森のノート (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.69
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本棚登録 : 502
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480815378

感想・レビュー・書評

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  • 絵本作家の酒井駒子さんの挿絵とエッセイ

    挿絵はエッセイとは関連性が見えてこない。
    ひとり遊びする子供。友達いないのかな?
    下を向いたり横を向いてたり目を閉じてたり、
    口は閉じたまま表情が読み取れない
    意味を見つけるのは難しい

    謎だ

    カラマツ林の中にある山の家から帰ると疲れてしまうみたい

  • 『ちくま』誌で連載された、『引き出しの森』(2014年1月~2016年12月)に加筆した、酒井駒子さんの画文集は、美しい子供の絵の後に、エッセイがある構成になっております(それぞれに繋がりはありそうだけど、私にはっきり分かったのは『落ち葉』くらい)。

    そのエッセイの内容は、森の奥のマンホールから聞こえる鳴き声から、地下鉄で見とれた綺麗で奇妙な感じの女の子までと、多彩であり、酒井さんの興味の行き所や普段のものの見方を、少しでも知ることが出来た事が、とても嬉しく感じましたし、何篇かの愛猫二匹のエピソードは、その独特の視点と、酒井さん自身の行動も面白くて、また良かったです。

    そして、特に印象的だったのが、山の家の、周りの自然や動植物に触れるエピソードで、幾つか挙げますと、

    『足跡』における、人も動物だったと思い出すことが出来た喜び。

    『霧』の、ヤマアジサイのぼんやりと咲く様と、ハナビラタケの霧のような香り、そして、霧自体は、粉っぽい香り? 私も嗅いでみたい。

    『秋草』の、ヒメジョオンの麓に住まう、猛毒を持つ、内気で臆病なヤマカガシへの思い。

    そして、『絵本』での、小鹿の愛らしいエピソードとは対照的に、『三月』での、倒れていた鹿や、冬を越せなかった生き物たちの白骨のエピソードには、野生の自然界における、動物たちの生き様を目の当たりにした思いがして、それらを淡々と綴る、酒井さんの文体には、酒井さん自身の眼差しが、私に乗り移ったかのような思いがして(人間は動植物と共生している)、とても印象的でした。

    それから、子供達の心の声が聞こえてきそうな、愛らしく躍動感のあるものや、繊細で静謐感漂う佇まいと、想像の翼を広げてくれる絵は、やはり素晴らしいものがあり、それに加え、ピーテル・ブリューゲルの『叛逆天使の墜落』に想を得た、何ともいえない輝きを放っていた見開きの作品が、また印象的でした。

  • 『森のノート』読了。
    酒井駒子さんのエッセイでした。絵が好きでよくこの方の絵本を読むことが多い。
    自然と向き合わざるをえない環境なのか、細かい描写が素敵だった。
    昔から忙しなく動き回っていたからか小さな変化を見落としてしまうことが多く、なんか勿体無いことをしていたなと気づく。
    細部までに自然の変化を楽しむ心のゆとりを持つようにと言われたような気がする。
    それくらい、わたくしは常日頃からいろんな情報に振り回されているように感じる。改めて自分の生活を振り返ってみる。
    もう少し、心穏やかになれるような心持ちでいたいな。お茶とか飲んで

    2020.1.4(1回目)

  • 字は体を表す、書は人なりとも言いますが、私はその人の字や絵を見、どんな個性の持ち主であるかを想像します。酒井駒子さんの絵からは温かみや哀しみ、明も暗も綯交ぜにした線と色を感じますが、文章も正に感情を静謐に紡いだ彼女そのものでした。霧がかったような森の中に入れば多くの生物、香り、季節に出会いました。腐敗の臭いからは人間の欲と傲慢さも嗅ぎとれる。可愛いと籠に入れた途端、窮屈さに傷付けてしまうと知ったこと。枯葉を踏む音は楽しくて一人ぼっちのランドセルの友達でした。あのトンネルを潜れば霧が晴れてしまう、わかっていても夢から帰る場所は現実なのです。真っ黒に感じるほどの眩しい空があったことを、私は忘れていました。

  •  酒井駒子展はとても印象的な展覧会だった。
    そこで、一区画を担っていたのが、この本の絵と文章。
     展覧会ではさらにさらにさらに短くアレンジされていたけれど、本の中も見開き1ページくらい。扉の絵は、文章の中身とあまり関係ない。
    (ようで、本当はあるのかもしれない?)

     書かれているテーマは、田舎の可愛い子が、素の顔で鶏をくびるような、森の生活の事。不用意に垣間見て、ハッと、どんな顔して良いのか判らなくなるようなそれも、イラストとのギャップが、冒険。

     行間を読むという言葉があるけれど、ここでは読むどころじゃなくて、絵文間を駆けずり回らされる。
     

  • エッセイなのか小説なのかは分からなかった、不思議な文章。扉絵という感じでは無かった。絵と文章が共生していた。

  • 絵が好きで、文章も書いていると知って図書館で借りる。好きでもきらいでもなかった私は、たぶん無粋でセンスがないのだろうと思う。

  • 酒井駒子さんの絵を見たくて、図書館で借りました。

    情景が目に浮かぶ文章と、文章とはまた違う趣きの絵と。

    酒井駒子さんの描く子どもたちの姿がかわいらしいです。

  • 酒井駒子さんの画文集&エッセイ集。
    挿画がとてもきれいで、でもどこか静けさを潜んでいる感じがする。
    酒井さんの日常のヒトコマを切り取って書かれた文章だと思われるけれど、読んでいるとエッセイにも物語にも思えてしまう。

  • 絵も文章も素晴らしい。

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著者プロフィール

1966年兵庫県生まれ。絵本作家。著書に『よるくま』『ぼく おかあさんのこと…』『ロンパーちゃんとふうせん』『金曜日の砂糖ちゃん』『くまとやまねこ』(文:湯本香樹実)、画文集『森のノート』 など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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