倒壊: 大震災で住宅ローンはどうなったか

著者 :
  • 筑摩書房
3.50
  • (1)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 9
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480863195

作品紹介・あらすじ

住宅ローンの制度ができてから、初めて大都市圏を襲った地震。建替?補修?自己破産?ダブルローン?被災地の人々にはどんな選択があったのか。地震で露わになった、この国の驚くべき実態。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お金
    社会
    暮らし

  • ・阪神大震災で倒壊した住宅の住宅ローンはどうなったかを追跡したノンフィクション。住宅ローン以外に、住宅の復興政策、保険、環境考古学、都市計画などにも幅広く言及。

    ・地震の後の被災地には、一儲けを企む悪徳業者が押し寄せてきた。「ボランティアで屋根を修理します」といって材料費を受け取り、そのまま姿をくらます。催眠療法の業者は「仮設住宅は声を掛けるとぞろぞろ集まってくるから、やりやすかった」と語る。

    ・(地震で自宅を失った人だけでなく)地震まで賃貸住宅にいた人が、被災者向け(=金利が低い)の住宅ローンを利用して、家を建てるケースが多かった。

    ・解体費用は補助され無料など、意図的に補修より建て替えへの誘導が行われた。(無用な建て替えが多かった?)
     →補修の方が遥かに復興費用が安く済む

    ・旧河川跡に建てられた住宅は倒壊が激しかった。
     東北の地震でも(すごい昔に)谷を埋め立てた地盤の上に建てられた住宅が、地震で土地が地すべりを起こし、その上の住宅がエライ事になってた。
     →不動産屋は、家を販売する際、地盤の情報を開示しない?

    ・「人は無くしたものにお金を払い続けることが出来るのか?→いや出来ない」という本書の問い掛けに対して、「将来、貰えない年金の保険料を払い続ける事は、どうなの?」という問い掛けが浮かぶ。

  • 2008
    home

  • 震災の被害で目に見えているものなんて本当に一部。建物が崩れる、火事になる、十分恐ろしいのにそれだけでは終わらない。この本は、多くの人が気づいていない震災の残した問題の一部を教えてくれます。そしてその問題は誰にでも降りかかるものです。

全5件中 1 - 5件を表示

島本慈子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×