ビジネスモデル分析術 数字とストーリーでわかるあの会社のビジョンと戦略
- CCCメディアハウス (2013年4月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784484132143
作品紹介・あらすじ
本書はフェイスブック、グーグル、アップル、グリー、アマゾン、楽天などのビジネスモデルをケーススタディ方式で分析しています。第1〜5章までは、グローバル企業の沿革、経営理念、ビジネスモデル、経営戦略、決算書などを、日本で類似のビジネスを行っている企業と比較しながら分析していきます。グローバル企業と日本企業を比較することで、日本企業にとって現在、何が必要なのかも見えてきます。第6章では本書で取り上げた企業の数字を分析し、第7章では実際にビジネスモデルを分析するときのポイントを説明します。
感想・レビュー・書評
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語り口が謙虚で、こちらの姿勢も正される。財務諸表の見方が示されるが、そこから実際のニュースなどで扱われる企業の状況などに見方を敷衍していて面白かった。
・情報主体のウェブは「集合知(群衆の英知)」という考え方に基づいています。これは依然として重要な考え方ですが、今後、さらに重要になるのは、「友人知(wisdom of friends)」です。
例えば、私が東京に行くときに欲しいのは東京に住んでいる友人からのお薦め情報です。米国では平均して月に6.5時間をフェイスブック、2.1時間ほどをヤフーに費やしています。人々が情報を取得するためにどこに費やしているのか。もう既に変化が起きているのです。今はまだ完全にソーシャルの世界に注がれているわけではありませんが、これは時間の問題。必ず変化していきます。
なぜか。理由は簡単です。人は元来、自然に状況を受け入れながら暮らしているからです。街角やオフィスで友達を見かけたら、何か特別な質問を投げかけるのではなく「元気?」と聞くでしょう。これと同じことで、人が何か特定の事を探し出そうとする時間は生活のほんの一部です。実際は周囲の人々と自然にコミュニケーションする事に、ほとんどの時間を費やしています。
フェイスブックの利用は、現実の世界で周囲と反応し合うことと同じです。意識的にやる行為ではないのです。
―フェイスブック、シェリル・サンドバーグCOO
・アップルの製品は、iPhoneとそのアクセサリー、サービスで売上高6兆2450億円(51.4%)、iPadが2兆5161億円(20.7%)、Mac1兆8019億円(14.8%)、iPod4357億円(3.6%)。売上高の国別では、アメリカが断トツの36.7%、ヨーロッパ23.2%、日本6.8%、アジア21.3%、アップルストア12.0%。
→著書内ではソニーと比較されているが、アップルは「iPhone」「iPad」「iPod」「Mac」のみしか製品が無い。極限まで絞り込まれているこの構成をどう評価するか。
・iPadを買っても、液晶パネルがIGZOとは限らない。新型iPadには、シャープ製のIGZOと韓国サムスン電子などが作るアモルファス液晶という2種類のパネルが混在しているからだ。それが消費者に分からないよう、アップルは性能で勝るIGZOの解像度をわざと落としている。
なぜそんな面倒なことをするのか。それはいみじくも奥田が言ったように、IGZOがシャープにしか作れない「オンリーワン」の液晶だからだ。
→4Kもそうだが、更に美しい画像のTVに、どれだけのニーズがあるのか。それなら、目に優しいノートPCなどの方が、消費者に求められているのではないか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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会社から送られてきた本。
印象としては、成長している企業分析のまとめ本という感じ。
意見ではなく事実に関してピックアップしてあるので、もし該当企業があるのであれば、時間短縮できる。 -
ビジネスモデルを分析するとなすべきことがわかると思うのだが、存外やっていない企業が多いと感じる。
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類似の会社を、Facebookとグリー、アップルとソニー、サムソンとパナソニックなどが比べてあり面白い。財務諸表と少しの企業理念やIR資料でここまで整理、理解ができるんだとよく分かった。自分でもやってみたい、できるかもしれないとかんじた。
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グーグルのサッカーバーグの理想=人が悪いことをするのは、その行為を隠すことができるからであり、あらゆる行為が隠せない世の中になれば、人は悪いことができなくなる。
集合知よりも友人知。フェイスブックはポジティブな情報が溢れているので、見ているとやる気になる。
スティーブ・ジョブスの3つのストーリー=1,カリグラフィーを学んだことがディスプレイの美しい文字につながった。2,アップルからの追放と復活。愛と喪失。3,闘病体験から。人生の時間は限られている。自分の直感を信じて進んでいく勇気を持つ。
チームが成長するとき、Bクラスのプレーヤーは要らない。多少でもいると、類が類を読んで、チームがBクラスになってしまう。
ソニーの井深さんの秘密は、不可能そうに見えて可能なことと不可能なことを見極める洞察力にある。
iPADの液晶は、IGZOを解像度を落として、サムスンに合わせている。供給先を1箇所には絞らない。
サムスンはマーケティング志向、パナソニックは技術志向。
マーケティング志向のために、短期に製品化する必要があり、技術者の引き抜きを躊躇しない。
ネット販売は、配送費が問題。アマゾンは顧客からもらう配送料よりも支払う配送料のほうが多い。ウォールマートとの違い。
ほこりを掃除するのではなく、ホコリになる原因を取り除く。カイゼン。
企業価値検索サービスUllet
クライアントに提出する資料は、4個までに絞る。 -
サービスを利用する→本を読む→インターネット→財務諸表
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期待外れ。
主な読者は会計のことを知りたい若者か、最近の会社のことがわからない中高年向けで、ビジネスモデルについても、モデル化の標準化には程遠く、こんな気がするレベルの感想文。
最初の比較を読んでみて、勉強になりそうと思ったら買うようにした方が良い。 -
◆企業分析のための情報収集ツール
①サービスを利用する
②本を読む
-業界地図
-公認本(社長の著書など)
-分析本
③インターネット
◆分析ステップ
①ビジネスモデルを理解する
HPなどで簡単にどうもうけているのか、サービス内容は何かを理解する
②分析本、公認本で企業の背景を知る
経営理念や創業者のストーリー、競合優位性などを知る
③財務分析をする
競合他社と比較して、特異な数値を把握する。またそれがなぜかも分析する。
④成長ストーリを把握する
今まで分析してきたことをもとに、これまでの成長ストーリーを整理する。
⑤有報、アニュアルレポートを読む
今までの分析をもとに、生きた財務分析を行う