やわらかい頭の作り方: 身の回りの見えない構造を解明する (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480878830

感想・レビュー・書評

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  • Web連載ものの再構築本。この手の本は、人気のある著者が、請われて持ちネタを軽く披露する内容が多いので、既読感が多くなりがちだが、軽い気持ちで復習がてらすいすい読めるのは良いかも。

    P93の、「成功」の反意語は「失敗」か?ー両極端か中庸か、が本書のハイライトか。
    「成功」の反意語は「失敗」ではなく、「何もしないこと」、
    「賛成」の反意語は「反対」ではなく、「意見がないこと」、
    「好き」の反意語は「嫌い」ではなく、「無関心」、
    最後の例は有名だけど、刺激になる。

  • なんせ 工学部出身の 方の書いたもの。

    むずかしい。

    絵は 面白く見ました。

    柔らかい頭も フリーズ状態の 頭になりました。

    ぜひ 作者も言っているように

    抽象的ではなく 具体的に お願いします。

  • 柔軟な発想をしたい、と思ったのと
    ヨシタケシンスケのイラストが可愛いので読みました

    ・心の癖を自覚する→「おかしいのは自分の考え方のほうではないか」と常に考えてみる
    ・作用反作用の法則は人間にも当てはまる
    ・「形から入る」か「中身から入る」か
    ・「メリット」は必ず「デメリット」になる
    など、どれも言われてみるとなるほどなー、です。

    で、今のアタシが一番気がかりな事は
    問題であることすら認識していない問題に気づけていないかもしれない、ということなんですよ
    はい、この本の34ページからやり直しですね(笑)

  • 最近人と衝突することがあったとき、自分のなかの常識が覆されていく感覚があった。

    そのとき思わず言ってしまったのが「まわりにそういう人がいなかったから戸惑っている」という言葉。

    そこで思ったのが、自分の常識が他人の常識ではないというのはわかりつつも、まわりのたかだか10人くらいの意見と同調すれば逆観的に見て常識になる、というわけではないということ(類は友を呼ぶとも言うし)。

    また、話しながら「私だったらこうされるとこうなるから、こうかなと思った」という表現を自分が何度も使っていることにふと気付いて、おや、自分は知らないうちに主観で自分が感じたことを相手に適応することで相手の立場に立った気がしているんじゃないか?と怖くなったこと。

    そして、わかりあえないことに苛立ちを覚えたことで、自分は本質的には「話せば自分の正しさをわかってもらえる」と思い込んでいるのではないかと考えたこと。

    たぶん「柔軟だと思っていた自分」を疑い始めたことで、この本を手に取ってしまったのだと思う。

    結論、いい意味で「正しい」とか「間違っている」という概念がなくなり、逆に何を信じたら良いのかわからなくなった。

    本のなかで、まずグサリと来たのは

    「心理パンチを1番浴びるのは、不用意に中途半端に近づいたとき」

    「思考停止は何かの原因を環境や他人のせいにしたとき起こる」

    という2つの言葉。

    実際今回の衝突の原因は「中途半端な知識で助言した」「他責にした」ことだったので猛省した。

    次に、今の自分にドンピシャだったのが「常識とは自分勝手に用いられる怪しい言葉」であるということ。

    自分の常識と他人の常識があることを忘れてはいけないし、別の視点から見ることも大切だし、「良い」「悪い」ではなく「どういう場合に成立するのか」という前提条件も読み取らないといけない。

    同様に、「作用反作用の法則」というのも、常識を疑ううえで大切な考えだと思った。

    たとえば、つまらないテレビ番組が多いと嘆く人がいるが、その理由は視聴者がそれを望んでいたりするから。「あの部下はホウレンソウができない」と文句を言う人はホウレンソウがしづらい空気を出している。というように、意外と原因は相手ではなくこちら側にあったりするらしい。

    今回わたしは、「相手が悪い!」と最初に思ってしまったが、起爆剤だったのは他でもないわたしなのだと思う。わたししかいなかったし。

    そして最後に印象的だったのは、「人は自分自身や自分の体験を特別だと思っていること」。たとえば深刻な悩みを抱えていたとして、事例を用いられてアドバイスをされたとしても、「いや、それはまた別のケースだから」と聞く耳を持たないらしい。

    だから、「自分にも当てはまるのでは?」と気付くことが大事だし、逆に相手の話を一般化してしまうとムッとさせることになるので特別な事例として聞けばコミュニケーションは円滑に進む。

    「相手は特殊な存在、自分は他者と同じ存在」と考えることで、自分が特別であるという思い込みを外す。自分が正しいと思っている限り、考え方にも進歩はない。

    これーーーー!!頑固な人は進歩しないという。そんなのイヤだ!!

    他にも、最近ずっと考えていた「論理と感情」の話が出てきた。私は論理がないと人を納得させられないが、感情がないと人の心を動かせないのでそのバランスをどう取れば良いのかわからなかった。

    本書では「集団の意思決定やルールづくりは論理に基づく必要があり、個人を動かすのは感情やこころ」という極めてシンプルな結論に至っており、そういうふうに捉えていけば良いのだなと納得した。

    話は逸れてしまったが、とにかくどの思考法も今のわたしにとってはバチバチに刺さるものばかりだったし、次に誰かとぶつかったときは(ぶつかりたくないけど)もう少し言葉を選んだり自分を疑いながら有意義な議論が交わせるんじゃないかなぁ。いや話せるといいなぁ。

  • 身の回りで起こっていることの構造を知り、物の見方を変えてみよう。発想を転換してみよう。ということを促す一冊。

    頭のかたい人はそもそもこの手の本を手に取らないから、本を手に取ったあなたは頭が柔らかい。あるいは柔軟な発想をしたいと思っている。と、序文に記されていて、確かにその通りかもしれないと思いました。
    絵本作家のヨシタケシンスケさんが挿絵を描いていて、その挿絵も楽しめます。

  • 「地頭力を鍛える」の著者。頭をやわらかくするには自分の「思考の癖や偏り」を認識する。自分中心の考え方を認識し矯正する。「自分だけは特殊だ病」から脱却する。「物理学の法則」は人間活動にも当てはまる。「メリット」は必ず「デメリット」になる。「対比」と「軸」で見るなど頭の柔軟体操が満載。

  • タイトルを見た段階では、あまり期待せずに(失礼!)読み始めたが、読んでみると、実に面白い!この手のHow to本とは違う切り口に惹かれて、一気に読了。途中、工学部出身の筆者だということに気づく。「ドップラー効果」、懐かしい!そういえば習ったような・・・何十年も前の記憶を今、はっきりと人間の心の問題として浮かび上がらせてくれる。難しいことを簡単に説明できる筆者の文章構成と、ふんわりイメージのイラストが相まって、何度も読み返したくなる1冊になった。
    「成功」と「失敗」は実は紙一重の同義語。「成功」の反意語は「何もしないこと」。軸を真ん中に折り曲げてみるとわかるという図式を見て、”なるほど~”。ささやかな感動を覚えた。まさにやわらかい頭の考え方そのものだ。仕事に対人関係に、生かしていきたい智慧が満載だ。

  • 「ゼロからイチを生み出す人?」
    「頑固にならない?」など考えてましたが

    「考えることができる人」

    常識は非常識になる可能性がある
    常識だからと思考停止にならず、なぜ?という気持ちを持つことが大切

  • 自らの「考え方の癖」を認識すること。

    自分の「常識」や「価値観」や「見方」が絶対ではなく、今立っているところから一歩引いて、自分を俯瞰して見ることでより創造的な思考を手に入れることができる。

    結局は自分が知っていること、見ていることからでしか考えていない。そのことを自覚しながら、ふとしたときに考えるきっかけを与えてくれる一冊。

  • やわらかい頭の人はたくさんの視点を持っていて、視点の数がやわらかい発想に結びつくんですね。この本ではそれらの視点が学べます。特に「両極を折り曲げてみる」はお気に入りの視点。「好き」の反対が「嫌い」ではなく「無関心」となる理由がわかります。人とは一味違う視点を手に入れたい人は是非。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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