家(チベ)の歴史を書く (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
4.09
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本棚登録 : 93
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480818485

作品紹介・あらすじ

「私の家族はいつどのように、どうして日本へとやってきたのか。その後どうやって生きたのか」社会学者による生活史記述の試み。

感想・レビュー・書評

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  • 「私が自分を根無し草だと言うなら、それはきっと私が話を聞いてきた人たちに失礼に当たるだろう。だってあの人たちは、日本に根付こうとして、七〇年間も七転八倒してきたのだから。」

    韓国済州島から日本に来た親世代の親族の話を、社会学者の著者が聞いて著した、「生活史」の記録。
    ただ聞いた話を書くだけでなく、現代の著者の視線や、インタビューをする者受ける者の関わり方についてなどが織り込まれている。
    それもあって雑多でまとまりのない印象も受けるのだけど、人の人生はそういうものだとも思う。
    恥ずかしながら四・三事件のことは本書で初めて知り、衝撃を受けた。
    どの話からも生の重さを感じ、胸に残る一冊となった。

  • 著者は、「はじめに」と「おわりに」、そして本編中でも繰り返し、この本を何のためにどのように書くべきかを自問自答している。学者である自分と生身の自分との間を揺れ動いている。オーラルヒストリーの心得としても読めるし、在日2世の文学的エッセイとしても読める。そこが面白い。親戚の語り口を整理することと再現することを両立するのは大変だったと思うが、その場の雰囲気がよく伝わってくるものになっていると思う。また、大阪に済州島からの移民が多いと言う話は以前から聞いていたが、この本を読んで、その具体的な像を1つ得ることができたように思う。

  • 「兄貴やねん。」に、吹いた。

    歴史、知らんこと多いわ。

  • 四三事件は、惨劇だったにもかかわらず、悲壮感を持って語られないのがいい。民族性だな、これは。二、三カ所思い切り笑った。

  • 献本ありがとうございました。
    聞き手が聞きたい話と、語り手が語りたいことに温度差があるから(血縁関係、肉親などは、なおさらこの差が大きいような…)家族史や生活史の聞き込みは難しいように思えた。人の心に触れる作業の難しさも感じた。なので読み手である私自身も、歴史的な感情とか入れず、複雑なことに結びつけずにフラットな気持ちで読みました。

    人の話を聞いて情報を引き出す難しさ、タイミングや間、雰囲気など読み手には伝わりにくいことが多かったので、時間をかけてゆっくりと読みました。それでも「あの」「こう」「そう」「その」「あれ」という指示語が多用されていて状況が伝わってこなかった。「おわりに」で述べられているように、「わけわからへん」「話せへん」ことに触れ、インタビューして、それを本という形にするまでの苦労がみえました。ところどころ読んでいて、ツッコミを入れたくなるような部分があって笑ってしまた。


    騒ぎの真っ只中にいる時は気づきにくく、ある程度、時間が経ってから、あれは大変な出来事(事件)だったんだと知る、気がづくことの方が多かったのかもしれない。と、この本を読んで感じました。

    2018年積読本消化48冊目。

  • 著者いわく、学術書ではなく一般書だと言う。どうしても書かないといけなかったけれど、どうしても書けないものでもあったと言う。けれども「私はこの人たちの体験こそ歴史だと言いたかった」と言う。

    著者の逡巡は読んですぐ理解されることになるだろう。こんな切実な本を読むのは、とても久しぶりだ。一息で読みたいのに、歴史と存在の重み、そして厚みを感じてすぐには読みきれない。この本を読み切ったとき、きっと僕は人の記憶と向き合う術を学びたくなるに違いない。

    • issy0505さん
      受験勉強に時間を割かなければならないので今は読めません。申し訳ございません。受験が終わり次第読ませていただきます。そしてその後改めてしっかり...
      受験勉強に時間を割かなければならないので今は読めません。申し訳ございません。受験が終わり次第読ませていただきます。そしてその後改めてしっかりとした感想を書かせていただきます。
      2018/09/30
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著者プロフィール

朴沙羅(ぱく さら)
研究者。専攻は歴史社会学。神戸大学国際文化学研究科(文化相関専攻)講師。
京都大学文学部を経て、2013年京都大学大学院文学研究科(行動文化学専攻)博士後期課程研究指導認定退学。文学博士。立命館大学国際関係学部准教授を経て現職。
主著に『外国人をつくりだす』(ナカニシヤ出版、2017年)。編著に『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版、2016年)、訳書にポルテッリ『オーラルヒストリーとは何か』(水声社、2016年)。
2018年9月に『家(チベ)の歴史を書く』(筑摩書房)を刊行。

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