富野由悠季論 (単行本)

  • 筑摩書房 (2025年3月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784480816979

作品紹介・あらすじ

そういうことだったのか!

富野アニメを見ていた少年期の自分が膝を打ち、

富野アニメを書いていた脚本家の自分が納得する

富野監督解体新書でした。

――大河内一楼(脚本家)



『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『Gのレコンギスタ』……。なぜその作品には強烈な個性が宿るのか。日本を代表するアニメーション監督の創作の謎を解き明かす!



***

「演出の技」と「戯作者」。この二つを入り口にし、その相互関係に迫ることで、アニメーション監督・富野由悠季の姿に迫ることができるのではないか。(「はじめに」より)

***



『鉄腕アトム』での経験/ストーリー主義をめぐるジレンマ/「アニメにもこれだけのものができるんだ」/方向性のコントロール/『機動戦士ガンダム』第1話の何がすごいのか/進行する状況の中へ/キャラクターを作るセリフ/アニメは「映画」でなくてはならない/『イデオン』で掴んだテーマ/自我と科学技術と世界/なぜ『逆襲のシャア』が代表作か/「根なし草」の限界と失敗/身体とお祭りと大地??



***

キャリア60年に及ぶ軌跡と全監督作品を徹底解説。映像と膨大な制作資料に基づいてその思想をすくいあげ、新たな富野由悠季像を浮かび上がらせる画期的評論、ついに刊行!

***

みんなの感想まとめ

アニメーション監督・富野由悠季の創作の秘密に迫る本書は、彼の作品を通じてその演出技術や作劇メソッドを詳細に解説しています。特に『機動戦士ガンダム』第一話の演出方法や、作品に宿る個性の理由を探ることで、...

感想・レビュー・書評

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  • 富野由悠季氏本人の視点でなく、評論家たる筆者が過去資料をベースに、その監督術、演出論、テクニックを、実際の作品場面を題材に解説していくのが大変興味深い。機動戦士ガンダム(いわゆる1st)の第一話の演出方法が事細かに描かれ、プロットとの違いなど含め、なるほどと思わされる。
    個人的にリアルタイムで観ていたのはその後の作品、イデオン、ザブングル、ダンバイン、エルガイム、そしてZガンダムくらいまでだが、それらについての言及も詳細にあり、当時観ていて感じた疑問というか違和感はこういうことかというのがわかるだけでも読む価値はあるだろう。

  • 名著……!
    三点リーダーと、エクスクラメーションマークに、万感の思いを込めたい。
    名著……!



    内容紹介
    そういうことだったのか!
    富野アニメを見ていた少年期の自分が膝を打ち、
    富野アニメを書いていた脚本家の自分が納得する
    富野監督解体新書でした。
    ――大河内一楼(脚本家)
    『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『Gのレコンギスタ』……。なぜその作品には強烈な個性が宿るのか。日本を代表するアニメーション監督の創作の謎を解き明かす!
    ***
    「演出の技」と「戯作者」。この二つを入り口にし、その相互関係に迫ることで、アニメーション監督・富野由悠季の姿に迫ることができるのではないか。(「はじめに」より)
    ***
    『鉄腕アトム』での経験/ストーリー主義をめぐるジレンマ/「アニメにもこれだけのものができるんだ」/方向性のコントロール/『機動戦士ガンダム』第1話の何がすごいのか/進行する状況の中へ/キャラクターを作るセリフ/アニメは「映画」でなくてはならない/『イデオン』で掴んだテーマ/自我と科学技術と世界/なぜ『逆襲のシャア』が代表作か/「根なし草」の限界と失敗/身体とお祭りと大地??
    ***
    キャリア60年に及ぶ軌跡と全監督作品を徹底解説。映像と膨大な制作資料に基づいてその思想をすくいあげ、新たな富野由悠季像を浮かび上がらせる画期的評論、ついに刊行!
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    目次
    はじめに 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい
    第1章 富野由悠季概論――「アニメーション監督」とは何か
    第2章 演出家・富野由悠季の誕生――出発点としての『鉄腕アトム』
     COLUMN 富野監督作品全解説1 1968~1979
    第3章 確立されていく語り口――『無敵超人ザンボット3』まで
    第4章 一つの到達点――『機動戦士ガンダム』第1話
    第5章 ニュータイプとは何か――戯作としての『機動戦士ガンダム』
     COLUMN 富野監督作品全解説2 1980~1988
    第6章 科学技術と人間と世界――『伝説巨神イデオン』で獲得したテーマ
    第7章 変奏される主題――『聖戦士ダンバイン』から『機動戦士Zガンダム』へ
    第8章 演出と戯作の融合――詳解『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
     COLUMN 富野監督作品全解説3 1991~2022
    第9章 運動と人間性――『機動戦士ガンダムF91』以降の演出術
    第10章 失われる言葉と繋ぎとめる身体――『海のトリトン』から『新訳Zガンダム』へ
    第11章 大転換、大地へ――『Gのレコンギスタ』への道のり
    おわりに
    人名索引
    主要監督作品メインスタッフリスト

  • ガンダムでお馴染み富野由悠季のコンセプトメイキング。アムロは左にザクは右になど細かい描写の解説。そこまで考えてるから視聴者は無意識に内容を理解できる。神は細部に宿る。

  • アニメーション評論家 藤津亮太氏による富野由悠季をアニメ監督・演出家・戯作者の観点から論じた著作。アニメ「ガンダム」の監督として知られる富野由悠季を主要作品を通じて掘り下げています。ご本人の著作だとあまりにも強烈な個性の光で見えにくくなってしまう部分もありますが、本作では藤津氏のフィルターを通すことで、ある程度客観性を持った内容になっていると思います。コラムで主要作品の解説もあるので、今から作品を履修したい人の参考になるのではないでしょうか。ここで論じられたものを踏まえ、もう1度作品を見直してみたい。

  • 途中まで読んでしばらく放置していたけど、結局、もういいや、と。

    宮崎作品に4つの類型(パンコパ/コナン/カリ城/ナウシカ)という話にひきつけて言うなら、トミノさんには陰陽の2つの類型しかない。
    陰のザンボットと陽のダイターン、引き出しの少ないトミノさんは、2パターンのギッタンバッコンを繰り返していた。
    (おもちゃの宣伝屋的にはそんなもんなのかもしれないけど)

    ザンボット/イデオン/ダンバイン/Z
    ダイターン/ザブングル/エルガイム/ZZ

    ガンダムが上の類型からはみ出るのは、それだけ安彦さんの存在が大きかった、ということだろう。

    で、持たざる者の総力戦体制だったイデオンまでならともかく、ザブングル以降の戦力が整った状態での1年通した番組作りになると、トミノさんの底の浅さが露呈した。

    著者はザブングルとエルガイムよりダンバインを重要視しているが、構造的なダメさ加減は一緒なんだけどね。

  • 分析が面白く興味深い。

  • 2025/06/28〜2025/08/13

    TBSラジオ『アフター6ジャンクション』で紹介された『機動戦士ガンダム』の第一話解説がとても良かったので購入。
    このくだりに関する記述は出色の出来。

    富野由悠季監督のフィルモグラフィを幾つかの時期に分け、時期毎に監督が用いてきた作劇のメソッド(主人公が科学技術を通じて世界に触れる、など)を詳らかにするところも納得感があった。

    ただ、一部強引さを感じる部分もあったのも事実。
    特に終盤に行くにつれてそのメソッドの解説が少々強引になっているように感じ、最終盤での息切れのようなものを感じた。

    今回、筆者の著書を初めて読んだが、この人は文章よりもトークの人だなと感じた。
    ラジオに出ていた時の語りの方が面白かったかな。

  • アニメ評論家である著者が演出家・戯作者という観点から富野由悠季を分析した一冊。確かにガンダムをはじめとする作品よりも(特にテクノロジーの進化が目覚ましい近年は)その思想面から語られることが多い富野を敢えてその演出術から語るというのは灯台下暗しというか盲点で新鮮だった。どの章も読み応え抜群。本書のためのインタビュー取材は実施せず(ただし著者は過去に富野への取材経験はある)あくまで作品や過去の文献・発言から富野由悠季という人物に客観的に迫ろうとする試みはまさに評論家の面目躍如。ベクトルや方向性の演出論なんかは一般的によく知られた話ではあるものの、富野作品を例に出しながら説明されると理解も感動も一入。また、執筆時期を考慮すると偶然と思われるが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が大きな話題を呼んでいるこのタイミングで『ガンダム大地に立つ!!』を徹底的に分析した第4章の価値が出版時期に高騰している現象までもが面白い。

  • 富野由悠季に対して、ある程度の神性を見出している自分のような人間はいかにも偏った目線で氏の作品に触れざるを得ない。
    本書は、もちろん富野由悠季を肯定的に捉える前提はありつつ、アニメーションの演出の技巧、そして戯作者としての存在感に焦点を当てている。
    もとより富野由悠季に興味をもつ人間でなければ本書を手に取らないのでは、という制約はありつつ、富野由悠季について俯瞰的に、客観的に、世間と相対化しながらその性質と成果を評価しようという試みには最大限の敬意を評して向かい合うほかない。

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著者プロフィール

藤津 亮太(ふじつ・りょうた):1968年生まれ。アニメ評論家。新聞記者、週刊誌編集を経て、2000年よりアニメ関連の原稿を本格的に書き始める。現在は雑誌、パンフレット、WEBなどで執筆を手掛け、ラジオ・TVにも出演。東京工芸大学芸術学部アニメーション学科で教鞭もとる。主な著書に『増補改訂版 「アニメ評論家」宣言』(ちくま文庫)、『アニメの輪郭』(青土社)、『アニメと戦争』(日本評論社)、『ぼくらがアニメを見る理由』(フィルムアート社)など。そのほか『アニメ音響の魔法』(企画・取材、BNN)、『ガンダムの現場から 富野由悠季発言集』(共編著、キネマ旬報社)にも関わる。

「2025年 『富野由悠季論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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