史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか

  • CCCメディアハウス
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レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484101187

作品紹介・あらすじ

サブプライムローンの破綻を予測し、一世一代の取引に打って出た男がいる。彼はなぜバブルを見抜くことができたのか。ウォール街の歴史を塗り替えた男の舞台裏を、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のトップライターが見事に描き切った、迫真のドキュメンタリー。

感想・レビュー・書評

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  • サブプライム証券のデフォルトに端を発した金融危機では、リーマンブラザーズ、ベアースターンズ、メリルリンチ等の大手金融機関が倒産・救済に追い込まれた。いずれもかつては、サブプライム証券の組成・販売で多額の利益を享受していた金融機関である。
    その混乱の最中、莫大な利益を上げウォール街の注目を一身に集めた男がいる。ジョン・ポールソン。本書はポールソンがいかにして一介のヘッジファンドマネジャーから、そのような成果・名声を得るに至ったかを丹念に叙述する。

    本書の魅力の1つは、難解な金融用語を避け広範な読者にアピールする文章であることに加え、登場する人物のほとんどに生い立ちからのエピソードを付け、各人物毎のドラマを多層的に記述してあることだ。そのため、金融にさほど興味のない人でも小説のように楽しめる内容になっているように思われる。
    一方、金融に興味のある人にとっても、いかにして住宅バブル崩壊への賭けが奏功したかについて、具体的な記述がされており、大いに参考になるだろう。取引内容は興を削ぐためここでは触れないが、ローリスク・ハイリターンな投資戦略は読んでいていい刺激になった。
    最後に、ポールソンのファンドが投資アイデアを実現するまでに多くの時間・労力を要したことに触れておく。ポールソンのアイデアは優れたものだったが、当時の世間常識や住宅市場への楽観と真っ向から対立したものであったため、当初ファンドに思うように資金が集まらなかったのである。先が見えても、それだけではうまくいかない運用ビジネスの実態がわかり、非常に読み応えがあった。

  • "The Greatest Trade Ever" by Gregory Zuckerman

    According to news reports John Paulson lost $1 billion on the gold crash in April 2013.

    Rich List of Alpha

  • ジョン・ポールソン。彼は思い上がったウォール街の金融家たちの失敗を尻目にサブプライムローンの破綻を予測し、一世一代の取引によって、1年で150億ドルという巨万の富を手にした。本書はその記録です。

    僕がこの本を読むきっかけになったのは、ニューズウィークの日本語版で多くの誌面を割いて、この本の特集が組まれてあって、これはぜひ読みたいなと思い、先日手に入れて読んでいました。中身の難しさと、自分の金融に関する知識がまださび付いていないことを確認できただけでも、読んでよかったと思います。ただ、この本を読みこなすには、基本的な金融に関する知識がないと骨が折れるということは明記しておきます。

    しかしサブプライム・ローン破綻の経済危機のダメージから、いまだ回復していない世界経済を見るうえには、それをチャンス捉え、1年間で150億ドルを稼ぎ出したといわれるジョン・ポールソンの記録を読んでおくことは決して損にならないと確信しております。彼がすごいところは、単に取引を成功させたというだけではなく、不動産投資やCDSなどのデリバティブ商品にに全く縁のなかった無名の投資家が、金融史上最大の取引を成功させたのだ、というところにあります。くわしい話は本書を参照してほしいのですが、右肩上がりで活況を催しているときに
    「これは異常だ」
    と気づいて、その読みがもし違っていれば、破産は確実ともいえる天文学的な負債を抱えなかればならない。そのリスクとプレッシャーに向き合う姿というのは、常人には計り知れない物があるのだろうなと感じました。

    そして、この本にはポールソンだけではなく、先日ここでも紹介した「世紀の空売り」にも出てきたマイケル・バーリなども出てきて、『おっ』なんて思いながら僕は楽しく読み進めることができました。本書の後半になってサブプライムローンやCDSが破綻して、彼の懐に巨額の利益が転がり込んできたときの描写を読んでいたときはジョージ・ソロスがイングランド銀行を破綻させたとき以上の取引規模だったという話を聞いて、やっぱり彼のとったリスクはすさまじいものがあったんだと、表紙に写っているスーツ姿で穏やかな彼の姿のどこにそんなタフさがあるのだろうと、思いながら、今、この記事を書いております。もし、あのさなかにすさまじい儲けをたたき出した人がいて、その一人がどういう風にしてリスクをとり、そして決断を下したのか?それを知りたい方は、ぜひ一読をしていただけるとうれしいなと思っています。

  • 魅惑的なタイトルに惹かれます。
    文章もうまくて面白い。
    2007年にサブプライムローンの下落に賭けた戦略で成功を収め、150億ドルの利益を上げたポールソン&カンパニーを中心に、サブプライムローンに係る逆張り取引で利益を上げた逐一を追ったドキュメントです。

    ブログでの紹介:
    http://money-learn.seesaa.net/article/174811147.html

  • 儲からないポジションを持ち続けるのはさぞかしタフな日々だったと思うけど、それが報われる日も来るんだなぁと思わせてくれた本。

  • 損した人も得した人も公平に書いている(ように少なくとも素人には見える)本。世界が違いすぎて、世の広さを知ることができたという意味で有意義な読書体験だった。

  • 一章で読むのをやめた。
    やはり本人が書いた自伝のほうがいいなあ。

  • くだらないけど、おもしろかった。
    投資家ってたいへんだね。

    知人の投資家が、先日、倒れた。
    今年に入ってから株の運用で思うように儲けが出てないって焦ってた。
    株って、勝っても負けてもストレスだって話してた。

  • 2007年のアメリカ金融危機と市場、投資家たちのノンフィクション。文書が読みやすく、素人の私でも楽しめました。

    この本に出てくる反省は、学校や職場で教わることばかり…思いこまない、分析する、検証する、わからないことはすぐ調べる、正しく見積もる、相手の意図を考慮する、要求されてないことはしない、自分の考えに信念を持つ、みんなという人は存在しない、歴史を学ぶ、やりたいようにやる、時にはガス抜きも大切…なんてことを思いながら読んだ。
    金融の世界は恐いと思った。そして魅力的とも感じた;マイナスのお金がプラスの利益を生み、それがまたマイナスとなり…私にはひどいギャンブルにしか見えないけども。一攫千金を狙って成功したJPは本当にすごいと思うけど、私だったら手を出せないだろうな…彼のように自信を持てる脳みそ、能力や優秀な部下を持っているのは幸せなことだと思う。

    リーマン・ショック、サブプライム問題、など当時はニュースで毎日見聞きしていた。日本も不況になったし、自分も周囲も明るい気分ではなかった。けど、そのからくりはこの本を読むまで知らなかった。住宅市場のことも全く知らなかった。興味が無いだけかもしれないが、もしかすると私は相当な世間知らずなのかもしれない。もっといろんなことを勉強して知っておきたいと思った。

  • リーマンショックにより儲けた人たちの話。
    素人だからこそ木を見て森を見ずから抜け出せたところもあり、投資というものの難しさを感じるところ。

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著者プロフィール

グレゴリー・ザッカーマン(Gregory Zuckerman)
ウォール・ストリート・ジャーナルのシニアライター兼ノンフィクション作家。ウォール街の金融企業や投資家に焦点を当てた記事や、ビジネスの話題を人気コラム「Heard on the street column」に掲載。経済・金融ジャーナリストの最高峰ジェラルド・ローブ賞を3回受賞。CNBCやFoxなどの経済番組にも定期的に出演。ノンフィクションの著書も多数あり。既刊本の訳書に『史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか』(CCCメディアハウス、2001年)、近著には米メジャーリーグ・サッカーの元アメリカ代表ゴゴールキーパーであるティム・ハワードなどの有名アスリートたちの光と影を描いた『Rising Above』(Philomel Books、2016年)などがある。


「2020年 『最も賢い億万長者〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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