- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480823724
作品紹介・あらすじ
正岡子規は冗談好きの快活な若者でもあった。子規がこんな句を作っていた!?子規全句からおかしみの句を天野祐吉が選んで南伸坊が絵をつけた新編・子規句集。
感想・レビュー・書評
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著者の天野祐吉さんが子規記念博物館の館長になられた時に、愛嬌のある笑顔の子規博にしたいと、月替わりで子規の愉快な句を手書きの文字で垂れ幕にして掛けることにされたそう
その時、選ばれた句と新たに足した句とで構成された本になっている
南伸坊さんのイラストと子規の句と天野さんの落語の枕のようなコメントの三つ巴の楽しさ
近代俳句の祖のような子規さんだが、俳句ってこんなに気楽でいいんだとほっとする
夏井いつきさんも、ちょっとみんなを驚かせてやろうと肩を張って作句しているのが子規の句を詠んだら、肩の力が抜けて笑ってしまうとおっしゃっていた
私が気に入った句を少し・・・
めでたさも一茶位や雑煮餅
蒲団から首出せば年の明けて居る
生きておらんならんといふのもあつい事
枝豆や三寸飛んで口に入る
念仏や蚊にさされたる足の裏
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「柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺」という句は有名です。
正岡子規は二万四千もの俳句を作ったのですね。
句に付けられた天野祐吉氏の短文にもほっこりさせられます。 -
図書館で借りた本。
イラストレーションも、いい感じ。
俳句と言う入り口に、正岡子規さんを、身近に感じる事ができる。 -
正岡子規の俳句の中から、天野祐吉さんがおかしみの強い句、笑える句を選りすぐって、句解ならぬ「それぞれの句から思い浮かんだあれこれ」を書きつけたという一冊。確かに子規にはユーモアのセンスがあると思うけれど、天野さんの「あれこれ」がそれを上回るほど粋なんだな。南伸坊さんの挿絵も絶妙で、思わずニヤリとしてしまう。
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天野祐吉さんと南伸坊さんのコンビ、
贅沢な本を楽しんだ。
南伸坊さんの絵の味のあること、
もうひれ伏したい気持ちになる。 -
道後近くの博物館前に確かに吊り布で俳句の掲示があった。
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南伸坊さんのゆる~~いイラストと、天野祐吉さんの解釈(前書きでは句解では無い、勝手な書きつけであると仰って居ますが、多分大体合ってるような…)が、絶妙。正岡子規はじめての人には入門書として、もとより大好き!って云う方にも改めて共感を得られるような素敵な一冊でした。
もう少しボリュームが有ったらなあ、と欲張ってみたり。 -
おかしみの正岡子規ってのもまた一興。でも「坂の上の雲」で見た子規の最期を思うと、おかしみの中に潜む哀しみが見えてきて少々切ない。
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笑ったりほっこりすると体温は上昇する。
体が温まる時、こころもあったまる、はず。←これ自論。
ノボさんの笑える句に、勝手につけた天野さんの短文、伸坊さんのゆるくてチャーミングな挿絵に、クスクスが止まらない。
辛い生い立ちと精神疾患に揺れる漱石と、重い病いの凄まじい痛みと闘った子規は、苦で繋がってたのではなく、このユーモア、可笑し味で繋がってたんじゃないかと思う。
2人は一緒に、たくさん笑ってすごしたんじゃないかな。
可笑しみは、深い親しみでもあって。
読んでる間、笑う読者になった。ありがとう、ノボさん。好きと思う句が多くて付箋だらけ。
誰のためでもなく自分のために辛い時こそ、可笑しみを探して、おどけたり、戯れたりして抜ける、身体、こころ、冷え切らないように。
今度から柿を食べる時は、この長閑な装丁のように右の頬を膨らませて食べようね。法隆寺の鐘、耳に聴こえるかな。