金城哲夫 ウルトラマン島唄

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  • 筑摩書房
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480885074

感想・レビュー・書評

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  • 1999年刊行。以前から読みたいと思っていたが、上原正三さんの訃報に接し、このタイミングで読まなくてはいけない、と思い入手した。
    主人公は著者にといっての兄貴分(上原さんの方が一つ上だけど)であり、円谷プロでの戦友であり、ウルトラマン、ウルトラセブンを形創った男・金城哲夫。
    円谷プロ時代のエピソードはむろん、金城が沖縄に帰り夭折するまでの話も書かれている。金城がなぜアルコール中毒になり、事故死してしまうのか。事実としては知られていても過程は知られていない。金城の心の葛藤を追いかけて、明らかにしている。同じウチナンチュだからこそできた部分もあるのだろう。
    琉球と大和の架け橋になりたいと思っていた金城の心が壊れていくのは、読んでいてい切ない。今に続く沖縄問題を理解するために読んでもいいと思う、そのな読み方は勧めないけど。
    本当は金城の映画を撮るはずで、その脚本のための取材が元になっているそうだ。金城役が佐野史郎に決まっていたと知ると、その映画、なんとか実現して欲しかったと思わずにおれない。

  • 1999年刊行。

     著者は少年少女向けの特撮、アニメーションの脚本家として数々の名作を生み出してきた、そして、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンを世に送り出した金城哲夫の盟友と言っても過言ではない。
     その著者による金城の人物評伝である。

     著者は言う。自分がメインライターであった「帰ってきたウルトラマン」には伸びやかさがない、どうしても暗くなる。しかし「ウルトラマン」には大らかな宇宙観、天性の無邪気さがあった。それは金城の持つ大らかさなのだ、と。
     本書は、金城をめぐるウルトラマン、セブンの制作秘話。また自身の体験も加味しつつ、金城の人物像を語っていく。

     同じウチナンチューだから書けることも、思いを共有できることもあるのだろう。沖縄という目線と、子供向けでも手を抜かず、ドラマツルギーを紡ぎだそうとする労苦とが語られていく。

     ところで私は、著者が暗いと卑下する「帰ってきたウルトラマン」を、特攻の本当の模様と意味を暴き出した「ゲッターロボ」を、そして、悪人とて断罪され、殺される存在とは限らないことをヒーロー作品で叩きつけた「星雲仮面マシンマン」を、これら著者の作品群を、金城ウルトラマンよりも心に刻んでいることを、是非著者に伝えたいところだ。

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著者プロフィール

1937年沖縄生まれ。中央大学卒業。シナリオライター。『帰ってきたウルトラマン』(円谷プロ)、『がんばれ!! ロボコン』(東映)、『秘密戦隊ゴレンジャー』(東映)、『宇宙刑事ギャバン』(東映)など多くの作品のメインライターを務め、ヒットに導いた。
2020年死去。

「2022年 『まんが キジムナーkids(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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