忘却の整理学

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480842909

感想・レビュー・書評

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  • ヘミングウェイの話が印象的。
    全編内容としては想定よりも主観な印象。

  • 忘却に関するエッセイ集。

    思考と知識はトレードオフの関係にあり、知識の部分をスマートにすることによってより思考の深さを上げられる。

    ただ、忘却はあくまでも知識を身に着けたうえでの忘却であり、無知ではない。完全忘却ではなく、必要な時にトリガーとなって思考の手助けをするための忘却、といえるだろう。

  • 思ってたのと違った

  • 頭の中にこびりついた澱のような、、日々摂取する情報量が多くてうんざりしていた。
    この本を読んで、それは仕方ないのだと思った。ただ睡眠によって毎日脳みそは整理されているらしい。

  • 忘れることが思考することには必要、と説く本。書いたもの、考えたことを寝かせる(一度忘れる)ことや、寝て頭を整理してから思考することの有用性など。

  • 2009年12月10日 初版

    忘却が持つ意味を見つめ直す。

    何でもコンピューターが覚えてくれている時代からこそ「忘却」にもっとスポットライトがあってもよいのではないか、という視点から、その重要性を考え直すという一冊。

    要点を一行にまとめれば、

    まず忘れ、そこから思考しなさい

    ということになるだろう。

  • 記憶の反対にある忘却は、本来、人間の知的活動において必要な機能として備わっているという視点で、それをどう活用すべきか、どう向き合うべきかという事を語っている。物忘れについての、半ば自虐的なエッセイなのかとおもいきや、そうではなく真面目に、忘れるという事についての意味を考えている。睡眠を経て、余計なものが削ぎ落とされることで思考の洗練度が高まるということであるが、確かにそのとおりかもしれない。

  • なかなかおもしろい

  • 学校教育において試験とは、往々にして記憶力のチェックである。
    記憶力が悪い→点数が悪い→頭が悪い
    とされ、悪者のレッテルを貼られてきた「忘却」を
    もっとポジティブに捉え直してみようという本。

    例えば本の読み方。
    「短編と長編・大作では読後感に大きな違いがあるが、それは忘却力の差に根ざしている。
     短編は読み始めの部分の記憶が生々しいうちに終末を迎え、読者の受ける印象は絵画的だ。
     一方、長編は後半になると初めの方のことが、
     時間のスクリーンを隔ててかすかに響いてきて、その重層的印象は音楽的である。
     記憶と忘却の交錯したところで心象のメロディーが生まれ、
     作品は強い感銘を与える事ができると思われる」
    また、
    「古い友人との付き合いが味わい深いのは、
     忘却によって余計な事は美化されているからだ。
     忘却のかなたにあるものは、おしなべて哀切で美しい」などなど。

    ふーん、なるほど。一理ある。
    長編を読んだ後の、なんとも形容しがたいしみじみした読後感には、
    忘却の作用も働いていたのか。
    なかなか面白いアンチテーゼだった。

     
     

  • 知識メタボリックだと分かって焦った

著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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