- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480878496
作品紹介・あらすじ
自宅一部を博物館やギャラリー、劇場に。廃工場や元店舗を改装しシェア生活。家を開いて人と繋がる。
感想・レビュー・書評
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自分の住まいをコミュニケーションの場として開放する「住み開き」。様々な形で「開いて」いる住み開き事例を紹介する本。
紹介されている事例は、住んでいる人自身がクリエイターであったり、建築・デザインなどの仕事についている人が多い。著者自身が音楽活動を行っていて知り合いが多いためかもしれないが、プライベートとミックスさせながら仕事につなげやすいということが大きいのだろう。だからといって、クリエイターではない人はできないのか、と言えばそうではない。
本の中で著者が提示している実践のコツは次の9つである。
①目玉を用意する。
②プライベートを確保する。
③経済的に無理をしない。
④日時を決める。
⑤徐々に輪を広げていく。
⑥大家さんと仲良くする。
⑦なるべく大きな音は出さない。
⑧子供とペットを媒体とみなす
⑨困った時は“ここ私の家ですから”
なにも無理して住み開きをする必要がない。自分が見せたいもの、やりたいことを自分の時間やお金や体力の許す範囲でやればいい、というのが一番のポイントだ。
本書で紹介されている住み開き事例の中で私が興味を持ったのは、「自宅博物館」のカテゴリに入るものだ。趣味で集めた少女漫画を公開する「少女漫画館(東京都あきる野市)、趣味で飼育していた淡水魚の博物館を作ってしまった「雑魚寝館」など。みんな、見てみて、という気持ちがあふれ出た住み開きである。
自宅を開放することに伴うセキュリティの問題はないのか、と思ったが、紹介されている事例においては、コンセプトが明確であれば変な人も入ってくることがなく、逆にみんなで見守る形になるという。
なるほど、と思ったのが、三浦展さんというマーケティング・アナリストとの対談の中で出てきた「共異体」という言葉だ。このような動きが活発になったのは、昭和の地域共同体が復活したのではなく、都会的なコミュニケーションを介して、趣味や知己などでのつながりが求められたということだ。だからプライバシーに土足で入り込むわけではなく、双方に一定の距離感が保たれる。
この本が発行されたのは今から10年前、東日本大震災で社会が人とのつながりの大切さを実感した時期であった。そして今、コロナ禍でやはりコミュニケーションの大切さが再度見直されている。リモートワークにより自宅で仕事ができる人が増えたこともあり、今後このような新しい形の「職住一体」の生活がさらに増えるのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
住み開き、とは家に他人を招いてイベントや学習会などをして他人とつながる行為のこと。どこかの場所を借りてとかではなく、自分のうちですることでコミュニティの輪が広がる。自分も何度かやってみた。この本はその用例集。
本が出た時色々住み開き話題になったけど、最近もやっているのかな? -
家(自宅)の一部を他者に開放する「住み開き」を提唱する筆者の、全国(主には東京、大阪)にある住み開きの事例集。
面白いのは、きっとオシャレクリエーターぶった若者だけだと思っていたら、半分くらいがおじちゃんオバチャンだったりするところ。
彼らにすればこんなことを提唱する前からいかに楽しく生きるかって考えた時の、シンプルな答えなんだろうと思うし、そもそも過去には普通に家というものが開いていたんだとわかる。
今はプライバシーの比重が高くて、自分にとってもそれが普通の感覚になっていることを痛感させられる。
事例のひとつに少女まんが館(蔵書4万冊)というのがあったんで、
真似て少年・青年まんが館でも開くかなー -
住居を街に開くということは、街自体が開かれることだと感じた。
街全体がシェアハウスみたいになれば面白いという感覚に共感する。開かれて流れができることで生まれる出会いや新しいアイデアも多くあるだろう。 -
家をプライベートな閉じた場所としてだけでなく、よその人もやってくる場所にした「住み開き」。著者の視点も良いし、ひとつひとつの事例も面白くて、住み開きをしたくなった。しかし致命的なことに、文章が読みづらくて・・・全部読むことができなかった。
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貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784480878496 -
これからの生き方の一つの指針となる一冊。
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著者が関西の人なのか、大阪の事例が多い。
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初耳の用語である。何かと思いきや、要は自宅から始まるコミュニティ。自らの家の一部をパブリックスペースとするのだが、昭和初期の地域コミュニティのような全開ではなく、あくまでも部分開。地縁でも血縁でも金縁でもない新たな時代の第3の縁。東京、大阪の住み開きの事例が30余り紹介されているが、定められた枠はなく、できる範囲で、それぞれのルールで伸び伸びやっている。楽しく自由な雰囲気がふんわり伝わってくる。現代の新しいライフスタイルの一つの類型に新鮮な感動があった。
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東京、大阪、その他諸々の地域での事例をとりあげてて、「いいねぇ!」から「これはアカンやろ!」まで、よりどりみどりの建物と住人とコミュニティが詰まってます。
僕の思う「いいねぇ!」は、フラリと立ち寄っても、スルッと帰って来れるような、最低限の安全性が感じられる事例かなぁ。
読後に、住み開きに対して「まだちょっと怖いかも」という印象が残るのは、著者の文章が何となく自信と確信に満ちてて、反証が不足がちだからなのか・・・。
或いは、僕の(読者の)興味アンテナの広さが試されているからなのか。う~ん。
実際に行って見てみたいところもあったので、感想はそれから、がいいのかも。