原発のない世界へ

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480860736

感想・レビュー・書評

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  • 地震大国日本、プルトニウム大国日本に住むからには覚悟を決めて生きたほうがよさそうだ。知らないでは済まされないし、日本だけの問題では留まらない。

  • 原発についでの話題は、東日本大震災以降、数多くのメディアの取り上げるところとなったが、自分自身、どこか他人事的な接し方をしてきたことは否めない。しかしこの本を読む限り、自分も被爆者、つまりまぎれもない当事者であることを認識させられる。
    筆者の小出裕章氏は、京都大学原子炉実験所に籍を置く、いわば原子力サイドの研究者だ。かつて原子力の平和利用の夢に燃えてこの世界に入ったものの、やがて見えてきたとんでもない実態を知るに及び、一転して原発を阻止すべく戦い続けてきたという経歴を持つ。
    本書には反原発の映像作家・鎌仲ひとみさんとの対談のほか、各種メディアに掲載されたコラムや小論文、集会や講演会でのQ&Aなどが収録されている。スタンスは「脱原発」ではなく「反原発」である。放射能汚染の後始末もできないまま再稼働を進める国や大企業、電力会社などに、一貫してその誤りを訴え続ける姿勢が、わかりやすい言葉で伝わってくる。
    こと放射能に関しては、ここまでなら「大丈夫」とか、これ以下なら「安全」という表現は、絶対に使ってはいけないと再三再四述べている。すでに確率的影響に「しきい値」(容認できるレベル)はないことが明らかにされているという。チリも積もればではないが、年月を経ての白血病や癌の発生、生まれてくる子供への思いもかけない障害など、高い確率で現実のものとなっている事実には、もっと目が向けられてもしかるべきだろう。
    すでに汚染が始まってしまった日本、そして地球。これからの暮らし方、生き方を考えるうえで、一読をお奨めしたい1冊だ。

  • 小出裕章さんの的確な指摘,非常にためになります.原子力の怖さを実感できるコメントが満載です.一気に読みました.

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号:543.5//Ko29

  • 小出氏の著書はこれで3冊目ということもあって、他の著書とだぶるところもありました。

    すべての原発をすぐに止めるべきだ、という小出氏の訴えに私も賛同します。

  • 年間20mシーベルトは、125人に一人が死亡、子供は30人に一人が死亡するレベル、というのは心に突き刺さります。
    もし、小出先生の著作を読んだことがないのであれば、まずこの本をおススメします。
    (古い本から読み進めると、内容ダブるので。)

    ワタシは脱原発派です。
    少なくとも、小出先生の言っていることが間違っているようには思えません。

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著者プロフィール

元京都大学原子炉実験所助教。工学修士。
第2次世界大戦が終わった4年後の1949(昭和24)年8月、東京の下町・台東区上野で生まれる。中学生のとき地質学に興味をもち、高校3年までの6年間、ひたすら山や野原で岩石採集に没頭する。68年、未来のエネルギーを担うと信じた原子力の平和利用を夢見て東北大学工学部原子核工学科に入学。しかし原子力について専門的に学べば学ぶほど、原子力発電に潜む破滅的危険性こそが人間にとっての脅威であることに気づき、70年に考え方を180度転換。それから40年以上にわたり、原発をなくすための研究と運動を続ける。2015年3月に京都大学を定年退職。現在は長野県松本市に暮らす。著書に『隠される原子力・核の真実─原子力の専門家が原発に反対するわけ』(2011年11月/創史社)、『原発のウソ』(2012年12月/扶桑社新書)、『100年後の人々へ』(2014年2月/集英社新書)ほか多数。

「2019年 『フクシマ事故と東京オリンピック【7ヵ国語対応】 The disaster in Fukushima and the 2020 Tokyo Olympics』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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