10年目のセンチメンタルな旅

  • 筑摩書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480872081

感想・レビュー・書評

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  • 食事は活きるって感じるね
    陽子エッセイの芽生えそう

  • 陽子さんの文才の素晴らしさがこの本の主役。

    写真って、言葉で表される感受性に大きく左右されるものなんだなあ。
    荒木さんが撮った写真の数々が、陽子さんとの合作に見えてきます。

    旅行中は記録で撮った写真たち。
    過去となりパートナーがこの世にいなくなると、お守りのように大事にしたい記憶に変わる。

    旅とは、未来の自分に優しい時間をもたらすためにするものなのかもしれません。
    道中は誰にもそれが実感がないから、だから旅を楽しめるのかも。

    私もこれからの人生、節目節目に2人旅をしたいと思います。

    それにしても。
    色彩豊かな国々をモノクロで撮影。
    色に支配されず、しっくり見れたのは、荒木さんが天才だからかな。
    自分なりの色解釈で見ました。

  • 泣けます。フランス→スペイン→アルゼンチンの旅行記ですが、陽子さんの表現力もものすごく上手で、写真で観る以上に情景が頭に入ってくる。ふたりで旅を楽しみ、そしてふたりでいることに幸せを感じ、卑猥な冗談を言っては笑い、仲の良さが痛いほど伝わってくる。ベッドの乱れを写真に撮って「連日吹き荒れた愛の嵐」なんて、普通なら「よくやるよ。」って感じだけど、陽子さんは全然いやらしさを感じさせない。
    彼女のあどけない表情を撮るアラーキーの腕と、語学力プラス表現力のすばらしい陽子さんの文章で(実際スペイン語はペラペラのようです。)旅エッセイとしては最高級。何度も読み返してます。
    こんなに仲のいい夫婦だったのに、陽子さんはもうこの世にいない。っていうことをわかってて読むと泣けて泣けてしかたがない。

    アラーキーのあとがきがつらい。

    この「10年目のセンチメンタルな旅」が陽子の人生で一番楽しかった時に想う。私にとってもそうだ。バルセロナの白タクの運ちゃんとのスペイン語会話、元レーサーの猛スピードドライブ。コスタ・デル・ソル、マルベージャでの陽子のはしゃぎようったらなかった。なおったらイタリアを旅したい。つれてってと言ってた陽子。つれてってもらったのは私だった。ひとりじゃ外国に行けない。ふたりじゃなくちゃ行きたくない。

    そして最後の写真「パリからの帰途、アンカレッジ空港にて」
    陽子さんがにこにこ笑顔で二人分のカップ(中身はフライ?食べ物のようです。)を持ってアラーキーの待つテーブルへもどってくる姿が写ってる。
    そこにアラーキーの手書きで
    「これ食べたら帰るのやめてペニスに行こうヨーコ」

    もうだめ、号泣です!

  • あとがきのアラーキーの言葉がとても泣けた。「つれてってと言ってた陽子。つれてってもらったのは私だった。ひとりじゃ外国に行けない、ふたりじゃなくちゃ行きたくない。」の部分は特に。ちょいちょい挟まってくるアラーキーのお下劣なダジャレ。オマンコハッタンとか。そういうのも全て良くて。完璧だなぁ、と。写真としても、旅のエッセイとしても。(11/3/13)

  • 斜め読みだけど。
    外国を旅行したくなる。
    好きな人といろんな国を旅してみたい。
    死ぬまでに、できるだけたくさん。

  • フランス→スペイン→アルゼンチン という旅行記なのだけれど、
    とりあえずスペインのところだけ見た。
    (今度母親と行くという理由で一番興味があったから。)

  • 何度も繰り返し読んでいます。アラーキーとヨーコの幸福な2人旅。こんな風に2人で旅に出てみたい。年を重ねてマダムの風格漂うヨーコが、時折「センチメンタルな旅」の時(新婚旅行)と同じ表情を見せているのにぐっときます。

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著者プロフィール

写真家。1940年5月25日、東京都台東区三ノ輪生まれ。1964年『さっちん』で第1回太陽賞を受賞。1971年『センチメンタルな旅』(私家版)を出版。「天才アラーキー」「写狂人」「写狂老人」などを名乗り『愛しのチロ』(平凡社)、『センチメンタルな旅・冬の旅』(新潮社)、『人妻エロス』(双葉社)、『往生写集』(平凡社)、『顔』(KADOKAWA)など、現在までに500冊近い著書を刊行。

「2015年 『楽園は、モノクローム。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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