本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 195
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480864574

感想・レビュー・書評

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  • 『思考の整理学』ミリオンセラーの契機を作った松本大介氏。彼が吐きだす言葉は、冷静で、かつ熱情が溢れている。氷炎の一言に、目を見開かされる。

    「本屋に限らず、小売店は裏側にたくさんの事情を抱えている。ただ、それを表に出してしまったらおしまいなのだ。裏の事情は、店先という表舞台にはおくびにも出してはいけない」(p.101)

    本に関わる人は、目を通しておいたほうがよいはずだ。

  • 本の未来は暗い。これだけ本が売られているのに、出版業界のこれからで明るい話題なんて皆無なのではないでしょうか。出版不況と言われますがどちらかというと紙媒体に終焉が迫っているようにしか思えません。本を普段手に取らない人にとっては、音楽が売れないとか映画が流行らないとかと同じような文脈で語られる事かもしれませんが、どう考えても周囲の人で本が趣味なんて人殆ど見かけません。誰が本買っているのか本当に疑問です。秘密組織がひっそりと本を買って出版を支えているんじゃないかと思う位見ないです。
    電車で周りを見回してください、みんな携帯を見て何やら指を上下させていますよ。中には電子書籍読んでいる人もいるかもしれませんが、ほぼゲームかSNSです。

    さて、そんな本の業界でもトップランナーと言える本屋さんがいくつかあります。東京はもちろん一番パイも大きいので売れて当然。しかし地方で本の文化を残すべく奮闘して結果を出しているさわや書店という存在は地方の書店の中でも燦然と輝く存在です。
    この10年ほど「本屋大賞」で出版業界は盛り上がり、そこに取り上げられた本は大いに評価されて売れていきます。某大手賞と違って書店員が本当に面白いと思う本を、投票で選ぶという民主制が賞の信頼度を高めていると思います。
    当然さわや書店も一書店ではあるのですが、「さわベス」という独自の年間ランキングを発表してこれまた信用度の高いものとなっています。

    そんなさわや書店の名物書店員の一人である松本氏は、田口店長に比べるとシニカルで斜に構えていて、その実誰にも負けないくらいの本への愛情が有ります。シニカルではあるけれどペシミストではない。恥ずかしがり屋の情熱家と見ました。
    岩手はなかなか行く機会は無いのだけれど、いつか立ち寄ってみたい書店です。

  • 『思考の整理学』、『文庫X』、さわベス…東北、盛岡の地からベストセラーを連発、出版業界屈指のこだわり書店「さわや書店」。熱い情熱と日々の努力、そして激しい危機感、さわや書店で学んだ“本屋”の仕事と日常。その裏側を語り尽くす初の著作。

    ところどころ挟まれるギャグには目をつぶるとして。いつか売り場を訪れてみたいと、強く思った一冊。

  • 雨宿りするくらいなら、晴れてる街に駆けて行くさ…でお馴染み、さわや書店の悩める哲学者松本大介。
    バイプレイヤー不在の同店において、彼の立ち位置が読みすすめるうちに明らかになってくる。

    ある時はフィクサー田口氏の圧迫を全身で受け止め、ある時は病める天才竹内氏のぶっ飛んだ思考を共有し、そして宴会部長栗澤氏と盃を重ねる。

    そのクセしかない面々と、それぞれの場面でしっかりとシンクロし、最後はキレイに丸投げされる。
    そして、彼らの予想を超えた結果をだしニヤリと笑うのが彼の真骨頂。

    松本大介は「影武者」だ。
    漕ぐとわりと進む影武者だ。
    いつ何時、どのタイプにでも変身できる影武者。どのウイッグにも瞬時に対応できるヘアスタイルがそれを物語る。
    いやはや、たいした男だ。

    Shadow warrior松本大介とさわや書店の今後がめちゃくちゃ楽しみだ。

  • さわや書店さんの、大切にしている事。
    これまで、今、これからが、書かれている。
    どれも、具体的で分かり易い。
    こういう、文化、風土がしっかりした本屋さんがそばにある地域の人たちは幸せだなぁと思う。
    こういう本屋にならないと。

  • 本というもの自体が好きな人には響く一冊。私は大好きなので、スラスラ読めた。私は、一生紙の本を読んでいくが、電子書籍にも利点があって、利用するひとが増えているのもまた事実である。そのなかでいかにして紙の本を売るか、本を読んでもらうか、というのは出版業に関わる人間なら、相当に悩むはずだ。そんな苦悩が描かれていた。紙の本がより多くの人に選ばれることを切に願うばかりだ。

  • 久しぶりの盛岡出張で初めて「さわや書店」を知りました。店頭のPOPに書かれた「只今お買い上げの方に特別付録として未編集のボツ原稿を差し上げています」に惹かれてゲット。そのボツ原稿も自分の今の仕事の状況と重なって見えてジーンと来たけど、本編は、人から趣味は?と聞かれて「読書」以外に答えられない自分にとって、本屋さんがなくなるなんて、己の存在を脅かすような事だなって気付かせてくれました。久しぶりに付箋貼りながら読んだ(笑)

  • 参考になった。

  • 私も書店員なので、仕事への取り組み方についてとても刺激を受けました!私の職場ほどの大型書店になったら、集客こそが命だと思うけれど、どうすれば良いのかほんとうにわからない。自分の中の何かを変えないとならないんだけれど・・。

  • 2018.6.20
    面白かった!
    元々は違う本で登場した作者の松本さんに興味を持ったのがきっかけだけど、タイトルにも惹かれて。本屋さん大好きの私からすると、本当にそう願うばかりだから。

    売り場の本の構成比をコンビニでみたプリンのカラメルの比率と考えてみたり、「書店員は根暗だ」と言い切ってみたり、くすっと笑えて、でもそのあとに続く内容はとても明瞭で説得力があった。
    特に後半は、うんうんと頷くところが本当に多く、そしてまた、書店のあり方を真剣に問う松本さんの気概が伝わってきた。手元に残した文章がたくさん。

    松本さんの言葉を借りれば、私も本に生き方の答えを求め、読み続けることで人生に折り合いをつけてきた人間の1人。だからぜひ本屋さんには、「敷居の低さ」を維持してほしいし、独りの人が集う場所をなくさないでほしい。
    ボランティアじゃないから収益は必ず必要だけど、「本を買う日常」がなくなってほしくない。
    読者としては、大型書店ばかりでなく(行くのは好きだけど)地元の本屋さんで本を買ったり、そういう小さな行動を続けていきたいと思う。

    持ち運びの軽さから電子書籍にも若干興味を持ちかけているこの頃だけど、著者や編集者、校閲者等いろんな人の手をわたって出来上がった美しい装丁の本は、やっぱり今後も残っていってほしいと切に願う。

    書店員さんってすごいな。
    いつかさわや書店に行ってみたい!

    名久井直子さんの装丁はほんとに素敵。

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