおはなし
    五味康祐、池波正太郎、松本清張、井上ひさし、司馬遼太郎など作家たちの原稿の直し方
    第五章 すべての本は紙だった
    三菱製紙 洋紙事業部 中村禎男さん
    『読者の方々はその本の中身を買っているわけで、書店で紙を買っているという意識はないでしょう。でも、彼らはみんな僕らがつくった紙を見ているんです』←単純にそうだよね!と感嘆!
    1980年代初頭、10年以上の歳月をかけて
    数十年という寿命しかなかった『酸性紙』から
    300年から500年という品質が保証された『中性紙』への転換を行った
    現在の紙の寿命は全然意識していなかった。改めてきくと凄い!
    第六章 装幀家さんのおはなし
    第七章 海外の本の架け橋
    『タトル・モリ エイジェンシー』とそこで働いているエージェントのおはなし
    第八章 『魔女の宅急便』の著者
    童話作家、絵本作家 角野栄子さんのおはなし

  • 紙の本・電子書籍 みなさんの好みはどちらですか?
     どちらもメリット・デメリットをいくつもあげられますが、私は紙の本が好みです。
     その理由は、めくる時の紙の質感が好きであるから、紙の本の装丁は本の内容と結びついている気がするから・・・。あげだしたらきりがありません。
     この本を通して、私は更に紙の本の魅力を感じることが出来ました。なぜなら、この本を通して1冊の紙の本を作りあげるプロたちの技と心意気に強く魅せられたからです。紙の質感・文字のフォント・装丁(以下略)そして著者…1つ1つのプロが本気で向き合って1冊の紙の本は出来上がっているのです。普段なかなか気付けないプロたちの仕事ぶりに心を止めることで、電子書籍派のあなたも、紙の本を手に取りたくなるでしょう。

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