四次元温泉日記

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 150
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480878427

作品紹介・あらすじ

風呂嫌い、温泉に行く!意外にもそこはアトラクション感あふれる異次元ワンダーランドだった-。フロより迷路!?珍妙湯けむり紀行。

感想・レビュー・書評

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  • タマキングの温泉巡り旅日記です。
    …が、冒頭から「温泉などちっとも興味がない」「服を脱ぐのも着るのもめんどくさい」と言い切るタマキング。
    それじゃ何を目的に旅に出るのかというと、まるで迷路と化した温泉地の宿の建物探訪なのです。

    40代のおっさん3人組みの旅は、なんともマイペース。
    それぞれ好きなところを観光し、同じ宿に集合、温泉やら宿やらを堪能し、昼間はまた別行動…すてきすぎです。
    そしてタマキング注目の迷路宿もまたすてき。
    よじれた階段やどこに通じているのかわからない廊下…タマキングが描いた宿の見取り図をたどっていくと、なんだか温泉宿が現実離れした場所のように思えてきます。

    タマキングの「おもしろい!」と思ったことに対しての貪欲さにほれぼれしてしまいます。
    ほかにもタマキングの興味アンテナがびびっと反応したものたちを見てみたいなぁと思うのです。

  • 迷路のような宿を探検しようと温泉を旅したタマキングの旅日記。
    そんなに動き回らず、観光なんかちっともしないでずっと宿でゴロゴロしていたって構わないと、旅の心構えが変化してきたゆるい旅。
    温泉なら、ずっと宿にいてもいてもいいのではないか?とはじまった温泉巡りはあちこちレアな場所ばかり。
    温泉シロウトのタマキングの観察眼と素朴な疑問が全開です。

    温泉のあれこれについて、私も多くの疑問や違和感を持っていました。
    温泉ならではの文化や風土、温泉だからする行為。
    みんな気にせず、平気なんでしょうか?と自分なりに思うことがありました。
    すると、タマキングは常々私が思っていたことを次々口にしてくれている。
    次第にタマキングが温泉文化の奥深さに惹かれていくように、私も読むうちに温泉はいいなぁと思ってしまったのだから、ただのお気楽な旅日記にとどまらないのかもしれません。
    旅した温泉地や宿はとてもユニークで楽しめました。
    おっさんになってもタマキングはとてもいい!

  • 再読。温泉そのものより迷路のような温泉宿に元々は惹かれる性質の宮田さん、同行の方に「そんなの好きなやつはいない」と切り捨てられていましたが、刺さる人たくさんいるんじゃないかなあ。私も温泉はシチュエーションとアトラクション感重視です。私も温泉不感症に近いので行ったことのあるところはほとんどありませんでしたが、去年別府鉄輪温泉には泊まってて、Y荘の前は通りがかりました。内部があんなことになってるとは全く思わなかった…こわいもの見たさでちょっと泊まってみたい…。

    ―私にとっては、温泉はもうすっかり迷路の一部だった。(248P)

  • 高級過ぎない迷路な温泉宿とは、とても魅力的。行ってみたい宿ばかりだった。けれども宿の名前がK旅館K温泉など伏字で分かりづらい。それでも調べて行ってみたいと思わせる程、楽しそうな宿を知ることができた。著者と同じく今まで温泉宿を目的地としたことはないけれど、迷路宿目的で行くことに興味が湧いた一冊。

  • 温泉宿巡りを、温泉に興味がなかった著者が面白おかしくレポートする。
    温泉マニアには当たり前のことに疑問を持つあたり、「そういえば」とこちらの頭もリセットされて、よい。

    ちょうど東北旅行で泊まる予定だった宿が出てきて、興味深かった。ほかにも、興味深い温泉宿、目白押し。

  • 風呂嫌い、温泉に行く!意外にもそこはアトラクション感あふれる異次元ワンダーランドだった―。フロより迷路!?珍妙湯けむり紀行。(アマゾン紹介文)

    宮田さんの風呂ギライは他の著書でも散々に書かれていたので、なんでまた、と思っていたのですが。
    読んでみると、なるほど、温泉はひとまず横に置き、その環境を思い浮かべると、いかにも好まれそうな空間でした。
    次第に温泉との和解(?)も果たされていて、どうにも旅に、旅館に、温泉に行きたくなる一冊です。

    「常連客を見るのも嫌だし、自分が常連になるのも嫌だ」(P20)
    「ボロくて陰気で廃墟みたいでもオッケーな温泉文化の不思議」(P172)

  • 読むのがもったいなくて少しずつ読んでたのに読み終わってしまった。
    温泉の魅力はいっこも伝わってこないけどやっぱおもしろい。

  • 森見登美彦みたいな文章。
    温泉旅行とは、つまり何もしない旅行のことである。明日に向かって何も前進しないのが温泉旅行の醍醐味である。
    北温泉天狗の湯、四万温泉積善館、微温湯温泉、東鳴子温泉黒湯の高友旅館、伊豆長岡温泉南山荘、別府鉄輪温泉陽光荘、渋温泉金具屋、下呂温泉湯の島館

  • 2017/02/15読了

  • たまキングの迷路好きにはあまり賛同できなかったようだ…(笑)

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著者プロフィール

旅と散歩と石ころと変な生きものを愛し、いかに仕事をサボって楽しく過ごすかを追究している作家兼エッセイスト。その作風は、読めば仕事のやる気がゼロになると、働きたくない人たちの間で高く評価されている。主な著書は『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、『東京近郊スペクタクル散歩』(新潮社)、『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』(大福書林)、『明日ロト7が私を救う』(本の雑誌社)など。

「2023年 『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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