早稲田文学 2015年冬号 (単行本)

  • 筑摩書房
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480993069

感想・レビュー・書評

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  • 人から頼まれて文フリで購入。その名前はさすがに知っていたけど、こんなに立派な雑誌だとは。パラパラとめくってみたが、自分の肌には合わないなあと感じた。
    ただ、雪舟えま「シールの素晴らしいアイデア」だけはなんとなく気になって読めた。冒頭から作品世界に引き込まれやすい。
    ファンタジー寄りな設定だが、この日本にいれば、東日本大震災を元にしていることなど、すぐにピンと来るだろう。
    作者の言いたいことは分かる。ただ、Twitterをよく見ている私は分かるが、震災後のどの出来事をモチーフにしているか分からない人にとっては、後半は突拍子もない展開すぎると受け取られても仕方ないかもしれない。急にここで民族の話とは。
    それに、幸せの形は人それぞれだと思うけれども、それまでの固定概念から抜け出しさえすれば人は幸せになれるの?
    そもそも地震が起きずにいたら、彼女はその幸せに気づけたの?もし地震が起きなかった場合、お金のやりくりは?生活はどうしてた?仕事辞めてそのあとどうするの。一緒にいられたらそれが幸せ??
    現実味がなさすぎて、強引なシールにただ流されているだけの印象も否めない。


    あと、他の誤字が目立ちすぎて、何度も出てくる「祖両親」という記述が、この作品特有の設定の一つなのか、それとも「父母」という言葉を一括置換で「両親」にしたまま載せてしまったのか、どちらなのか読んでいる最中も気になってしまった。おそらく後者だろうと読者が受け取れてしまうのが残念。
    何よりタイトルで損してるよね。私はよく使われる物の「シール」のことだと思った。まさか人名だとは。
    もっといいタイトルがあった気がする。特に印象的な氷の家の場面から取るとか。

    こんなに書いてしまったが、作品の雰囲気やテーマは好きだ。私好み。
    こういう作品がもっと読みたい。

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