忘却の整理学

著者 :
  • 筑摩書房
3.43
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感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480842909

感想・レビュー・書評

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  • 勉強で記憶することに執着する一方で、仕事では次に活かせる部分は記憶しつつ、不要な部分を忘却することで「切り替え」をする必要がある。記憶は自覚的だが忘却は自然的に起こるため、次に活かす部分を整理してシンプルに記憶するよう意識することで、他の不要な部分を忘却する必要がある。

  • 「忘れる」ことは、神様がくれた素敵な能力だ
    ってチコちゃんも言ってたな。

  • f.2020/5/6
    P.2009/12/14

  • ベストセラー『思考の整理学』の著者による、忘却擁護論。
    記憶することが良いことだともてはやされ、忘却は悪者にされているが、果たしてそれは本当なのだろうか、という問題提起から始まる。
    そして、記憶と忘却は車輪の両輪、陽と陰であるという説明が展開される。
    気楽に読めるエッセイではあるが、著者の見識の高さに唸らされる。

  • 忘却を欠陥として考えるのではなく、肯定する。
    知と忘は表裏一体なのではないか。

    朝、かんがえ
    ひるは、はたらき
    夕がたに食し
    夜は眠れ
    ウィリアム・ブレイク イギリスの詩人

    忘却にさらすことで、命ある知識になる。
    忘却には大いなる価値があることを認識した。
    頭の中の自然な取捨選択に任せることもいいようだ。
    しかし一方で脳には未知の力があるとも私は思っている。

  • 記憶ではなく、忘却に話題を当てなるほどな〜と思った一冊である。頭を整理して休み休み記憶することが大切。よく遊び、よく学べと言うことである。

  • 一日を過ごすと大小のゴミが頭の中に散乱し、いわゆるエスや自我みたいなものにとらわれるということで、瞑想に近いものを感じる。昔は忘れっぽいことを悪いことだと感じていたけど、最近自分の中では、同じ本や類書を繰り返し読むと地ならしされて、だんだんつながっていく感覚がある。本書に戻ると、これがすごいのは、短いエッセイの数々はテーマ、結論が同じであり、エピソードは全然覚えなくていい。つまり、忘却してよいものであり「忘れていい」実感を伴った練習ができることにある。

  • 「時間をかける、つまり忘却の網をくぐらせることによって、美しいものが生まれる。忘却は美化の原理である。」
    この一文だけで、本著の値打ちは決まった。

  • 今まで記憶すること覚えることを優先してきた。 書いて覚える、読んで覚える。 途方もない時間を使い、覚えることに専念してきた。 忘れるやつは能力の低いやつとの認識があり、常に疎んじてきた。 それがこの本では一巡され、忘却の必要性を重要視している。 まず、忘れ空いた余白に必要な記憶を残していく。 空ける箇所が多ければ、必要な記憶領域も多くなり、より優秀と言うわけだ。 アンチテーゼである。


  • 忘却とは
    選択的記憶と選択的忘却
    忘却は内助の功
    記憶の変化・変貌
    入れたら出す
    知的メタボリック症候群
    思考力のリハビリ
    記憶と忘却で編集される過去
    ハイブリッド思考


    空腹時の頭はフル回転
    思考に最適──三上・三中
    感情のガス抜き
    風を入れる
    カタルシスは忘却
    スクリーニングが個性を作る
    継続の危険性
    解釈の味方


    よく遊びよく学べ
    一夜漬けの功罪
    メモはしないほうが良い
    思い出はみな美しい
    ひとつでは多すぎる
    “絶対五感”という三つ子の魂
    無敵は大敵
    頭の働きを良くする

著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『ワイド新版 思考の整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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