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- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480831675
感想・レビュー・書評
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作者のモスクワ留学の経験を元に書かれた自伝的な小説。
作家たちの住む寮は、嘔吐と監視、異様な興奮と不穏な気配をはらんでいる。
冷やりとした気持ちになっていくけど、笑って読んでしまうところも多かった。
すごく変な雰囲気…!
美しいタイトルの内側には作者の激しい怒りがあったのだなあ。
恋人への約束を守ったことが、アルバニア人としての誠実さを持ち続ける誓いのように感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フルシチョフがメディアに愛称で呼ばれはじめ、ノーベル賞に推されたパステルナークに対する弾劾キャンペーンが繰り広げられ、ソ連とアルバニアの関係が冷えてゆく時代のモスクワに留学したアルバニア人作家が体験した文壇と政治の様相。凡庸な老人となった御用作家たち、凡庸な鬱屈と挫折を抱える自治共和国の若手エリートたち、凡庸な乱痴気騒ぎと凡庸な恋と監視社会の凡庸・・・とを、主人公が拠り所とするアルバニアの古伝説が、かろうじて神話的な体裁に昇華する。その「かろうじて」の暗澹。
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