82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

  • 筑摩書房
3.93
  • (407)
  • (572)
  • (323)
  • (57)
  • (21)
本棚登録 : 6866
レビュー : 682
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480832115

作品紹介・あらすじ

8/25 NHKで紹介されて大反響。
韓国で100万部のベストセラー! 映画化決定!! 
教育や仕事、育児など女性が人生で出会う困難、差別を描き、
絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作。
解説 伊東順子

「女性たちの絶望が詰まったこの本は、
未来に向かうための希望の書」――松田青子

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 申し込んでかっちり1年で読むことが出来た。その間に、韓国ばかりではなく、日本の女性の間でも大きな共感を持って迎えられたことが伝わっている。「キム・ジヨンは私だ」という声が止まらない。また、多くの「男性の声を聞きたい」という声も。

    残念ながら、私はジヨンの夫にも、姑にも、祖母にも、母親にも、先生にも、男友達にも、女友達にも、上司にもなれないと思う。そういう経験をしてこなかったからである。「それは、貴方が無意識のうちに差別していたから、気づかなかっただけよ」と言われそうだ。その可能性はあるのかもしれないが、夫にもなれず、女性を部下にも持たなかった私は、ここに書かれているエピソードの一つも思い当たる所がないのは本当である。

    もちろん、日本に女性差別がないとは思わない。社会制度は韓国よりも劣っているところがある。なんとかしないと、少子化は止まらないと思っているけれども、この本の描いていることはそんなことではない。

    私は、01年ぐらいから数えきれないほど韓国を旅してきた。この本を読んでびっくりしたのは、実際に見てきた韓国の女性像と大きく違っていたことだ。この20年間に、たくさんの働く女性を見てきたし、無数の過去と現代の韓国ドラマや韓国映画を観てきた。その印象と、いろんなところで「ズレ」があった。

    ジヨン氏が物心ついたのは、87年に韓国社会が民主化に舵を切った後のことである。実際そこから多くの点で制度面では家父長社会は変容していき、私の渡韓以降の韓国は日本と変わらない雰囲気を持っていた。むしろ、地下鉄の高齢者と妊婦シートへの徹底は、日本は足下にも及ばないほどだったし、バスの妊婦席は日本よりも韓国の地方で初めて見たのである。

    一方、女性と接するのは、主には観光案内所なのだが、女性の優秀さは際立っていて、たまに出てくる男性の能力に大抵失望していた。今思えば、そういうところに優秀な女性が押し込まれていたと見る事もできるだろう。

    市場などの買い物で会う女性(おばちゃん)はいつも強く、面前で大声で夫婦喧嘩を始めるのは、韓国らしい風景のひとつだと思っていた。また、観光以外で話をした女性は、インテリぶっていて、余裕が感じられない事もあった。そういう部分の背景も、この本から汲み取れるのかもしれない。

    だから私は、主には「韓国発見!」という意識で読むしかなかった。私は、本書を読む力が不足しているのだろうか。

    • midnightwakeupperさん
      朝鮮の夫は早く引退して妻が生計を支える事例が多いのは他の文芸作品からも感じます。
      朝鮮の夫は早く引退して妻が生計を支える事例が多いのは他の文芸作品からも感じます。
      2020/04/15
    • kuma0504さん
      コメント返事が遅れてごめんなさい。
      そうなんですね。
      お母ちゃんが強い!というのは、ドラマ・映画でもよく描かれていました。
      それに付け加えて...
      コメント返事が遅れてごめんなさい。
      そうなんですね。
      お母ちゃんが強い!というのは、ドラマ・映画でもよく描かれていました。
      それに付け加えて、今回他から指摘されたのは、
      韓国は上下関係をつけないと気が済まない国民体質らしい。
      歳の上下、上役下役、そして、声の大きさでも、大きい方が強いらしい。
      大声で喧嘩をするのは、そういう背景があったんだ!と目からウロコでした。
      2020/05/22
  • あまりに本屋で平積みになっているので我慢出来ずに購入、読了。

    この物語はなんてことない、どこにでもある、とりたてて語るほどの事もないひとりの女性の人生の、「衝撃的な」物語である。

    82年韓国生まれ、キムジヨン。

    私は87年隣国日本生まれ、同じく女性で子供はいないが既婚で大卒、フルタイムで仕事をしている。

    読みながら、もう、胸が痛くて何度も何度も手を差し伸べたくなった。強烈な共感がそこにはあった。どうしようもなく聳え立つ壁がそこにはあった。

    キムジヨン、抱きしめてあげたくて仕方なかった。

    わかるよ、良くやってるよ、精一杯生きてるよ、やるせないよね、どうしたらいいんだろうね、何をしたらよかったんだろうね、私たち、どうしたらいいんだろうね。

    読みながら、自分の人生が走馬灯のように思い出されて、止まらなくなった。

    教育実習の先生が「就職試験で男性には質問がそれぞれ10分程度あったの、女の私たちは1つか2つ質問があっただけ、負けちゃいけないよ」と教えてくれたこと、関係ない仕事の接待にも私は連れて行かれたこと、タクシーの運転手にいいお尻だねとか言われて知らない道でもすぐさま飛び降りて歩いて帰ること、転職の面接で子供はいつ頃?と神にしか分からない質問をされること、結婚してるのにどうして働くの?と100回は質問されたこと、私が相手より若くて女だというだけで全てに対して無知と思われること、小さい事から大きな事まで、もう、止めどなく、溢れて溢れて止まらなくなった。気付かないフリしてたけど、わたし、全部、すごく嫌だった!

    キムジヨンの物語は、私たちみんなの物語だ。

    キムジヨン、辛かったね。頑張ったね。本当に偉かったね。みんな、辛かったね、頑張ってるね。悪くないよ。あんたたちの頑張りが足りないんじゃないんだよ、能力がないんじゃないんだよ、悪くないんだよ。あんたたちのことが、愛しいよ。

    読み終わって、大きな声で、誰かわからないけど、周りにたくさんいる、私を含めた「キムジヨン」に、そう言いたくなった。

  • 私がフェミニズムに興味を持つきっかけになった本です。

    最初はびっくりしました。キムジヨンがあまりにも不当に扱われるから。韓国では女性がこんな風に扱われるのが普通なのか?と。
    でも読んでいくうちにこれは他人事じゃないと思った。

    大好きな祖母から「会社には可愛くして行きなさい。あなたは職場の花なんだから」と言われたこと。
    「女性は払わなくていいよ。僕は女性には優しいから」と言った上司。
    お茶出しは歳が若い女性の仕事だという、以前勤めていた職場での謎のルール。

    どれも一見些細なことに見える。なんなら優しさだと受け取る人もいるだろう。
    でも今の私はこれはおかしいと思う。

    ただね、苦しいのがどれも相手は悪気がないということ。
    言ってみれば価値観が違うわけだから、どちらが悪いとかではないの。
    祖母の「女の子は綺麗な格好をしていなさい。いい人に出会えるから」という意見は、私は時代錯誤だと思う。でも私にはそれをおかしいと指摘することができない。
    耳も遠く高齢の祖母。彼女に「どうして女性は綺麗な格好をしていなきゃいけないの?」と反論してどうなるだろう。


    伝えることを諦めようとするわりに、こうやって思い出してモヤモヤしてるんだから、困ったものだなと思う。
    単にコミュニケーションが苦手な自分の性格も相まって。


    伝えられないけど、でも自分の考えは持つし、こうやって文章にしてすっきりする。

    私が会社に行くのはお金をもらうためだし、綺麗な格好をするのはそうしてる自分が好きだからだぞ。
    奢ってくれてありがたい。でも出来たら女性だけでなく男性にも優しくしてください。
    お茶、誰が持ってくるかじゃなくて、大切なのはお客様を気遣う気持ちでしょう。


    私は私を幸せにする。女性だからとか歳が若いからとか、自分の特徴で何か不当な扱いをされることには抵抗する。
    言うまでもなく、自分も他人に失礼なことをしないように気をつけます。性別国籍人種その他、いろんなことに対して自分が持ってる偏見、少しずつ取り除いていけたらいいな。

  • この本は、精神科の患者キム・ジョンのカルテとして精神科医が書いた設定になっている
    そのため、情的な文章ではなく、ジョンが誕生してから現在に至るまでの成長の過程で、受けてきた女性としての不合理が淡々と描かれている

    ジョンが受けてきた不合理の数々は、ジョンに限らず、祖母や母オ・ミスクが辿って来た道でもあった

    そして、それは韓国女性のみならず、日本人の私が小さい頃から今に至るまでに感じてきた大なり小なりのいろいろな腹立たしい出来事とも共通している部分が多かった

    子供の頃、あぐらをかいていたら、女のくせにと注意されたこと
    兄は何も言われなかったのに、私は家事の手伝いを言われたこと
    あまり勉強させたら、嫁の貰い手がなくなるという風潮
    結婚すると、早速、「おめでたは?」「まだ?」とあちこちから聞かれ、本当に辛かったこと
    一人目女児を出産をし、幸せな気持ちに浸っていたら、
    「最初は女の子が育てやすくていいよ」
    と、さも慰めるみたいに言われたことなど次々と止めどなく思い出された

    つい先日ニュースで、女性にメガネを禁止している職場があると報道していた
    旅館の仲居さんは着物と合わないとか、営業職では相手にきつい感じを与える、メガネ越しで、素顔を見せないのは失礼云々、
    聞いていて馬鹿馬鹿しくなった
    女性をマネキン化しようとしているとコメンテーターも声を荒げていた

    キム・ジョンが夫に怒りを爆発させる場面がある
    「その『手伝う』っての、ちょっとやめてくれる?家事も手伝う、子育ても手伝う、私が働くのも手伝うって、何よそれ。この家はあなたの家でしよ?あなたの家事でしょ?子どもだってあなたの子じゃないの?それに私が働いたらそのお金は私一人が使うとでも思ってんの?どうして他人に施しをするみたいな言い方をするの?」

    世の結婚している女性が夫に言いたいことはまさしくこれだ
    胸がスーッとした
    こんなにきっぱりと言えたら、どんなにいいだろう

    初めの方は、韓国の昔で、女はただ夫や兄や弟のために働き生きることしか許されなかったのが、30年が経過し、職場や家庭で、女性たちが自分の意見をはっきり主張し、不条理な社会と向き合っている姿が描かれ、清々しい思いがした

    著者はあとがきで
    「日本の方々にとっても、この本が自分をとりまく社会の構造や慣習を振り返り、声を上げるきっかけになってくれれば」
    と言っている
    訳者のあとがきや解説も読みごたえがあり、考える題材を提供してくれていた
    この本を読んだ男性陣の感想もぜひ聞いてみたい






  • ”女性差別” を描いた作品は 世界中どこにでもあるのではないか?と推測するが この キム・ジヨン氏は 特に日本女性にとって共感しやすいものではないだろうか?
    その理由は言うまでもなく儒教思想の影響。
    家を守るため男性をたて男児を優先する文化の影響下にあるからだろう。

    だから女性達はできうる限り我慢する。
    Me を口にするのは 家族を守ってからなのだ。
    このあたりが、自己判断で No!を言える社会との違いで、強く共感する部分なんだろうな ........

    キム・ジヨン氏の母 オ・ミスク氏の話は明治の女のようだ。学校には行かせてもらえず、ひたすら家のために尽くす。
    それどころか男を産むまで肩身がせまいという。
    胸が詰まる思いがする。
    だが、なんとタフなのでしょうか! 
    家を守る ということは決して容易いことではない、それをやり抜く強さと賢さが鮮やかに書き出されている。

    そして彼女は 娘達にちゃんと教育を受けさせるのだ。
    母のような思いは味あわせないぞと。

    キム・ジヨン氏は社会に出てから強烈な逆風に煽られる。
    女性であるがゆえに。
    仕事は楽しかったが子供を身ごもって退職する。育児に振り回される日に元同僚が遊びに来るくだりがいい。
    ここはホロっとしたな。
    専業母の何が大変かって孤独なことだよね..........
    だが元同僚が話す職場の事件がとんでもない!
    うっかり本を投げつけたくなるくらい酷い。

    さて、お話は、キム・ジヨン氏が我慢を重ねた結果、不調に陥り精神科を受診するというくだりで冒頭に戻る。

    この作品は巻末のいくつもの解説を含めて一層理解が深まるようになっている。
    強く共感を覚える韓国女性の話だが、その際立った特徴もまとめてある。

    面白いのは韓国男性のもつ不公平感のくだり。
    兵役とそれに伴う2年のギャップ。
    それが不公平感の源泉ではないかと。

    考えてみれば、儒教文化の影響で No を言いづらいのは女ばかりではない。
    格下の男達も また押し黙って我慢をしているのだ。
    この社会に於いては 男達のホンネ物語も語られなければならないのではないだろうか。

  • 自分のようなアラフォー既婚男性にとって、これほど感想を言いにくい本はないが、試しに書いてみよう。

    韓国の現代史にキム・ジヨン氏の人生を重ね、そこで彼女が女性であるがゆえに受けた抑圧を描いている。社会構造や人生のステージが変わっても、様々な形で抑圧が残っていることが、ジヨン氏の辛い経験を通して繰り返し描写される。

    出てくるエピソードがことごとく理不尽で、読み進めるのが辛かった。キム・ジヨン氏が平凡でけなげな女性で、文体も抑えた筆致であることが、理不尽さを際だたせている。特に子どもの頃のキム・ジヨン氏の家庭での扱い(=旧い世代からの抑圧)が酷い。あれは、精神的な虐待だよね。

    前半を読んで「前近代的な話もあったもんだなあ……」と思い、すでに本著を読んだ同世代の女性数名にその感想を伝えたら、口々に「私も子どものころ、同じような経験はあるよ。日本でも良くあること」と自身のエピソードを話してくれた。自分と同世代の日本の女性がここに描かれているような理不尽な抑圧を受けていて、それを自分がまったく知らなかったことがとてもショックだった。

    難をいうなら、「あるある」エピソードの羅列のように読めなくもない。キム・ジヨン氏をああいう「症状」にしたことについて、狙いはわかるが掘り下げが浅い。ただ、そう感じること自体が、ぼくが男性であり、女性の生きづらさを無意識レベルで理解していないからなんだろうなあとも思う。

  • ミステリーかサイコサスペンスと勘違いして読んでいました。(ふざけて言っているわけではありません)
    巻末の伊東順子さんの解説を読んでどういう話で、なぜ韓国でベストセラーになったのか理解できました。
    でも、伊東さんが、殺伐とした東京の地下鉄に比べれば、まだソウルの方が人情がある。と語ってらっしゃるのはショックでした。

    でも、そういえばと思い出したのが自分の経験です。
    20代の頃ですが、東京のとある中小企業に中途採用で勤めていました。「明るく家庭的」というキャッチコピーの会社でした。
    そこで私はなんと、女性の同僚や上司からセクハラを受けました。
    (女性からの場合セクハラとはいわないのでしょうか)思い切って一人で、やんわりと抗議したところ、その場はまるく収まったのですが、その晩遅く、直接の上司だった社長の奥様から他の社員にはわからないように自宅に電話がかかってきて、言いたい放題暴言を言われ、逆に会社を解雇されました。
    後から思えば、そういう職場に長くしがみつかなかったのはよかったと思いましたが、やっぱり、神経がおかしくなり、通勤に使っていた電車に怖くて一人で乗れなくなり、しばらく療養していました。
    この小説は、私にとっても、他人事ではなく、私もある意味、キム・ジヨンであったのだと思いいたりました。

    • まことさん
      ご丁寧にご説明いただきありがとうございます。
      コンプライアンスという言葉は知らなかったのですが、父が存命中に、そのような話をしていたような...
      ご丁寧にご説明いただきありがとうございます。
      コンプライアンスという言葉は知らなかったのですが、父が存命中に、そのような話をしていたような覚えがあるような気がします。
      韓国の同僚の方のお話は、大変、興味深かったです。
      私も、娯楽作品ばかりでなく、少し時事問題の勉強もしたほうがいいと感じました。何から読んだらいいか考えてみるのも楽しいかもしれないと思いました。
      2019/05/22
    • kanegon69 さん
      時事問題は、私は池上彰さんが好きですね。やっぱ分かりやすい^_^
      時事問題は、私は池上彰さんが好きですね。やっぱ分かりやすい^_^
      2019/05/22
    • まことさん
      わかりやすいのはいいですね!
      私も読んでみようかな(^^♪
      わかりやすいのはいいですね!
      私も読んでみようかな(^^♪
      2019/05/23
  • 韓国における女性差別のお話。

    うーん、読んでいる途中も読み終わってからも、なんとも言えない気持ちがくすぶっています。それは結局、世界中の女性差別が21世紀の今でも尚、簡単には解決できないということの表れなんだと思います。
    題名の「82年生まれ」はとても大きな意味を持つ。そんなつい最近でも、韓国では男児が生まれることを望まれ、女児と分かった時点で中絶するのがよくあったことだという。え?韓国ってまだそんな文化があるの?と思いながら読み進めていくと、いやいや、これは韓国の話ではない、日本でも同じ思いをしている「キム・ジヨン」は沢山いる!これはお隣の国の話なんかじゃない!と思えてくる。それどころか世界中のあらゆる女性がぶつかる問題。やはり、出産・育児で女性の生活はガラリと変わってしまう。これは、家族で、社会でこれからもたくさん話し合っていかなければならない問題なんだと思う。
    でも、この本の中で一番モヤモヤしたところは、年長者の「昔はもっと大変だったんだ、このくらいで文句を言うんじゃない」という意味の発言。この考えをなくさない限り、世の中は変わっていかないと思う。
    巻末の解説で、この本の中にはキム・ジヨンの夫以外の男性の名前がないことの意味が書かれている。そこだけはスカッとしました。

  • 男性の方数名に、“おもしろかったよ”と勧められた一冊。

    ほう、男性はこれを“おもしろかった”と捉えるのか…。
    興味深い、の意味だったとしてもその言葉は使わない。読んでいると、辛い。実体験を思い出して吐きそうになるのだから。

    決して隣の国だけのことではなくて、日本、アメリカ、世界中の問題。そして日本は韓国にあっという間においていかれていることを認識しなければならない。韓国の○○女、というのと、日本の○○女子、○○ガールは、なんにも変わらないからね。それをこぞってメディアが使っていくのだからね。卑猥な言葉を言わせたり、恥ずかしがったりするのを楽しんでいる国だからね。しかもそれを問題として感じてすらいないのだから。

    映画化も、日本版も、ドラマ版も、どんどんやってほしい。なにより女性に、意識をしてほしい。

  • これは小説というよりも、朝鮮戦争後あたりからの、韓国人女性が置かれていた状況を如実に表したドキュメントであり、#Me tooムーブメントにも大きく影響した作品である。

    今、社会の枠組みの中に収まっている人には今ひとつピンとこないかもしれないが、結婚、出産、育児と一つ一つ社会との関わりを手放し、枠組みから外れていってしまった人間には痛いほどの共感を与える本だと思う。
    キム・ジヨンは元の精神状態に戻れるのだろうか。最後の医師の言葉が、一筋縄ではいかないこの問題の根の深さを語っているようだ。

    ただ一つセクハラ発言という物に対して、本書とは関係ないが、先日少し疑問に感じた事がある。
    それはTBSドラマ「凪のお暇」の番宣か何かの中だったと思うが、女性スタッフが俳優の高橋一生さんの衣装を、「あえて体のラインが出るスーツばかりにしている」と発言した事だ。それは、女性スタッフ達が求めているから…というような理由で、高橋一生さんも苦笑いしていたが、これが女優さんに対する発言だったら問題になるだろう。老若男女問わず、立場が変わればどういう受け止められ方をするのか?という事を人として常に心に留めなければならないと自戒を含めて感じた。2019.9.25

全682件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年ソウル生まれ。2011年に作家デビュー。17年『82年生まれ、キム・ジヨン』で今日の作家賞を受賞。同書は韓国で100万部を、日本語版が15万部を超えるベストセラーとなった。

「2020年 『小説版 韓国・フェミニズム・日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

チョ・ナムジュの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
レティシア コロ...
平野啓一郎
ジャッキー・フレ...
伊坂 幸太郎
塩田 武士
川上未映子
砥上 裕將
村田 沙耶香
恩田 陸
ソン・ウォンピョ...
有効な右矢印 無効な右矢印

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×