独居老人スタイル (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.69
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本棚登録 : 263
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480878700

感想・レビュー・書評

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  • 「何かに打ち込んでたら、こうなった」人ばかりが本書には登場する。

    だが、登場人物の語り口や著者の筆致は、ネガティブではない。また、本書の評価として巷間言われているようにポジティブでもましてやない。諦観交じりではあるものの、そこにあるのはひたすらなフラットさだ。

    そのフラットさに、これは「どこにでもある景色」なのだと気づく。珍しい生き方だと思いながら読んでいたことに恥じ入る。

  • 都築さんはなんて市井の人にスポットライトをあてる仕事がお上手なのでしょう!独居老人スタイルにとりあげられる方のお話が、子どものころは、若いころは、他人とかかわり影響を受けるももの、後半は自分一人のお話。自分のペースなり、やりたいことなりが確立されており、一見規則的でつまらそうな繰り返しの生活に見えるけど、やりたくないことがそぎ落とされてピュアな部分だけが残った生活は満足度が高いに違いないと思います。

  • 全くもって凄い本を読んでしまった。
    独居老人のライフスタイルを取材した本なのですが、出てくる老人が揃いも揃ってパンキッシュ極まりない人々で、全国規模で見てもまずいない選抜メンバーです。
    アーティスト、首吊りパフォーマー、スナックのママ、画家、ジャマイカファッションのショップ経営者、つぶれた映画館を維持し続ける人、流し、漫画家、道化師etc…

    とにかくパワフルかつ自分でしか居られない人々のオンパレードでした。しょぼくれた老人なんて一人も出てきません。
    一人である事に疑問を持つ暇もなくライフスタイルを貫く。しかも、肩肘張っているわけではなくあるがまま生きていて結果老人になっている人ばかりです。
    写真も小汚いものが多いので、見たくもない人もいるでしょうが、僕的にはとてつもなくパワーをもらいました。
    結局自分がどうあるべきかを世間と比べるからこそ、不幸せというものが押し寄せてくるわけで、本当に自分自身でいられさえすれば、年なんて何歳でも前を向いて生きていられるのかなと考えさせられました。
    特に衝撃的だったのはダダカンさん。92歳という高齢ながら全裸での三点倒立をびしっと決めて股間丸出し。しかも昨日今日始まったわけではなく筋金入りのストリーキングの人なので、大阪万博の太陽の塔の下で全裸ダッシュをして警察に逮捕されるという経歴もあります。政治的なパフォーマンスでも有名な、身体表現をする芸術家なので、一般の感覚とは全く違うのですが、ではその一般とは何ぞやという話になります。
    我々が縛られている「一般」とは「世間」とも言い換えられると思います。
    この世間体というものに縛られて生きている僕たちも、もしかしたらもっともっと自由に生きていいのではないか。そんな風に思わせてくれる本です。
    しかも、この本に出てくる人たち生き方はパンクなんですが、誰にも迷惑かけていないんですよ。それがまた意外です。

  • 小林聡美さんおすすめで読んでみた。

    勤め人としていたって常識的に生きている私としては、かなりびっくりな人々。

    92歳の老パフォーマーが裸になって、いすの上で三点倒立していたり。

    ゴミ屋敷に住んでする明るい老人とか。

    なんというか、若い時には迷いもあっただろうけれど、もはや我が道を行く!というモードに入り切った人たちの暮らしぶりに感嘆。

    共通するのが、サブカルチャー、人の道からかなりはずれた、ボーダーライン、変人の極みみたいな人たちばかりが登場すること。筆者自身が自分の中にそんな要素を見ているんだろう。

  • ふむ

  • 枡野浩一の「結婚失格」の中でこの本のことが書かれていた(多分)ので読んでみた。

    後半はともかく、全般に出てくる写真がほとんど美しくない。
    見なけりゃよかった~が多数。

    あとがきにもあったが、結局『世間の思う老い方と戦う』
    ことをしていない人たちが、それなりのスタイルで暮らしていることのレポートってこと。

    独居老人が増えているのは、そのスタイルを望む人が多いってことなんじゃないかな。

  • 戸谷誠さん「おんなじ日が連続していくと、一年は束になってむこうへ行っちゃうから」

    いや〜お腹いっぱい。笑
    個人的には、劇場(映画館)での話がいろいろ聞けたことと、それぞれの人生観が知れて楽しく読みました。
    私も古い劇場で働いていた時期があって、劇場内の匂いや、映写室から聴こえる機械の音やフィルムがカラカラ回る音を思い出しました。

    あとがきの『死ぬまで「気配りベタ」で「空気読まない」変わり者のじいさま・ばあさまとして寿命迎えられるよう、お互い精進しようではありませんか!』に笑いました。

  • 暮らし

  • 2018/5/8読了。

  • 独居老人スタイル展で見つけた本
    独居もいいかもしれない

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著者プロフィール

1956年東京生まれ。1976年から1986年まで「POPEYE」「BRUTUS」誌で現代美術・デザイン・都市生活などの記事を担当する。1989年から1992年にかけて、1980年代の世界現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アートランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集を続けている。
1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を刊行。1997年、『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続けている。2012年より有料週刊メールマガジン『ROADSIDERS’weekly』(http://www.roadsiders.com/)を配信中。近著に『捨てられないTシャツ』(筑摩書房、2017年)、『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(ケンエレブックス、2021年)、『IDOL STYLE』(双葉社、2021年)など。

「2022年 『Museum of Mom’s Art』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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