82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

  • 筑摩書房
3.93
  • (496)
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  • (74)
  • (26)
本棚登録 : 8103
レビュー : 825
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480832115

作品紹介・あらすじ

8/25 NHKで紹介されて大反響。
韓国で100万部のベストセラー! 映画化決定!! 
教育や仕事、育児など女性が人生で出会う困難、差別を描き、
絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作。
解説 伊東順子

「女性たちの絶望が詰まったこの本は、
未来に向かうための希望の書」――松田青子

感想・レビュー・書評

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  • 「それで、あなたが失うものは何なの?」
    一番刺さったのは、この部分だった。

    キム・ジヨン
    この名前は、韓国において1982年に出生した女の子の名前で一番多い名前だった。この作品は、その時代に産まれた普通の女性の、普通の物語を描いた小説である。
    しかし、これはただの小説ではない。キム・ジヨンが、一人の女性として、男社会の中で必死にもがいて戦う物語。まるでノンフィクション、ドキュメンタリーのような筆致で描かれている。

    日本にもまだまだ蔓延しているジェンダー問題。それはきっとどこの国でもはびこっている問題なんだろう。
    非常にセンシティブな内容なので、すぐには言葉を紡げない。問題が根深すぎるだけじゃなく、ひとつの、自分なりに選択した言葉が、相手にどう響くのかが少し怖くて。特に、男性の方は不愉快に感じる部分もあるかもしれません。でも、頑張って書こうと思います。この作品が、このレビューが、男性の口を噤むのではなく、男性の言葉を引き出す一冊になってほしい。そんな願いをこめて。批判を覚悟で。

    フルタイム勤務なんて、誰かが家にいて、家事と育児をやってくれる人がいることを前提とした働き方だ。
    大黒柱と呼ばれる家長がいて、その人は外で働いてお金を稼いできて、身の回りのことなんてする余裕がないからそれを支える専業主婦がいて、専業主婦は基本家にいるわけだから当然家のことも、子どもができたら子どもの面倒も見る。
    時代は変わってきている。夫婦ともに働いて、夫婦で子育てをする。そんなことが言われてからもう何年が経つのだろう。結局、女性が働くといっても、男性が作り上げてきた社会に女性が合わせているに過ぎず、家で誰かが面倒を見てくれるのが当然のような状況に仕組まれた現代社会では、定時は9-18。それじゃあいつまで経っても共働きで夫婦が子育てなんて無理無理。一人暮らしですらそれでそんなに余裕ないんだから。そこに家族分の家事、育児が加わる。通勤に加えて保育園の送迎がある。男性が「子どものお迎えに行く」と仕事を早上がりしたら、きっと「イクメンだね~」とか言われてヒーロー気取れんだろ。だれか、女性が「保育園のお迎えがあるので」って早上がりしたら「イクジョだね~」とか言って褒めてくれんの?そしてむしろ、共働きの役割分担として男性側が送迎を担ったとすると今度はきっと、「奥さんに逆らえないんだろうな~」という、女性蔑視の扱いを受ける。結局、これではいつまで経っても男性は家事を「手伝う」だけだし、育児を「手伝う」だけだ。そんな社会でいくら声高にフェミニズムを叫んだところで、「人の稼いだ金で生活しているくせにぴーぴーうるさい」で一蹴される。いやいや。子どものために仕事をやめざるを得ない生活になってんの。あんたが何も変える気がないからこうなってんでしょうよ。別にわたし、あんたの出世望んでない、お金なら二人で稼いだらいい。自分だけで稼ごうと思わなくったっていい。
    (※当方未婚のため、ただの妄想です)

    結局共働きって言ったって、女性が失うものの方が多い。「その分得られるものも多い」と言う人もいるだろう。確かにそうかもしれない。でもそんなの、やってみないとわからない。

    わたしは自分自身が、接待や商談を仕事の一部とするような業界にはいないので、濃厚な男尊女卑が存在するような社会で働いているわけではない。だから、キム・ジヨンが体験してきたような、管理職からの露骨なセクハラは受けてはきてないけれど、それでも、お弁当を持って職場で食べている時に「自分で作ってるんスか!?秒で結婚できますね!」とか言ってくる奴には死ねって思うし、新年早々生徒から「女は30過ぎたら縁結びとかした方がいいですよ」とか言われると、酷く傷つく。

    女性は、結婚・妊娠・出産に期限があると言う。確かにそうかもしれない。
    でも、結婚しないといけないわけじゃないし、妊娠しないといけないわけじゃないし、出産しないといけないわけじゃない。それなのに、その経験をしていないと「かわいそうな女」のように扱われる風潮がある。
    最近、こんな記事を見つけた。
    「仮に産んでいないということが、ひとつの欠如であるとしても、それは経験の欠如ではなく、欠如の経験です。」(藤波玖美子さん)

    女性は、結婚・妊娠・出産、そのすべての段階で、何かを奪われる。
    結婚すれば、大抵苗字を奪われる。慣れ親しんだ、アイデンティティを形成してきた名前を変えることになる。男性は預金通帳も、仕事の名前も変えることなく生きている。女性は、名前の半分を、アイデンティティを奪われているのに。
    妊娠すれば、女性は身体の変化による不安と体調不良に苦しむ。これまでと同じ生活を奪われる。男性は女性が妊娠しても、吐き気も苦痛もなく、普通に満員電車に乗って、仕事へ行って、日常生活を送る。
    出産は、命懸けで行われる。仕事を休まなくてはならない。命以上に優先するものなんてない。当然、女性は、仕事を奪われる。いくら制度を整えて男性に育休を付与したとしても、物理的な身体の変化が生じないため、休まざるを得ない状況には追い込まれない。
    男性が、結婚・妊娠・出産を経て奪われるものなんて、実質ないのだ。いいところだけ見て、かっこつけることができるポジションにいる。さすが、社会を築いてきた男たち、立派です。

    男性が家事と育児をしていると発信すれば、イクメンと称えられる。
    もし、女性が家事と育児を「手伝っている」だなんて言ったら、SNSは大炎上するんだろう。
    なぜ、男性が作ってきた社会に女性が合わせなければならない?
    なぜ、価値観が変わって、法律が変わっているのに社会は変わらない?
    女性が頑張って働けば「結婚に縁がないかわいそうな女」「これだから出会いを逃すんだ」と見なされ、定時で帰ろうとすると「女は楽でいいよな」「女はどうせ辞めるから出世も何も考えなくてもいいもんな」。
    このジレンマの中で、自分の人生で何を一番大切にしたいかを考えた時、必ず何かが犠牲になる。
    ただ生きるために仕事をして、それだけで常に何かに晒され、傷ついている感覚。
    男女問わず、人間には長所も短所もあるんだから、それを性別に求めるな。
    年長者が築き上げてきた功績をディスってるんじゃない。同じことを、違う時代を生きる他人に求めるな。

    共働きが普通になって、家で仕事をすることも普通になってきて、それなのにどうして、女性だけが、子育てをすることも、家事をすることも、当然のように求められる?
    そしてそれは一体、誰に求められているのか?

    こういうテーマで何かを話そうとすると、男性は責められているように感じてしまって口をつぐんでしまうだろう。フェミニズム、という言葉を好きじゃない男の人だっているはずだ。
    わたしはもっと、男性が不愉快に感じないような、ジェンダーの話を、フェミニズムの話をしたいのだ。お互いに傷つけ合うことを目的とするんじゃなく、もっと、価値観を揺さぶり合うような。魂に訴えかけるような。男の人だって言いたいことはあるはずなんだ。ちょっと空いてる女性専用車とか、レディースデーで安くなる映画やご飯、結婚式の二次会のお金が女性の方が安いのとかずるいなって思ってるんでしょ?もっとそういうの言っていいんだよ。でも、飲み会のお金が安いのって女性からすると助かるし、男性がそこを補てんすることでお金あるアピールができるし、そこでお互いWIN-WINになっているところがあるから、この損得勘定を含んだジェンダー問題ってほんと根深いなって思う。

    こうしたフェミニズム作品は女性からの支持が圧倒的だ。だから、男の人の声を潰してしまう。わたしは、それはしたくない。男性側の言い訳、どんどんしていいと思う。話さないと、始まらないから。ヒートアップすれば、時に傷つけ合うこともあるかもしれない。じゃあどうすればいいんだよ!っていうことだってあると思う。だったらそうやって伝えたらいい。嘘で固めた優しい言葉よりも、その場をなだめるための空虚な言葉よりも、無遠慮な言葉よりも、無言よりも、暴力よりも、暴言よりも。しっかり言葉にしてぶつかってきてくれる方が、ずっといい。

    • たけさん
      おはようございます!

      予約して無事確保してもらいましたよ。週末に借りにいくつもりです。
      おはようございます!

      予約して無事確保してもらいましたよ。週末に借りにいくつもりです。
      2021/01/28
    • たけさん
      naonaonao16gさん、この本読みましたよ!
      でも、残念ながら小説の世界に入りこめず…
      僕はnaonaonao16gさんの言うこと、と...
      naonaonao16gさん、この本読みましたよ!
      でも、残念ながら小説の世界に入りこめず…
      僕はnaonaonao16gさんの言うこと、とても正しいと思うのですが、この本はピンと来なかった。なぜか醒めていってしまって…
      もう少し勉強が必要ですね…
      2021/02/05
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      おはようございます。コメント、ありがとうございます(´ー`)

      個人的には、おそらくこのレビューを通して図書館に借りに行...
      たけさん

      おはようございます。コメント、ありがとうございます(´ー`)

      個人的には、おそらくこのレビューを通して図書館に借りに行ってくださったということがとても嬉しいです。あまりピンと来なかったのはなんだか申し訳ないです…(笑)

      たぶん、勉強とかではないと思います。この作品を女性が読めばフェミニズムかもしれませんが、男性からしたら、男卑女尊と捉える方もいるでしょう。
      また、日本とはベースになっている宗教なんかも違いますし、現代日本はここまで酷くはない、とも思います。しかし、近い思いをしている女性はたくさんいます。例えば、作品でもかなり主人公の気持ちが乱れた就活のシーン。就活は、あまり男性は悩まないかもしれませんが、女性は総合職か一般職で悩んだり、面接で親の職業を聞かれたり(これはちょっと違うか)、細かな雑務や掃除をすると、そこに女性性が入り、掃除をしない奴は女性らしくない、という扱いを受けたり。あと、露骨にそんな扱いを受けなくても、そう「感じる」ということはよくあって、これは非常に難しいなと思います。なんだかうまく伝えられませんが。

      そして、たぶん自分でも気づかないレベルで、男女差別はしていると思います。やっぱり男性に少し多くお金出してもらって食事をすることはありますし。こんなレビュー書いといてそこに目をつぶっている自分もどうなんだろうなあ、と。

      このレビューはあくまでわたしが一番刺さった「はく奪」というところに焦点を置きましたが、作品全体としてはそれだけではないです。
      きっと、こうして意見交換が多くなされることが、この作品の意義なんじゃないかなと思いました。

      すみません、また熱くなってしまいました。
      2021/02/06
  • 1歳のジウォンちゃんの育児にひとりで頑張る2015年当時のキム・ジヨンの状況を、現在のわたしは20年以上前に経験している。これほどの年月が流れたというのに、子育て中の女性の悩みや苦しみは何ら変わっていないんだなぁとため息がでた。

    そして現在のわたしは、ジヨンが圧倒的に女性が不利な就職活動に散々苦労しながらも社会人となり、入社した会社で仕事が面白くなってきた時分、クライアント先の社長の面白くもないジョークにぎこちなく笑いながら、嫌な接待に我慢していた頃の彼女の母オ・ミスクの立場に近い。

    なのでジヨンの視点で読んでいても、ミスクが現れると自然と母親の視点に立ってしまうのだ。
    だから、ジヨンの姉であるキム・ウニョンから進路先を巡って、「どうして、起きるかどうかもわからない未来のできごとに備えて、今やりたいこともやらずに生きなきゃいけないの?」と言われたとき、壁に貼った世界地図をじっと見ていたミスクの気持ちが痛いほどわかった。
    そのウニョンが大学に合格し寄宿舎に入ったあと「ほんとに行きたい学校に行かせてやればよかった。私みたいなことをさせるんじゃなかった」と彼女が泣いた場面では、ともに涙をこらえることができなかった。
    さらには就職先が決まらないジヨンに対して父親が放った言葉に、「いったい今が何時代だと思って、そんな腐りきったこと言ってんの?ジヨンはおとなしく、するな!」と烈火のごとく叫んだミスクの言葉は、ビンビンと胸に響き身体中が熱くなった。
    そのどれもが、わたしには身に覚えのある言葉だったから。

    わたしにもキム・ジヨンと同じようなことはたくさんあった。
    そしてオ・ミスクをはじめ、ジヨンを取り巻く女性たちと同じような立場にもなった。
    わたしはジヨンが辿ってきた道を経験したし、そしてこれから彼女が辿ることになる未来の道を、過去という形で経験している途中なのである。
    ただ望むのは、未来の道が過去へと戻ることなく、どんどん枝分かれしながら前へ前へと伸びていってほしいということ。

    この本を読んだことで改めて気づいたのは、現代社会には大勢のジヨンが存在するという事実。
    世の中には女性という自分ではどうすることもできない「性」のために、生きづらい思いを抱えている女性がたくさん存在する。

    ジヨンの憧れの女性、キム・ウンシル課長。彼女は「女はだめだな」と言われないように頑張ってきた。でもそのことが「後輩の権利まで奪ってしまった」という彼女の言葉が頭を離れない。
    わたしたち世代は、もっと自分を大切にしてこなければいけなかったんじゃないだろうか。
    自分さえ我慢すればいい。
    その自己犠牲の精神が巡り巡って、今を生きる女性たちを追い詰めていくことになったのではないだろうか。
    嫌なことは嫌だと、おかしいことはおかしいと、そう口に出していくべきだったのだ。
    気持ち悪い思いに対して、無理に笑わなくてもよかったんだ。
    そして大事なのは、不合理な壁にぶち当たったとき、女性だからという理由で責任を感じ、自分を責めるべきではなかったのだ。

    わたしはジヨンでありながら、本当は未来のジヨンを救うことのできる立場でもあったのだ。
    それはきっと今を生きる女性たちも同じことだと思う。

    ジヨンは理不尽な目にあっても口をつぐんできた。怖い目にあっても、それはお前が悪いんだと言われれば、それ以上何も言えなかった。
    自分を守るには自分のほうを変えていくしかなかったのだろう。

    ある日ジヨンは、ジウォンちゃんを連れて公園へ散歩に行く。
    そこで彼女は会社員の男性から「ママ虫」という悪意のある言葉を向けられる。その言葉に動揺し逃げ出したジヨンは、夫のチョン・デヒョンに訴える。
    「死ぬほど痛い思いをして赤ちゃん産んで、私の生活も、仕事も、夢も捨てて、自分の人生や私自身のことはほったらかして子どもを育ててるのに、虫だって。害虫なんだって。私。どうすればいい?」
    デヒョンは、何と言ったらいいのかわからなくて、違うよ、そんなふうに思わないでと言うばかりだった。

    本当は、ジヨンは「ママ虫」だと言った奴に対して、夫に訴えた言葉を言うべきだったんだと思う。
    だけど言えなかった。悔しいことだけど今の社会は、まだそんな小さな声をあげることが、とても難しくどれだけ勇気がいることか、わたしたちは知っている。

    そしてデヒョンは彼女に対して、「ジヨンは決して悪くない。そんな言葉を言った方が悪いのだ」と毅然とした態度で言うべきだったんじゃないだろうか。

    わたしたちはそこを履き違えてきたのだ。その結果がこういう社会へとなってしまった一因でもあるのではと、わたしは感じている。


    ブク友さんたちのレビューを読んで満足してたのだけど、映画でコン・ユさんが夫チョン・デヒョン役をされたことから、やっぱり原作を読んでみようという気になった。
    映画のラスト、キム・ジヨンとチョン・デヒョン夫婦の姿が原作とは全く違ったので、ちょっと驚いたんだけど、でもそれもじゅうぶんアリだと思えた。
    それはまるでパラレルワールドのようで、ひとつのきっかけが未来への選択肢を増やすことにもなることを示してくれたように思う。
    原作も映画もどちらもよかった。

    • naonaonao16gさん
      地球っこさん

      おはようございます!

      ですね、すごく深く、ヒートアップしやすいテーマです。

      今のレビュー、頑張って書いてるので読んでいた...
      地球っこさん

      おはようございます!

      ですね、すごく深く、ヒートアップしやすいテーマです。

      今のレビュー、頑張って書いてるので読んでいただけたら嬉しいです!また長くなってしまいそうですが…

      人間の本能…確かにそうかもしれませんね。前に、「不道徳お母さん講座」って本を読んだ時に我慢と自己犠牲をする母親がいいお母さんと言われてしまうことについて描かれていたんですが、確かに子どもを思うゆえの、本能的な行動でもあるかもしれないなぁ、と今思いました。
      最近は仕事で勝手に我慢や自己犠牲しちゃって疲れてるので、その気持ちは大切にしつつ、行動は変えられたらいいなぁ(笑)

      なんと!ユノペンでしたか!!
      わたしは、兵役から戻ってきた時のステージが忘れりません。前にも増してダンスが上手くなってて身体もムキムキに…
      話し出すと止まりません…!
      2021/04/06
    • 地球っこさん
      naonaonao16gさん

      我慢や自己犠牲を本能的にしてしまう時や、相手の辛さが我慢できなくてそれなら自分が……と心から思うときって...
      naonaonao16gさん

      我慢や自己犠牲を本能的にしてしまう時や、相手の辛さが我慢できなくてそれなら自分が……と心から思うときってあると思うんですけど、だからと言って我慢や自己犠牲を美しいとする風潮はわたしも違うと思います。
      我慢や自己犠牲をする母親がいいお母さんだなんて、されている方の子どもにとったらやめてくれー!ですよ、たぶん 笑
      あと同調圧力的な?我慢や自己犠牲って
      恐ろしいです。
      ホント勉強不足なので、ぼんやりとした感覚的なことしか言えませんが。

      naonaonao16gさんもお疲れが出ているとのこと、それはnaonaonao16gさんの優しさから、つい我慢とかしちゃってるんだと思います。どうかご無理されませんように。

      ではでは。naonaonao16gさんの熱い思いのこもったレビューは読みごたえがあって大好きなので、長いレビュー大歓迎でーすヽ(*´∀`)ノ

      おっと大事なことを忘れるところでした 笑
      ムキムキ……、やっぱりその手の話は止まりませんね~ふふふ
      いつの間にか東方神起からは遠ざかってましたが、こうやって思い出すとやっぱりドキドキするものです♪
      2021/04/06
    • naonaonao16gさん
      地球っこさん

      そうですね、我慢や自己犠牲せざるをえない状況と、それを美しいとするのは違いますよね。
      子どもからしても、いやいや頼んでないし...
      地球っこさん

      そうですね、我慢や自己犠牲せざるをえない状況と、それを美しいとするのは違いますよね。
      子どもからしても、いやいや頼んでないし、となりますよね(笑)

      いや~
      最近疲れ気味です…
      久々に身体にストレスが出始めてます(笑)あ、でも大したことないのでご安心ください!この段階で無理しないでおくことが大事ですね、これ以上自分を蔑ろにしないようにします…(笑)
      レビュー書く体力を残しつつ、やっていくことにします!

      ムキムキに触れて下さりありがとうございます(笑)是非これを機にまた聞いてみてくださいね!

      ではでは、またお邪魔しますね!
      ありがとうございましたー!
      2021/04/06
  • 申し込んでかっちり1年で読むことが出来た。その間に、韓国ばかりではなく、日本の女性の間でも大きな共感を持って迎えられたことが伝わっている。「キム・ジヨンは私だ」という声が止まらない。また、多くの「男性の声を聞きたい」という声も。

    残念ながら、私はジヨンの夫にも、姑にも、祖母にも、母親にも、先生にも、男友達にも、女友達にも、上司にもなれないと思う。そういう経験をしてこなかったからである。「それは、貴方が無意識のうちに差別していたから、気づかなかっただけよ」と言われそうだ。その可能性はあるのかもしれないが、夫にもなれず、女性を部下にも持たなかった私は、ここに書かれているエピソードの一つも思い当たる所がないのは本当である。

    もちろん、日本に女性差別がないとは思わない。社会制度は韓国よりも劣っているところがある。なんとかしないと、少子化は止まらないと思っているけれども、この本の描いていることはそんなことではない。

    私は、01年ぐらいから数えきれないほど韓国を旅してきた。この本を読んでびっくりしたのは、実際に見てきた韓国の女性像と大きく違っていたことだ。この20年間に、たくさんの働く女性を見てきたし、無数の過去と現代の韓国ドラマや韓国映画を観てきた。その印象と、いろんなところで「ズレ」があった。

    ジヨン氏が物心ついたのは、87年に韓国社会が民主化に舵を切った後のことである。実際そこから多くの点で制度面では家父長社会は変容していき、私の渡韓以降の韓国は日本と変わらない雰囲気を持っていた。むしろ、地下鉄の高齢者と妊婦シートへの徹底は、日本は足下にも及ばないほどだったし、バスの妊婦席は日本よりも韓国の地方で初めて見たのである。

    一方、女性と接するのは、主には観光案内所なのだが、女性の優秀さは際立っていて、たまに出てくる男性の能力に大抵失望していた。今思えば、そういうところに優秀な女性が押し込まれていたと見る事もできるだろう。

    市場などの買い物で会う女性(おばちゃん)はいつも強く、面前で大声で夫婦喧嘩を始めるのは、韓国らしい風景のひとつだと思っていた。また、観光以外で話をした女性は、インテリぶっていて、余裕が感じられない事もあった。そういう部分の背景も、この本から汲み取れるのかもしれない。

    だから私は、主には「韓国発見!」という意識で読むしかなかった。私は、本書を読む力が不足しているのだろうか。

    • midnightwakeupperさん
      朝鮮の夫は早く引退して妻が生計を支える事例が多いのは他の文芸作品からも感じます。
      朝鮮の夫は早く引退して妻が生計を支える事例が多いのは他の文芸作品からも感じます。
      2020/04/15
    • kuma0504さん
      コメント返事が遅れてごめんなさい。
      そうなんですね。
      お母ちゃんが強い!というのは、ドラマ・映画でもよく描かれていました。
      それに付け加えて...
      コメント返事が遅れてごめんなさい。
      そうなんですね。
      お母ちゃんが強い!というのは、ドラマ・映画でもよく描かれていました。
      それに付け加えて、今回他から指摘されたのは、
      韓国は上下関係をつけないと気が済まない国民体質らしい。
      歳の上下、上役下役、そして、声の大きさでも、大きい方が強いらしい。
      大声で喧嘩をするのは、そういう背景があったんだ!と目からウロコでした。
      2020/05/22
  • あまりに本屋で平積みになっているので我慢出来ずに購入、読了。

    この物語はなんてことない、どこにでもある、とりたてて語るほどの事もないひとりの女性の人生の、「衝撃的な」物語である。

    82年韓国生まれ、キムジヨン。

    私は87年隣国日本生まれ、同じく女性で子供はいないが既婚で大卒、フルタイムで仕事をしている。

    読みながら、もう、胸が痛くて何度も何度も手を差し伸べたくなった。強烈な共感がそこにはあった。どうしようもなく聳え立つ壁がそこにはあった。

    キムジヨン、抱きしめてあげたくて仕方なかった。

    わかるよ、良くやってるよ、精一杯生きてるよ、やるせないよね、どうしたらいいんだろうね、何をしたらよかったんだろうね、私たち、どうしたらいいんだろうね。

    読みながら、自分の人生が走馬灯のように思い出されて、止まらなくなった。

    教育実習の先生が「就職試験で男性には質問がそれぞれ10分程度あったの、女の私たちは1つか2つ質問があっただけ、負けちゃいけないよ」と教えてくれたこと、関係ない仕事の接待にも私は連れて行かれたこと、タクシーの運転手にいいお尻だねとか言われて知らない道でもすぐさま飛び降りて歩いて帰ること、転職の面接で子供はいつ頃?と神にしか分からない質問をされること、結婚してるのにどうして働くの?と100回は質問されたこと、私が相手より若くて女だというだけで全てに対して無知と思われること、小さい事から大きな事まで、もう、止めどなく、溢れて溢れて止まらなくなった。気付かないフリしてたけど、わたし、全部、すごく嫌だった!

    キムジヨンの物語は、私たちみんなの物語だ。

    キムジヨン、辛かったね。頑張ったね。本当に偉かったね。みんな、辛かったね、頑張ってるね。悪くないよ。あんたたちの頑張りが足りないんじゃないんだよ、能力がないんじゃないんだよ、悪くないんだよ。あんたたちのことが、愛しいよ。

    読み終わって、大きな声で、誰かわからないけど、周りにたくさんいる、私を含めた「キムジヨン」に、そう言いたくなった。

  • 私がフェミニズムに興味を持つきっかけになった本です。

    最初はびっくりしました。キムジヨンがあまりにも不当に扱われるから。韓国では女性がこんな風に扱われるのが普通なのか?と。
    でも読んでいくうちにこれは他人事じゃないと思った。

    大好きな祖母から「会社には可愛くして行きなさい。あなたは職場の花なんだから」と言われたこと。
    「女性は払わなくていいよ。僕は女性には優しいから」と言った上司。
    お茶出しは歳が若い女性の仕事だという、以前勤めていた職場での謎のルール。

    どれも一見些細なことに見える。なんなら優しさだと受け取る人もいるだろう。
    でも今の私はこれはおかしいと思う。

    ただね、苦しいのがどれも相手は悪気がないということ。
    言ってみれば価値観が違うわけだから、どちらが悪いとかではないの。
    祖母の「女の子は綺麗な格好をしていなさい。いい人に出会えるから」という意見は、私は時代錯誤だと思う。でも私にはそれをおかしいと指摘することができない。
    耳も遠く高齢の祖母。彼女に「どうして女性は綺麗な格好をしていなきゃいけないの?」と反論してどうなるだろう。


    伝えることを諦めようとするわりに、こうやって思い出してモヤモヤしてるんだから、困ったものだなと思う。
    単にコミュニケーションが苦手な自分の性格も相まって。


    伝えられないけど、でも自分の考えは持つし、こうやって文章にしてすっきりする。

    私が会社に行くのはお金をもらうためだし、綺麗な格好をするのはそうしてる自分が好きだからだぞ。
    奢ってくれてありがたい。でも出来たら女性だけでなく男性にも優しくしてください。
    お茶、誰が持ってくるかじゃなくて、大切なのはお客様を気遣う気持ちでしょう。


    私は私を幸せにする。女性だからとか歳が若いからとか、自分の特徴で何か不当な扱いをされることには抵抗する。
    言うまでもなく、自分も他人に失礼なことをしないように気をつけます。性別国籍人種その他、いろんなことに対して自分が持ってる偏見、少しずつ取り除いていけたらいいな。

  • この本は、精神科の患者キム・ジョンのカルテとして精神科医が書いた設定になっている
    そのため、情的な文章ではなく、ジョンが誕生してから現在に至るまでの成長の過程で、受けてきた女性としての不合理が淡々と描かれている

    ジョンが受けてきた不合理の数々は、ジョンに限らず、祖母や母オ・ミスクが辿って来た道でもあった

    そして、それは韓国女性のみならず、日本人の私が小さい頃から今に至るまでに感じてきた大なり小なりのいろいろな腹立たしい出来事とも共通している部分が多かった

    子供の頃、あぐらをかいていたら、女のくせにと注意されたこと
    兄は何も言われなかったのに、私は家事の手伝いを言われたこと
    あまり勉強させたら、嫁の貰い手がなくなるという風潮
    結婚すると、早速、「おめでたは?」「まだ?」とあちこちから聞かれ、本当に辛かったこと
    一人目女児を出産をし、幸せな気持ちに浸っていたら、
    「最初は女の子が育てやすくていいよ」
    と、さも慰めるみたいに言われたことなど次々と止めどなく思い出された

    つい先日ニュースで、女性にメガネを禁止している職場があると報道していた
    旅館の仲居さんは着物と合わないとか、営業職では相手にきつい感じを与える、メガネ越しで、素顔を見せないのは失礼云々、
    聞いていて馬鹿馬鹿しくなった
    女性をマネキン化しようとしているとコメンテーターも声を荒げていた

    キム・ジョンが夫に怒りを爆発させる場面がある
    「その『手伝う』っての、ちょっとやめてくれる?家事も手伝う、子育ても手伝う、私が働くのも手伝うって、何よそれ。この家はあなたの家でしよ?あなたの家事でしょ?子どもだってあなたの子じゃないの?それに私が働いたらそのお金は私一人が使うとでも思ってんの?どうして他人に施しをするみたいな言い方をするの?」

    世の結婚している女性が夫に言いたいことはまさしくこれだ
    胸がスーッとした
    こんなにきっぱりと言えたら、どんなにいいだろう

    初めの方は、韓国の昔で、女はただ夫や兄や弟のために働き生きることしか許されなかったのが、30年が経過し、職場や家庭で、女性たちが自分の意見をはっきり主張し、不条理な社会と向き合っている姿が描かれ、清々しい思いがした

    著者はあとがきで
    「日本の方々にとっても、この本が自分をとりまく社会の構造や慣習を振り返り、声を上げるきっかけになってくれれば」
    と言っている
    訳者のあとがきや解説も読みごたえがあり、考える題材を提供してくれていた
    この本を読んだ男性陣の感想もぜひ聞いてみたい






  • この小説、正直あまり響かなかった。

    韓国ってひどいミソジニーの国だなぁ、と。
    すれ違いざまに、さりげなく触ったりとか…、書いてあることがなんだか信じられないことだらけだった。

    女性アイドルが、この本を読んだと言っただけで炎上したらしい。
    「フェミニズム小説を読むなんて失望した」と。

    アイドルがフェミニズム小説(そもそも、定義そのものがよくわからないが…)を読むことの何が悪いのか、よくわからない。
    大丈夫か?韓国、と少し心配になった。

    でも、気づいてないだけで、もしかしたら自分も大して変わらないのかもしれない。
    もしかしたら、女性の生きづらさに気づけていないだけなのかもしれない。
    韓国の心配している場合じゃなく、自らを省みろ!
    と、うちの奥さんには怒られるかもしれない。

    男性は女性を恐れるからこそマウントしたがる。
    韓国社会で、結婚した女性を名前で呼ばないのもその表れだろう。
    ジェンダー問題の難しいところは、社会システムに組み込まれていてなかなか自覚できないことだ。
    感覚を研ぎ澄ます努力が必要だ。

    女と男はとかく難しいんだけどさ。
    敵同士でなく、うまくやっていきたいなぁ、と思いました。

    • たけさん
      naonaonao16gさん、コメントありがとうございます!

      長いのも熱いのも大歓迎です!

      naonaonao16gさんのレビ...
      naonaonao16gさん、コメントありがとうございます!

      長いのも熱いのも大歓迎です!

      naonaonao16gさんのレビュー、すっごい胸に突き刺さったんですよ。
      日本にも女性ならではの生きづらさは、まだまだたくさん存在してますよね。
      でも韓国はレベルがもう一段上ですね。

      オリパラのえらい人の発言は、僕もはなでわらってしました。でも、辞任しないんですね。強いなあ(笑)

      平和なジェンダーの話、していけるといいですね。相手を尊重する心が大切なんでしょうね。今後ともよろしくです!
      2021/02/06
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      こんばんは^^

      いやー、熱くなると感情が出すぎてしまって視野が狭くなって言葉が汚くなったりそれに伴い人を傷つけてしまう...
      たけさん

      こんばんは^^

      いやー、熱くなると感情が出すぎてしまって視野が狭くなって言葉が汚くなったりそれに伴い人を傷つけてしまうこともあるので、本当に気を付けようと思います。
      平和に、とか言いつつ自分がそれをぶっ壊す可能性大なんですよね本当に(笑)

      相手を尊重すること、常に心がけないといけないですね。

      ありがとうございました^^
      こちらこそ、またよろしくお願いします!
      2021/02/07
    • たけさん
      naonaonao16gさん、こんばんは!

      いや、僕は多少平和がぶち壊れても、熱いnaonaonao16gさんが好きですね(笑)
      ついてき...
      naonaonao16gさん、こんばんは!

      いや、僕は多少平和がぶち壊れても、熱いnaonaonao16gさんが好きですね(笑)
      ついてきますんで(笑)よろしく!
      2021/02/07
  • カテゴリーは小説ではなくフェミニズムにした。
    これは強烈なフェミニズム小説であり、韓国社会における過去から現在につながる女性差別の実態を告発したものだから。


    私は日本で生まれ日本で育った。
    日本で結婚し日本で子どもを産み、海外放浪をしていた3年半と育児休暇10ヶ月間を除けば、ずっと仕事も続けている。
    女として、働く者として、妻として母親として、そして未だ家父長制度が随所に残るジェンダー指数が世界でも最低ランクに入る国に生まれた人間として、最初から最後までキム・ジヨン氏に共感しっぱなしだった。


    結婚、出産、子育てと退職。
    多くの(今ではほとんどであろう)女性が直面するモンダイと内面の葛藤。

    キム・ジヨン氏が子どものために退職する場面では涙が出た。p.137あたりは仕事を持つ全女性に読んでほしい。


    “高給でもないし、世間にむかって大声で主張できることがあるわけでもないし、目に見え、手で触れるものを作り出す仕事でもなかったけれど、何よりキム・ジヨン氏にとっては楽しい仕事だった”

    “だが、それらの全てが終わりになったのである”


    …ああ、もうね。心臓がつぶれそう。
    保育園かシッターに預けて働けばいいじゃない?
    そう思う人も多そうだからあえて言うが、日本の待機児童の数をご存知か?
    子どもがどれだけすぐ熱を出したり、こちらの思うように食べたり寝たりは決してしない生き物なのかはご存知?
    そして子どもの親はもう一人いるはずなのに、なぜか育児の前面には出てこない。
    夫は子どもができても退職を迫られたりしないし、仕事を失った閉塞感を感じることもない。
    彼のキャリアや生活は、子どもが出来たくらいでリセットされることはないのだ。

    それに比べて女性はどうだ。
    結婚→出産→育児→介護
    人生の中で、女は何度もリセットする。
    今までのキャリアも、友人関係も、趣味活動も、自分へのケアも。


    ラストの伊東順子さんの解説を読んでなるほどと思ったことがある。
    この小説の中では、それぞれの女性がフルネームで登場する。キム・ジヨンをはじめ、母親のオ・ミスク、祖母のコ・スンブンなど。
    それに対し、夫のチョン・デヒョン以外の男性には親族名称のみで名前がないという。
    本当だ!気づかなかった。

    現実の世界はこれが男女逆である。
    結婚すれば女は奥さんになり、子どもができればお母さんになる。彼女の名前など誰も気にしないのだから。
    (選択的夫婦別姓制度が必要だということがこれだけでもわかりますね)

    「男たちに名前など必要ないーー強烈なミラーリングである」
    わあお!すごい!


    この本を読んだ方、ぜひ映画もオススメします。
    キム・ジヨン氏のその後も描かれているので。

  • ”女性差別” を描いた作品は 世界中どこにでもあるのではないか?と推測するが この キム・ジヨン氏は 特に日本女性にとって共感しやすいものではないだろうか?
    その理由は言うまでもなく儒教思想の影響。
    家を守るため男性をたて男児を優先する文化の影響下にあるからだろう。

    だから女性達はできうる限り我慢する。
    Me を口にするのは 家族を守ってからなのだ。
    このあたりが、自己判断で No!を言える社会との違いで、強く共感する部分なんだろうな ........

    キム・ジヨン氏の母 オ・ミスク氏の話は明治の女のようだ。学校には行かせてもらえず、ひたすら家のために尽くす。
    それどころか男を産むまで肩身がせまいという。
    胸が詰まる思いがする。
    だが、なんとタフなのでしょうか! 
    家を守る ということは決して容易いことではない、それをやり抜く強さと賢さが鮮やかに書き出されている。

    そして彼女は 娘達にちゃんと教育を受けさせるのだ。
    母のような思いは味あわせないぞと。

    キム・ジヨン氏は社会に出てから強烈な逆風に煽られる。
    女性であるがゆえに。
    仕事は楽しかったが子供を身ごもって退職する。育児に振り回される日に元同僚が遊びに来るくだりがいい。
    ここはホロっとしたな。
    専業母の何が大変かって孤独なことだよね..........
    だが元同僚が話す職場の事件がとんでもない!
    うっかり本を投げつけたくなるくらい酷い。

    さて、お話は、キム・ジヨン氏が我慢を重ねた結果、不調に陥り精神科を受診するというくだりで冒頭に戻る。

    この作品は巻末のいくつもの解説を含めて一層理解が深まるようになっている。
    強く共感を覚える韓国女性の話だが、その際立った特徴もまとめてある。

    面白いのは韓国男性のもつ不公平感のくだり。
    兵役とそれに伴う2年のギャップ。
    それが不公平感の源泉ではないかと。

    考えてみれば、儒教文化の影響で No を言いづらいのは女ばかりではない。
    格下の男達も また押し黙って我慢をしているのだ。
    この社会に於いては 男達のホンネ物語も語られなければならないのではないだろうか。

  • 自分のようなアラフォー既婚男性にとって、これほど感想を言いにくい本はないが、試しに書いてみよう。

    韓国の現代史にキム・ジヨン氏の人生を重ね、そこで彼女が女性であるがゆえに受けた抑圧を描いている。社会構造や人生のステージが変わっても、様々な形で抑圧が残っていることが、ジヨン氏の辛い経験を通して繰り返し描写される。

    出てくるエピソードがことごとく理不尽で、読み進めるのが辛かった。キム・ジヨン氏が平凡でけなげな女性で、文体も抑えた筆致であることが、理不尽さを際だたせている。特に子どもの頃のキム・ジヨン氏の家庭での扱い(=旧い世代からの抑圧)が酷い。あれは、精神的な虐待だよね。

    前半を読んで「前近代的な話もあったもんだなあ……」と思い、すでに本著を読んだ同世代の女性数名にその感想を伝えたら、口々に「私も子どものころ、同じような経験はあるよ。日本でも良くあること」と自身のエピソードを話してくれた。自分と同世代の日本の女性がここに描かれているような理不尽な抑圧を受けていて、それを自分がまったく知らなかったことがとてもショックだった。

    難をいうなら、「あるある」エピソードの羅列のように読めなくもない。キム・ジヨン氏をああいう「症状」にしたことについて、狙いはわかるが掘り下げが浅い。ただ、そう感じること自体が、ぼくが男性であり、女性の生きづらさを無意識レベルで理解していないからなんだろうなあとも思う。

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著者プロフィール

1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』(民音社)で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』(タサンチェッパン)、2019年『サハマンション』(民音社)、2020年『ミカンの味』(文学トンネ)、2021年『오기――チョ・ナムジュ新作短編集』(民音社)刊行。
日本語版→『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳、2018年筑摩書房)、『彼女の名前は』(小山内園子、すんみ訳、2020年筑摩書房)、『ミカンの味』(矢島暁子訳、2021年朝日新聞出版)刊行。『오기――チョ・ナムジュ新作短編集』は小山内園子、すんみ訳で2022年筑摩書房刊行予定。

「2021年 『サハマンション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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