性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484121031

作品紹介・あらすじ

4億の検索ワーズ、65万人の検索履歴、数十万の官能小説、数千のロマンス小説、4万のアダルトサイト、500万件のセフレ募集投稿、数千のネット掲示板投稿を、最新のデータマイニングを駆使して分析。神経科学と性科学の研究成果も加味してまとめた。これは、キンゼイ・レポート以来の「偉業」なのか?男と女とゲイの性的欲望を解明する衝撃の問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 男性は好みの対象自体が性欲のトリガーとなる。女性は好みの状況にならないと性欲が働かないフィルターがある。体調、自分の魅力、相手が自分を愛してくれている事、その相手が群れの中の強者である事、など。ラブロマンスのコンテンツはアダルトコンテンツと同規模に近く消費されている。なので、女性がドラマ、ワイドショー、韓流などを好むのは極論すれば男性がグラビアを好むのと似たようなものなのだ。
    ホモセクシャル向けのアダルトコンテンツで男性が男性に責められているのを見ると、女性との感覚ギャップが想像つくだろうと書かれていた。確かに、あの対象が自分と同性に向けられているとギョッとする。でも、トリガー自体は変わらないので理解できるのだが、多分女性はトリガーも異なっているので、、もっと気色悪いんだろうな。。

    ・キャンパスで魅力的な若い男女が初対面の異性に近づき、
    ①今晩、デートしない?
    ②今晩、僕の(私の)アパートに来ない?
    ③今晩、ベットを共にしない?
    と声をかける。
    男性がYESと答えたのは、
    ①50% ②69% ③75%
    女性がYESと答えたのは
    ①56% ②6%  ③0%
    だった。

    ・心理的な性的興奮と身体的な性的興奮は、男性の場合は一致するが女性の場合は一致しない。

    ・女性の脳は、ウォーレン・バフェットに近い。常に長期的な視点から考え、状況の変化に順応する。男性の脳は株式ブローカーのようなものだ。マーケットが上向こうが、冷え込もうが、自分のクライアント全員に同じアドバイスをする。「グーグルに投資しとけ。失敗するはずがない。」

  • 検索履歴等のネットデータを縦横無尽に駆使し、男と女の性行動の違いを炙り出した本。
    ものすごい力作であり、ネット全盛の今でなければ書けなかった「時代の子」であろう。データ量の膨大なることもさりながら、それを用いた分析がとても細やかで、何より公正。目からウロコが何枚も落ちまくること必至の、大袈裟だが全人類必読の書とすら言える。
    ただ、訳者あとがきにあり、私も同じ意見なのだが——同性(女)について書かれた部分については上記のとおり感動したが、あからさまになった「異性の欲望の忌憚なき姿」には、正直言ってムカついた(笑)。これは男性も同じ結論に至るのか、そこにいささか興味がある。

    2014/9/10〜9/13読了

  • インターネット上の法則の一つにルール34というものがある。

    RULE 34:If it exists, there is porn of it.

    「この世にあるモノすべてに対してポルノがある」ということ。
    つまり、人は何にでも欲情する、それを満たしてくれるコンテンツは
    必ずネットにある、ということ。

    だから、インターネットでは、絶対普通だったら知ることがない、
    ニッチな欲望の存在を知ることができ、部外者でも覗き見られる。
    ヤカンフェチサイトで、どんなヤカンが人気で、ヤカンとどんなことを
    してるかを見ることができるのだ。
    ヤカンフェチがあるかどうかは別にして。(いやきっとあるはず)

    でそんな欲望渦まくネットからポルノに関する検索ワード
    (5517万457語)や4万のポルノサイト、数十万の官能小説、
    数千のロマンス小説を統計的に分析した本。

    …と労力は認めるが、共通の性的欲望の「キュー」を探そうと、
    あまりにも還元主義的。
    そこでの理論は、
    「遺伝子を残すために子どもを育ててくれそうな巨乳に欲情する」とか

    「優秀な遺伝子を残すためアルファメール(社会的に地位のある男)に欲情する」とか、
    まあ、どこかで聞いたような説明。
    脳科学的に…、進化論的に…、遺伝子的に…とあるが、どれも眉唾で
    仮説の域を出ていない。
    結局、「欲情のキューは、進化論的、遺伝子的なキューと
    文化的/個人的なキュー(フェチ)の2つがあって人ぞれぞれ」
    という当たり前な結論。

    ただ、ときたま出てくる個人的な話や個人の検索結果が非常におもしろい。
    たとえば、「俺は職場のストレートの男と寝るのが好きだね」
    というゲイの男やスリランカの昆虫フェチになってしまった少年、
    ポルノサイトの検索の後に洗濯機の評価を検索している女性の検索履歴とか。
    統計的に現れないところが一番興味深いのだ。

    …と、ふと思ったのは、まったくネットポルノを見たことのない人にとっては非常に興味深いのかも。

    以下、円周率を30桁覚えるのと同じくらいに役に立つネットスラングとか。

    MILF=熟女(Mother I'd like to fuck)
    twink=大学生くらいのゲイ(細身のスポーツマンタイプ)
    PWP=女性向けヘビーなポルノ小説(plot? what plot?)
    スラッシュノベル=二次創作のBL。「ムーミン/スナフキン」とスラッシュでカップルを表示することから。
    絶対領域の黄金比 ミニスカートの丈:絶対領域:オーバーニーソックスの膝上部分=4:1:2.5
    アメリカのある医療機関では、1969~89年の間にマスターベーションをやめさせるため656件もの去勢を行った。
    マーサ・スチュワートとポルノを検索する人は少ない。

    そういえば、著者のオギ・オーガスって、なんかポルノっぽい名前だ。

  • タブー視されがちで情報の集まらない問題に対しネット上の膨大な情報から男女&ゲイの性的嗜好について纏めた一冊。その過程は評価できるけど個人的には特別真新しい知見はなかった。
    邦題の科学という文言については仮説、推測のみで実証の伴わない部分が多いので不適切かと。副題に関しても論の末端を取り上げただけで恣意的に思われる。

  • エロいことは好きだが そもそも「エロ」とはなにか
    を知りたい時にこのほんとであった
    少し笑ってしまう部分があったり驚きだったり
    エロのジェットコースターのようだった
    ぜひ見てもらいたい

  • 大力作
    インターネット上のポルノやエロチック用語の検索履歴の分析によって男女の性欲のキーになる要素を分析した。
    男女の性欲の可動システムは大きく異なる。

    男の性欲は、主に肉体の部分によって触発される。肉体が興奮すれば精神も興奮する。
    キーになるもの:女性の肉体の一部、女性が性的に興奮している様子、ペニス、ザーメン
    ゲイが好むのはストレートの男の映像

    女の性欲は、肉体的な興奮だけではなく、社会関係の分析を伴って初めて成立する。
    キーになるもの:愛情、支配関係
    ストレートの女性が好むのは男性同士の性的関係、ポルノビデオより小説

  • 男と女では脳の性的ソフトウェアが違うので、お互いがお互いの嗜好を理解できないのはしょうがないなと思った。
    かといって完全に違うわけでもなく、男が女の、女が男の特性を備えていることもあり、性の多様性が伺える。
    異性を選ぶときの挙動として、男はデイトレーダー、女は長期投資家というたとえは面白い。
    男は体を求め、女は心を求めるのはデフォルト設定であり、これを双方が理解することが必要だと思うし、そのためにこの本はもっと読まれるべきだと思う。
    日本の話ものってる。BLとか絶対領域とか。

  • 一見軽薄な内容を、学者が本気で深く考察している本なのかと思い読んでみたが、一般的な内容だった。

    インターネットの情報から、男女の性に関する嗜好の傾向を考察しているが、特に目新しい情報はなし。
    インターネットこそバイアスのかかっていない人間の生の要求がサンプリングできる。と声高に説明しているのだけど、男性は物理的、女性は精神的なものを求める。くらいの情報は教えてもらわなくても、皆知っている。
    いわゆるネットのまとめサイトに記載されてそうな情報で、頑張って本にして発表しなくてもよいのでは。

    幼児期に割礼の誤りから性器を失った男の子が、当時の高名な精神科医の助言で無理やり女性として育てられ、苦悩した
    というエピソードは新鮮だった。

  • テーマは面白いが、読みづらかった。

  • ルール34=人が頭に描くものすべてに対してオンラインポルノが存在する

    男は映像を好み、女はストーリーを好む

    GILF=granny i'd like to fack 特にケニアとイギリス

    女性は脳の意識的な興奮と無意識な興奮が一致しない。男性は一致する。強くて支配的な大金持ちとちょいワルが好き。
    女性向け小説には必ずヒーローが登場する。

    ポルノは顔が見えず温かみが感じられないもの。ロマンス小説の要素とは両立しない。

    ANDのパワーとORのパワー。女性はいくつものバリアーがある。男性はどれか、をクリアすればよい。

    男性は「女性」を求めている。女性は「男性の欲望」を求めている。
    女性の欲しい言葉は愛している、である。

    ゲイの男性はストレートの男が魅力的=男らしさに惹かれる。肉体面だけでなく内面の男らしさに惹かれる。

    排卵期の女性のほうが欲望が男に近い。

    女性がパートナーがポルノを見るのを嫌悪するが、男性は興奮する。

    浮気妻と素人娘は、競争原理と本物志向の現れ
    浮気された妻に競争原理でハッスルする。
    素人娘なら本物の反応を示すはず。自分に満足しないと浮気される心配がある。
    女性は感情面で本物にこだわる。
    男は、目新しいもの=素人娘、に興味がある。
    男の性欲は悲劇的なところがある

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著者プロフィール

オギ・オーガス(Ogi Ogas)
神経科学の専門家。「ダークホースプロジェクト」ディレクター。ボストン大学では、学習・記憶・視覚の数理モデルをデザイン。国土安全保障省にフェローとして従事し、マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所にて生物兵器防衛研究を指導した経歴を持つ。『新薬という奇跡』(共著/早川書房)他、幅広い分野の科学書を発表している。

「2021年 『Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

オギ・オーガスの作品

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