老人力

著者 :
  • 筑摩書房
3.47
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本棚登録 : 201
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480816061

作品紹介・あらすじ

老人力とは物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力である。

感想・レビュー・書評

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  • 歳を取ると忘れやすくなる、その時作者は「老人力がついてきた」という。老年期にさしかかると、どんどん「物忘れ」がパワーアップ、未知の新しい領域に踏み込んで、結構盛りあがると。


    挫折の効用は何かというと、力の限界がわかってくること。自分の力の限界が見えた後には、小さな楽しみがわいてくる。その限界の中ではむしろ有効に力が発揮され、その限られた世界が広がってくる。「趣味の世界」。趣味で動く。趣味の中で考える。趣味に没頭、なんだかある面ボケないとソンかも、中途半端な老人力の凡人はつまらなさそう・・・。


    そうです何事も究める、「老人力」。魅力ある課題ですな。

  • ほぼ日の、南伸坊さんが登場するコンテンツなどで話題にのぼったりして気になっていた赤瀬川原平さんのエッセイ。昭和の頃は「ボケ」とか「痴呆」とか言われそののち「認知症」と呼ばれるようになった症状(個人的には「認知障害」という言い方の方がしっくりきます)に続く道の途上にある我々対して、ちょっと先をゆく先達として、いやいやそんなに悲観的にばかりなることじゃぁないよ、確かに弱体化する一面もあるのだけれど、その一方で大変自由に伸びやかな世界が広がっているのだよ馬鹿にしたもんじゃぁないよ、と、実感をもってゆるやかに綴っておられます。時折挟まれている路上観察による写真も、じんわりした味わいがあって、大変満足して読了しました。そして素早く『老人力2』を図書室から借り出してきました。

  • 老人の物忘れ等を発想の転換で前向きにとらえる。路上観察学会の写真が笑える。

  •  
    ── 赤瀬川 原平《老人力 19980901 筑摩書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4480816062
     
    ── 赤瀬川 原平《老人力 20010901 ちくま文庫》全一冊
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4480036717
     
    …… 赤瀬川家の人々 ~ 記憶よりも忘却(分散力)がむずかしい ~
     
    ── 赤瀬川 原平《老人力 19980901-20010910 ちくま文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00FB3FX9Y
     
     Akasegawa, Genpei 前衛美術 19370327 横浜 20141026 77 /籍=克彦/隼の弟
    https://twilog.org/awalibrary/search?word=%E8%B5%A4%E7%80%AC%E5%B7%9D%20%E5%8E%9F%E5%B9%B3&ao=a
     
    (20201129)
     

  • 2016/01/07 読了

  • 笑った。激しく脱力した。

    いつもながら赤瀬川師匠のアイディアは面白い。

  • ところどころ、ふふっとなる。しかしこれも老人力ゆえか、ひとりよがりなところもあり、ちょっと退屈する場面もあった。巻末のインタビューは秀逸。究極の現場は戦争。やっちゃ困るけど、過酷な体験は必要。

  • 若い人にはパワーあるんだろ、がんばれや、とどやしつけるじーさん、ばーさんが、弱くなったのは老人力が高まったからだよ、なんて開き直りされると困る。ほんと困る。若者の無気力を肯定的に捉ええるのと同じ理屈なんでね。

  • 年齢不相応に若いことではなく、衰えてゆく事を侘び寂びと捉え「老人力」と定義。
    パワーそのもののことや、アンチエイジング的なイメージを持つこと自体、老人力の欠如ということか。
    「宵越しの情報はもたねぇ」、なんて、粋じゃないですか。

    翻ってわたくし、しばらくは「中年力」をつけることに邁進し、来たる「壮年力」、「老人力」に備えようと決意いたしました。

  • ほのぼの感じが
    善いぞ。

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著者プロフィール

赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)
1937年横浜生まれ。画家。作家。路上観察学会会員。武蔵野美術学校中退。前衛芸術家、千円札事件被告、イラストレーターなどを経て、1981年『父が消えた』(尾辻(★正字)克彦の筆名で発表)で第84回芥川賞を受賞。著書に『自分の謎(★正字)』『四角形の歴史』『新解さんの謎(★謎)』『超芸術トマソン』『ゼロ発信』『老人力』『赤瀬川原平の日本美術観察隊』『名画読本〈日本画編〉どう味わうか』。また、山下裕二氏との共著に『日本美術応援団』『日本美術観光団』『京都、オトナの修学旅行』などがある。2014年逝去。

「2022年 『ふしぎなお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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