忘却の整理学

著者 :
  • 筑摩書房
3.41
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本棚登録 : 572
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480842909

作品紹介・あらすじ

頭を働かせるにはまず忘れること。情報・知識でメタボになった頭脳を整理し、創造・思考の手助けをするのは忘却なのだから。『思考の整理学』の続編。

感想・レビュー・書評

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  • 一日を過ごすと大小のゴミが頭の中に散乱し、いわゆるエスや自我みたいなものにとらわれるということで、瞑想に近いものを感じる。昔は忘れっぽいことを悪いことだと感じていたけど、最近自分の中では、同じ本や類書を繰り返し読むと地ならしされて、だんだんつながっていく感覚がある。本書に戻ると、これがすごいのは、短いエッセイの数々はテーマ、結論が同じであり、エピソードは全然覚えなくていい。つまり、忘却してよいものであり「忘れていい」実感を伴った練習ができることにある。

  • 学校教育において試験とは、往々にして記憶力のチェックである。
    記憶力が悪い→点数が悪い→頭が悪い
    とされ、悪者のレッテルを貼られてきた「忘却」を
    もっとポジティブに捉え直してみようという本。

    例えば本の読み方。
    「短編と長編・大作では読後感に大きな違いがあるが、それは忘却力の差に根ざしている。
     短編は読み始めの部分の記憶が生々しいうちに終末を迎え、読者の受ける印象は絵画的だ。
     一方、長編は後半になると初めの方のことが、
     時間のスクリーンを隔ててかすかに響いてきて、その重層的印象は音楽的である。
     記憶と忘却の交錯したところで心象のメロディーが生まれ、
     作品は強い感銘を与える事ができると思われる」
    また、
    「古い友人との付き合いが味わい深いのは、
     忘却によって余計な事は美化されているからだ。
     忘却のかなたにあるものは、おしなべて哀切で美しい」などなど。

    ふーん、なるほど。一理ある。
    長編を読んだ後の、なんとも形容しがたいしみじみした読後感には、
    忘却の作用も働いていたのか。
    なかなか面白いアンチテーゼだった。

     
     

  • 今まで記憶すること覚えることを優先してきた。 書いて覚える、読んで覚える。 途方もない時間を使い、覚えることに専念してきた。 忘れるやつは能力の低いやつとの認識があり、常に疎んじてきた。 それがこの本では一巡され、忘却の必要性を重要視している。 まず、忘れ空いた余白に必要な記憶を残していく。 空ける箇所が多ければ、必要な記憶領域も多くなり、より優秀と言うわけだ。 アンチテーゼである。

  • 「忘れてしまうこと」は、悪いことじゃない。むしろ、新しいことを考えるには、忘れることが必要。

    なにかをインプットしたあと、その大部分を忘れた後でそれでも忘れきれないことがエッセンスであり、そこからオリジナルの思考に結びつく。

    テクノロジーが進歩し続ける時代にあって、記憶することに頭を使うより、思考のプロセスに重きをおく、それてわいいんだと思う。
    記憶力がない自分をもっと肯定してあげよう。

  • ベストセラー『思考の整理学』の著者による、忘却擁護論。
    記憶することが良いことだともてはやされ、忘却は悪者にされているが、果たしてそれは本当なのだろうか、という問題提起から始まる。
    そして、記憶と忘却は車輪の両輪、陽と陰であるという説明が展開される。
    気楽に読めるエッセイではあるが、著者の見識の高さに唸らされる。

  • 忘れることが思考することには必要、と説く本。書いたもの、考えたことを寝かせる(一度忘れる)ことや、寝て頭を整理してから思考することの有用性など。

  • 10.10.11
    ブックフェアで購入

  • 忘却を欠陥として考えるのではなく、肯定する。
    知と忘は表裏一体なのではないか。

    朝、かんがえ
    ひるは、はたらき
    夕がたに食し
    夜は眠れ
    ウィリアム・ブレイク イギリスの詩人

    忘却にさらすことで、命ある知識になる。
    忘却には大いなる価値があることを認識した。
    頭の中の自然な取捨選択に任せることもいいようだ。
    しかし一方で脳には未知の力があるとも私は思っている。

  • 思考の整理学の続編。
    忘却という要素が非常に重要であること。
    情報の入力のしっぱなしがダメなこと「入れたら出す」
    原稿なり学会発表なりちょっとの時間「寝かす」作業って凄く大事だと思う。

    「田舎の学問より京の昼寝」というコトバが妙に印象に残った。人間はやはり環境が大事ということかな。


    時間が経って忘却したらもう一回読もう。

  • 図書館

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2019年 『やわらかく、考える。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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