エクスタシーの湖

  • 筑摩書房
3.87
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本棚登録 : 95
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480832023

作品紹介・あらすじ

突然ロサンジェルスの中心部に現われた巨大な湖。息子を救うために湖底へと潜っていく主人公クリスティンの物語と、2017年西海岸のゲリラ隊の物語が絡み合う。原書の実験的なレイアウトを邦訳版でも再現。北米のマジックリアリスト、エリクソンのカオス的な想像力が炸裂。

感想・レビュー・書評

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  • これもすごく面白かった。
    この本は『真夜中に海がやってきた』に続く形をとるので、先ず『真夜中〜』を読むことをおススメしたい。
    主人公も同じだし、前作の終わりからの続きの物語だし、他の登場人物や過去もそのまま投影されているから。

    それからこの本の面白いところは、文章のレイアウトにもある。
    段落、標準体と斜体、ページの使い方、文字組み、言葉の見せ方にすべてこだわっている。そうして全体で物語をつくり上げているところがとても興味深い。
    水から掬い取った言葉をまるで泡のように表現したりする。


    この本は、女性の方が興味深く読めるような気がする。
    <産道うんが>というキーワードがあり、カオスというキーワードがあり、
    前者の指す命の連鎖と後者の指す命の喪失と、人間と世界と自然を渾然一体となした物語を、子供を護る母親を主人公にして描いているから。
    生命の源は女性の子宮。赤い血、赤い狂気。喪失する青。

    エリクソンの小説は、いつも私の創作意欲を駆り立たせる。またあとで読み直したい。

  • ふむ

  • いとうせいこう曰く「うわ、確かに選りすぐりの今だ。」
    その一。

    確かに凄い。

    独白と物語が同時進行で流れていく。

    腰を据えて読む必要を感じたので、図書館には返却。

    購入しよう。

  • 三人称があらゆる瞬間に飛び込んでくるので、読みわけに慣れるまで少しかかる。
    あらゆるメタファーが混在するので、読書初心者にはハードかと。
    美しい一文が、あらゆる場面で輝いていて、読み進む度に胸をうたれる。小説の可能性の奥深さ、

  • 新潮2010年2月号より

  • 2010.01.17 朝日新聞に紹介されました。
    ロサンジェルスに巨大な湖が出現するらしいです。。
    著者の他の作品は、「真夜中に海がやってきた」

  • 100117

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著者プロフィール

1950年、米国カリフォルニア州生まれ。作家。『彷徨う日々』『ルビコン・ビーチ』『黒い時計の旅』『リープ・イヤー』『Xのアーチ』『アムニジアスコープ』『真夜中に海がやってきた』『エクスタシーの湖』『きみを夢みて』などの邦訳があり、数多の愛読者から熱狂的な支持を受けている。大学で映画論を修め、『LAウィークリー』や『ロサンゼルス・マガジン』で映画評を担当し、映画との関わりは長くて深い。本作は俳優のジェームズ・フランコの監督・主演で映画化が進行している。

「2016年 『ゼロヴィル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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