パリ行ったことないの (フィガロブックス)

著者 :
  • CCCメディアハウス
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本棚登録 : 386
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484142326

作品紹介・あらすじ

パリに行けば、自分が見つかるの?『フィガロジャポン』好評連載に、書き下ろし「わたしはエトランゼ」をあわせて完結。すべての女性に贈る、10人の物語。

感想・レビュー・書評

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  • パリに行けば、自分が見つかるの?

    あゆこは『フィガロジャポン』を10年も定期購読しているのに、パリに行ったことがない。
    人生に臆病なまま35歳を迎えたある日、まぼろしの映画『ディディーヌ』に魅せられて、ついにフランス行きを決意する――。

    『フィガロジャポン』好評連載に書き下ろし「わたしはエトランゼ」をあわせて完結。すべての女性に贈る、10人の物語。

    Amazonより

    ***
    パリには興味がないし、そもそも旅行や海外が舞台の話はなんとなく避けがち。
    掲載誌からして私とは関係なさそうなおしゃれ感…。
    ということで、あらすじからパスしていましたが、著者の作品は全部読んでいるので
    ふと気が向いて手にとってみました。
    …あ、パリはあくまで象徴的なものであって、描かれているのはそこじゃないのね。
    色々な年齢、状況の女性の心の動きがパリを絡めて描かれており、
    連作形式かと思いきやあとから収束していくパターンで、再会は嬉しい。
    旅行ものはあまりだけど、旅というより群像劇的なものは好きなので、
    旅行代理店が出てくる章はよかったです。
    私にとってのパリは何かな、と思わせてくれます。

  • 憂鬱な日常の対極にあるパリに憧れる女性達が、
    「えいやっ!」と勇気を出し、夢を叶えるフランス旅行へ。
    いざ行ってみれば、人種差別があったり街が汚かったりで幻滅することもあるけど、
    自分の枠から一歩踏み出した彼女達は幸せそう。
    幸せって結局は自分の内側にあるものなんだよね。

  • 装丁が好きで、しおりとしてついている青いリボンがパリって感じでおしゃれだなぁと!
    パリを、ただ華やかで素敵ってだけではなく、雨ばかりだったり結構ゴミが落ちている、なんて色々な表情が垣間見えたのが面白かった。
    『雨ばっかり』みたいに、誰かの一言で見える世界が全く違ったものになるのは共感しました。
    様々な言い訳を越えて、飛行機に乗れた人たちが感じることのできる解放感や風が清々しい最後の話に救われた感じがしました。

  • すーっと読み終えた。
    すーっとの文字通り、心に何も引っかかるものもなかった。
    パリに憧れる数人の短編で、最後に旅で全員集合するけれど、全員エピソードが薄いため、伝わるものがなかった。

  • パリに行ったことがないのに、強烈に惹かれている自分と重なった。コロナも落ち着いたから、絶対に行ってやるのだ!

  • 行きたいな、とか。
    やってみたいな、とか。
    そう思うことは日常にあふれているけど、実際そこに向かって自分は行動してる?って、思わせるね。
    行こうと思えば行ける。
    やろうと思えばやれる。
    本気かどうか。
    決めるかどうか。

  • 憧れのパリになかなか行けていないそれぞれの女性の人生をまとめた小説。
    それぞれの悩みや女性ならではの結婚や子どもを持っている。ただ必ずフランスに行くことを憧れているけどなかなか行けずにいる。
    最後は最初に出てきたフランス語学院に通うことにした子がフランスで旅行会社で勤めていて8月のバカンス期間でどこも営業していない中で南フランスだゆったり過ごすプランにそれまで出てきた方々が参加する話。
    憧れの海外で暮らすことは他の人にとってはよく聞こえるが、実際その国ならではの合わない部分や気になるところは出てくるので結局悩みから逃れることは出来ない。だが、快適に過ごすこともできるということを言っている気がする。
    海外に住んでいたからよく分かるが、完璧な生活を送ることができる国は存在しない。
    またヨーロッパならではのバカンスをしっかり取る文化は改めて良いなと感じた。
    旅行となるとやりたいことを詰め込んでしまって疲れてしまうが、ゆったり何もしないプランも良いなと思った。

  • パリを目指す女性たち。
    選んできた人生にはスペクタルな展開は起こらない。すごく普通。絵に描いたように平凡。人に「スゴい!」と驚かれるようなことは起こらない。
    年齢もモチベーションも様々な彼女たちが目指したパリ。

    本当になにもしない、フランス流のバカンスを過ごしながら交流する彼女たち。
    パリでもニューヨークでも、日本に帰ったとしてもどこだって彼女たちはやっていける。

    ---------------------------------------

    パリ、という言葉の持つ力に憧れる女性たち、そして実際にパック旅行で本場のバカンスを体験する彼女たち。

    「このままでいいのか自分の人生」と思っていた女性たちが、なんとなくいい雰囲気でエンドロールに集合するラストはすこし物足りなかった。きれいにまとまりすぎていて、最後の最後で気持ちが冷めてしまった。これは多分、自分がひねくれすぎているからだ。

    「思い描いていたパリと違ってガッカリ! 同行者とケンカしてイラつく!」そんな感情も旅にはつきものだと思っている。

  • 様々な想いを抱えた女性たちが、パリへ行くという目的をもち、パリへ行き、自分の人生をなんとかリスタートしてみたい。そんな想いが実行できるのはパリではないかと。四苦八苦しながらも生きていく女性の逞しさは美しいと思った。

  • 面白かった!ちょっと身につまされる感じ。何もしない為の休暇に行きたいな。

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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