日本人は何を捨ててきたのか: 思想家・鶴見俊輔の肉声

  • 筑摩書房
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480857972

感想・レビュー・書評

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  •  東日本大震災から2年過ぎました。こういうひとつの区切りを契機に、改めて何かを考えてみる、考える材料を見つけるために手にとった本です。
     体裁は、鶴見俊輔氏と関川夏央氏お二人による年をあけた2回の対談を起こしたものです。
     評論家の鶴見俊輔氏は、外祖父はかの後藤新平、父は政治家鶴見祐輔という家に生まれながらも、厳格・苛烈な母親に反発して、若い頃はかなり危ない行動をとっていたようです。大衆文化への造詣も深く、漫画原作者としての経験もある関川氏との会話はなかなかいいノリで進んで行きます。
     興味深い指摘がお二人のやりとりの随所でみられましたし、特に“敗北力”というコンセプトは大震災後を考える上でとても重要な視点だと思いました。

  • 鶴見俊輔の独特の表現(「樽」、「スキンディープ」、「残像」など)が、なかなかおもしろかった。
    それにしても、その博覧強記ぶりには脱帽。
    こういう反権力の人って、いいなあ。

  • 鶴見俊輔さんと関川夏央さんの、高級居酒屋トーク。あいつ感じ悪いよね、あいつ面白いよね、そういえばあいつ、こんなこと言ってたよ、みたいな風で。
    明治以降、日本という「樽」と個人が消えていったこと。そして近年に期待できる、知識的大衆への期待で結び。
    鶴見さんが我を忘れてひとつのポジションで読み通したものは、ツルゲーネフの「ルーディン」と、岩明均さんの「寄生獣」のふたつだけだということが、なんだか頭から離れない。

著者プロフィール

1922年東京生まれ。哲学者。15歳で渡米、ハーヴァード大学でプラグマティズムを学ぶ。アナキスト容疑で逮捕されたが、留置場で論文を書きあげ卒業。交換船で帰国、海外バタビア在勤部官府に軍属として勤務。戦後、渡辺慧、都留重人、丸山眞男、武谷三男、武田清子、鶴見和子と『思想の科学』を創刊。アメリカ哲学の紹介や大衆文化研究などのサークル活動を行う。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。60年安保改定に反対、市民グループ「声なき声の会」をつくる。六五年、ベ平連に参加。アメリカの脱走兵を支援する運動に加わる。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。著書に『鶴見俊輔集』(全17巻、筑摩書房)『鶴見俊輔座談』(全10巻、晶文社)『鶴見俊輔書評集成』(全3巻、みすず書房)『戦後日本の大衆文化史』『戦後日本の精神史』(岩波書店)『アメノウズメ伝』(平凡社)ほか。

「2015年 『昭和を語る 鶴見俊輔座談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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