猫語の教科書

  • 筑摩書房
3.70
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本棚登録 : 238
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480831613

感想・レビュー・書評

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  • 「人間の家を支配するためには、自分の魅力をどう人間にアピールすべきか、知っていなくてはなりません。表情、姿勢、しぐさ、顔や体の動き、全部を使って、自分の魅力を輝かせるの。だって猫はどんなときでも、妖艶でしとやかで、謎と魅惑に満ち、セクシーで肉感的で、快活で愛敬あふれ、おもしろくて人好きがして、愛の魔法で心かきみだし、心をそそり心を満たす、ほれぼれとかわいらしい存在であり続けなくてはならないんですから」

    先輩猫が後輩猫に捧げる指南書。
    人間の家にまんまと入り込むため、人間を猫の都合で操るため、何をどうしていけばよいのか、後輩猫に向けて懇切丁寧に指導してくれる”教科書”である。

    人間、特に大人の男性は要注意である。
    猫達は傀儡になりやすい男性を虜にして手玉に取ろうとしているのだから。
    目を合わせた瞬間、すかさず声を出さないニャーオやゴロゴロのどをならして要求をアピールしたり、そっと近づいてひざやひじを前足でトントンたたく…見た目が可愛らしい上に、計算高くこんなことされた日には、猫の言いなりになるに決まってる!
    そこの貴方、猫にコロッと騙されて喜んでいる場合ではない!

    猫達は日夜、人間に可愛らしいと思ってもらえるよう秘かに可愛い仕草の練習をしているのである。
    前足を立てて座りちょっと首をかしげるポーズを、もしも目の前にいる猫が取り始めたら、とにかく要注意である。
    猫は貴方を言いなりにさせたいがためにわざとしているのだから。
    その仕草をする自分がいかに可愛らしいか分かった上で敢えてやっているのだ…まったく困った連中だ…とブツブツ呟く私も、猫に振り回されることを心地よく思っている人間の一人です、はい。

    • mofuさん
      まことさん、こんばんは。
      こちらこそ、いつもいいねをありがとうございます!

      まことさんの『七つの人形』のレビュー、拝読しました。他にも沢山...
      まことさん、こんばんは。
      こちらこそ、いつもいいねをありがとうございます!

      まことさんの『七つの人形』のレビュー、拝読しました。他にも沢山ギャリコを読んでおられるんですね(^^)
      私はギャリコはこれが初読みなので、他のギャリコも読んでみたいです。猫ももちろん好きです。
      まことさんの本棚を見ていると、好みが似ていて嬉しくなります。
      これからもどうぞよろしくお願いします(*^^*)

      お勧めとコメントをありがとうございました!
      2021/02/20
    • まことさん
      mofuさん。
      返信ありがとうございます。
      ごめんなさい!
      お名前を間違えてしまいました。
      失礼いたしました(__)
      mofuさん。
      返信ありがとうございます。
      ごめんなさい!
      お名前を間違えてしまいました。
      失礼いたしました(__)
      2021/02/20
    • mofuさん
      まことさん。
      気にしないでくださいね。
      私もたまにしちゃいますので…(^.^;
      まことさん。
      気にしないでくださいね。
      私もたまにしちゃいますので…(^.^;
      2021/02/20
  • 「猫、大好き♪」と公言しているにもかかわらず、この本を読んで
    ちょっとでもムッとしてしまったひとは、猫ちゃんからのしつけが足りません。
    この『猫語の教科書』をおうちの猫に読み聞かせ、
    いっしょに生きるパートナーとして、しっかりしつけ直してもらいましょう。

    この本を読んで、思わずうふふ♪ とうれしくなってしまったひとは
    猫ちゃんからのしつけが行き届いている、感心なひと。
    溺愛する猫ちゃんとぴったり寄り添って、思う存分、読み返しましょう。

    猫がふくふくの肉球でタイプライターを打って書いたというこの本☆
    見返しの著猫(ちょしゃ)略歴のところから
    「野外生活を経て、人間の家の乗っ取りを決意。
     飼い主を思いのままにしつけた豊かな経験を生かし本書を執筆」
    と、気が遠くなるくらい素敵!

    「人間の家をのっとる方法」・「魅惑の表情をつくる」・「別宅を持ってしまったら」・
    「じゃまする楽しみ」などなど、猫ならではの叡智が上から目線で語られていて
    猫によって世界を変えられてしまう喜びを知ったひとには、堪えられない楽しさです。

    我が家では「エコ鳴き」と呼んでいる、「声を出さないニャーゴ」は
    猫界ではもはや常識の必殺技だったのか!とか
    一昨年拾った末っ子猫が、窓が開いていると信じ切ってガラスに激突し
    きょとんとしてみせたのは、やっぱり拾ってもらうための作戦だったのか!とか
    まとわりつく3匹の猫のすました顔を見てにんまりしてしまう、愛すべき本です♪

    • まろんさん
      碧さん、こちらこそうれしいです!

      「スノーグース」は、気になっていたのにまだ読めていないので
      碧さんが大好きとおっしゃるからには、ぜひぜひ...
      碧さん、こちらこそうれしいです!

      「スノーグース」は、気になっていたのにまだ読めていないので
      碧さんが大好きとおっしゃるからには、ぜひぜひ読まなくちゃ♪ と思っています。
      これからも、お気に入りの本を教えてくださいね(*'-')フフ♪
      2013/01/16
    • 九月猫さん
      まろんさん、はじめまして。
      フォロー&コメントいただき、ありがとうございます。
      ブクログはまだ登録したばかりで、コメントいただいたのも初...
      まろんさん、はじめまして。
      フォロー&コメントいただき、ありがとうございます。
      ブクログはまだ登録したばかりで、コメントいただいたのも初めてでとても嬉しいです♪

      ポール・ギャリコのこの本、わたしも大好きです。
      ギャリコは6~7冊読んでいますがやはり猫の出てくるお話が好きで、なかでも一番最初に読んだ「ジェニィ」が大好きです。
      あまりに好きすぎて、その後に飼うことになった3匹の猫に「ジェニィ」の登場猫物の名前をつけてしまったり、学生時代の「児童文学について」のレポートを無理やり「大人のための童話」って書いてあるしとこじつけて「ジェニィ」で書き、著しく評価を落とした苦い思い出まであります(;^_^A


      ブクログに登録するまで、本のレビューってほとんど書いたことがなかったのですが、自分で書くとなるとなかなか難しいです…。
      まろんさんのレビューはご自分の言葉で表現した素敵なレビューばかりで、どれも「いいなぁ、ステキだなぁ」と読み惚れてしまいます。
      いつかまろんさんのように素敵なレビューを書けるようになれるといいなぁ(*^-^)と思いつつ……読むのも書くのも遅いので、まずはのんびりブクログ生活を楽しみたいと思っています。
      これからよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ
      2013/01/19
    • まろんさん
      九月猫さん☆

      こちらこそ、ありがとうございます!
      九月猫さんへの初コメントの座をゲットしたとは、
      なんだか今年はいいことがありそうな気がし...
      九月猫さん☆

      こちらこそ、ありがとうございます!
      九月猫さんへの初コメントの座をゲットしたとは、
      なんだか今年はいいことがありそうな気がしてうれしいです♪

      ポール・ギャリコは前々から気になっていて、実は「ジェニィ」も買ってあるのですが
      遊びたいおもちゃがすぐそこに転がってるのに
      知らん顔して身づくろいしている猫みたいに
      とっておきの時に読もうと、取っておいたりして(*'-')フフ♪

      「ジェニィ」の登場猫物☆の名前をもらった3匹の猫ちゃんたち、愛されて幸せものですね。
      私も、何代目かの猫に、ハインラインの「夏への扉」に出てくる猫の
      ピートの名前をもらってつけたりしました♪
      きっと作品への愛があふれていた、九月猫さんの「ジェニィ」についてのレポート、
      私もぜひ読んでみたかったです。

      書くとなると難しいだなんておっしゃっているけれど
      九月猫さんのレビューは、私なんかと違ってとても簡潔なのに
      綺麗な言葉で、言いたいことがちゃんと伝わってきて、とても素敵だと思います。
      また読ませていただくのを楽しみにしていますので、
      書けるときには、ぜひぜひ書いてくださいね(*^_^*)
      2013/01/20
  • 読んでいく内にワクワク感が増していき、興奮が抑え切れなくなってしまうのは、私のHNが"ネコ"だけに仕方が無い事なのでしょうか。猫にとっては、何度読んでも楽しくてためになる本。でも、人間にとってはちょっと不愉快な本?

  • 実家で飼ってた猫を思い出した。
    そういえば、そんな仕草やってたなぁ…あれは私がしつけられてたのか…(⌒-⌒; )

  • 最高に笑った。
    猫好きにはたまらない。
    この本を読んで「そうか、人間は
    こんな風に猫にしつけられていたのか!!」と
    びっくりした。
    発想もおもしろいし、
    語りもおもしろいし、語りと写真が
    ちゃんと合っているところがよい。


    それにしても、こんなおもしろい話を書く
    本当の著者、ポール・ギャリコはどんな人なんだろう?
    他の本も読んでみたい。

    それから、灰島かりの翻訳もすごくよかった。
    どこも無理してなくて、もともと日本語で
    書かれているかのように自然だった。

  • う〜ん、完璧!!
    よくこんなの書けるなぁ天才だなぁと思えて仕方がないなぁ。

    題名もいいよね。
    誰かから「何読んでるの?」って聞かれて「猫語の教科書」なんて答えたら…。

  • 本当に猫がタイプライターを打っちゃった!?!?!?

  • yomyomで平松洋子さんがおススメしてたので読んでみた。
    猫って、猫って・・・!
    乗っ取られたい・・・

  • ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。“£YE SUK@NT MUWOQ”相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手になる、全国の猫のためのマニュアルだった。「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」

  • 猫がこんなことを考えていたら恐ろしい。でもこの本に出てくるように人は至極単純で、自分も簡単にこのとおり行動するだろうと思う、猫に対してではないけど。

著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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