女たちの遠い夏

  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480830722

感想・レビュー・書評

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  • 英語多読の「シマウマ読み」の邦訳として読んだ。
    主人公(母親)と久しぶりに実家に帰った妹娘の会話が、自分らの会話や考えていたことと結構似ていて、親近感を持った。
    実家に長居したくないくせに、母が「この家は売ろうかな」と言うと、反対の気分だったり、実家の近所を散歩しながら、昔と変わっただの変わってないだのと言う会話をすることとか、昔のピアノの先生に道でばったり会って「今どうしてるの?」と聞かれるときの落ち着かない感じとか。
    「お母さんのこと分かるわ」的なことを娘から言われて、強く反対はしないけど「いや、何が分かるのかしら。。」という母親の感じも、、。「自分は何者か?」という疑問を解決する一助として、母親の来歴が気になる娘の感じも、、。

  • 長崎で生まれ、五歳でイギリスに渡った著者。

    戦争からの復興途中にある長崎で暮らす悦子。悦子は、ある夏に佐知子とその娘・真理子と出会う。

    うまく表現できない内容。
    ホラーもののようなうすら寒い感じの中で、佐知子親子と、その夏から何年も経ちイギリスに暮らす悦子と娘。
    二つの時間軸で進んでいく話。

  • 読んでいる途中で、この物語読んだことがある…と気付いたら、この本の改題がデビュー作「遠い山なみの光」なんですね。
    そちらは読了済みです。

  • イシグロの実質的なデビュー作。たんたんとした雰囲気や乾いた会話に、小津安二郎の映画を思わせたが、それは池澤夏樹氏も解説で触れていた。訳はやや古臭い。早川の文庫で『遠い山なみの光』に改題。本作品以前の短編もぜひ読んでみたい。

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著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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