「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 719
レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480816795

感想・レビュー・書評

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  • 人文系の人が読むべき最近の目ぼしいトピックを紹介したサーベイ本。読むべきトピックの一つに功利主義があったので気になって読んでみたが、なぜ最終的に功利主義が正義論として優れているとされているのかが一読した限りではわからなかった。テクノロジー(設計主義)と相性がよいからだろうか。
    進化論のところはおもしろかったが、脳科学のところはまとまりがなかった。人文系の学生は生き残るためにこういうトピックを学ぶべきだ(それよりも古いものには価値はない)という話だが、たしかにポストモダンには価値はあまりないだろうと思うが、これだけだと薄っぺらい人間になるので、ミルとかデカルトとかプラトンとかアリストテレスとかマルクスアウレリウスその他には価値があるので読んでほしいと思う。というか、日本には読む価値のある古典はないのか。

  • 複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学の爆発的な進歩。これらは従来の学問の秩序を組み替えるだけでなく、何千年と続いた学問分野を消し去るインパクトをもつ。
    著者はさまざまな知のパラダイム転換を語ったのち、それらがひとつにつながることをマッピングしてみせる。その地図の基盤となるのは「進化論」である。

  •  このタイトルは、ちょっとひねりすぎ。「こんな本は読む価値がない!」と、名著の数々をバッサバッサ斬り捨てる内容を想像するだろうが、そうではない。
     副題の「知の最前線を5日間で探検する」のほうが、内容の的確な要約になっている。複雑系科学・進化論・ゲーム理論・脳科学・功利主義の5分野の概要と最前線を、手際よく紹介した概説書なのである。

     それがなぜ『「読まなくてもいい本」の読書案内』になるかというと、“複雑系科学などの長足の進歩による「知のビッグバン」が起きたあとでは、それ以前の古いパラダイムで書かれた本は読むに値しない”との主張が根幹になっているから。

     著者は科学者ではないから、進化論・脳科学・複雑系についての記述は、ありていに言って既成の科学書や論文の受け売りである。
     ただ、この著者は受け売りの仕方が抜群にうまく、受け売りであることを読者に意識させない。いわば、“洗練された受け売りのプロ”なのである。ホメているように聞こえないだろうが、100%の讃辞として“受け売りの達人”と呼びたい。

     全盛期の立花隆は、科学の最前線を手際よく読者に伝える優秀な「科学啓蒙家」であった。その役割を、本書によって同じタチバナ姓の著者(ちなみに、立花隆の本名は橘隆志)が受け継いだと言えそうだ。

     私は当初、本書を図書館で借りて読み、半分ほど読んだところで「これは手元に置いて何度も読み返したい」と思い、Amazonに注文した。
     「知の最前線」の的確な概説として、優れた内容だ。難しいことをわかりやすく説明する知的咀嚼力において、著者の力量は池上彰に匹敵する。

     ただ、「知のパラダイム」によって、哲学などの古典的教養がすべて陳腐化したかのように著者が言うのは、やや勇み足。古典的教養は、科学の進歩によって無価値になるほど薄っぺらいものではないはずだ。
     そのへん、大前研一の「古典的教養無用論」に通ずる底の浅さを感じてしまった。

  • 最近流行っていたので、読みました。知らないことが多くて面白かったです。

    1章の著者の学生時代に文系学生の間で崇められた難解なポストモダン思想書が、専門外のデタラメの科学用語を使い、あらゆる体系を相対化しようとして自然科学に喧嘩を売り、ソーカル事件などで返り討ちにあったという話から、これらは読むのはコスパが悪い、とバッサリ捨てようとしてるところがちょっと私怨を感じて、好みでした。

    2章以降の話は、人文社会科学系批判としては、あまり当たらないような気がします。学部レベルの経済の教科書でも、ゲーム理論や行動経済学の成果についてけっこう言及してるし、既存の体系と全く違うものというよりは、体系の拡大みたいな気がするので。

    哲学は詳しくないですが、意識の問題以外にも色々と哲学がカバーする領域はあるし、脳科学の成果があるからと言って哲学がいらない、というのも乱暴な気がします。

  • 人生の限られた時間でどの本を読むべきか。
    毎日1冊読んでも発行されてる本の0.02%にしかならないんだから、読まなくていい本をまず決めよう。その基準は「知のパラダイム転換」の前後で区切ること。
    5つのジャンルについて紹介されていますが、ある程度知識がないと難しいです。
    関心がなかったジャンルをかじれるのと、それぞれおすすめ本を紹介しているので、気になったものを読んでみようと思います。

  • 読まなくてもいい本だが、つい読みたくなるような本を選別して、エッセンスをわかりやすく説明している。

  • これは最高傑作の一つ。何度も繰り返して読みたい

  • タイトルから想像していた内容とは違いましたが、「知の最前線」に、触れることができたという点で、非常に興味深いものでした。

    著者はできる限り、平易に噛み砕いて記述してくれているのだろうけど、なかなか高度でした。

    今の人文系の大学で教えられている学問のほとんどが時代遅れであり、「法と経済学」が世界の主流になっているということは、心に留めておこうと思います。

    ビットコインもちらっと出てきていて、2年以上も前の内容とは思えなかったのですが、実際にはより発展しているのでしょう。

    著者の最新作にはこれからも注目していきたいです。

  • 思ってた内容と違った。タイトルは適切?

  • レビュー省略

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著者プロフィール

作家。1959年生まれ。2002年国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラー、『言ってはいけない残酷過ぎる真実』(新潮新書)が45万部を超え、新書大賞2017に。『幸福の「資本」論』(ダイヤモンド社)など著書多数。

「2019年 『2億円と専業主婦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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